「……これでいいかしら?」
「うん、そのまま太腿をぴったり合わせてて……よっと」
「んんっ……!」

黒のセーターを着たまま下半身を裸になった響子さんを正座させ、太腿と下腹部に出来た窪みに徳利を傾ける。
そこに常温で放置して温くなった純米酒がトクトク注がれ"わかめ酒"が出来た。
透き通るような白い肌から覗く薄紫のヘアがゆらゆらと漂う。

「綺麗だ……」
「感想はいいから、早くして……」
「そうだね、いただきます……。ん、んんっ、んむぅ」

ジュルッ、ピチュッ、チュププ――。チュウ。チュプ、ジュルルッ――。

"こういうのって何が楽しいのかしら――?"と彼女の呆れた視線を浴びながら飲み干していく。
僕にとってはさっきまで猪口で飲んだものと同じ筈なのにとても飲みやすい。
響子さんの肌に触れ、ピリッとした辛口の味がまろやかになった感覚になり、極上の甘露に思えた。

「ふぅ……。美味しかったよ、ごちそうさま」
「そう。それは良かったわね……っ、誠くん、いつまで舐めているの?」
「えっ? んむっ、それは……デリケートな部分だから消毒しないと」

ヘアの周りに残った水分をチューチューと吸い出したら、会陰部をなぞるようにチロチロと舐めていく。

「……だったら、うぅん、ここじゃなく、ベッドの方へ行きましょう……?」

響子さんの提案に僕は掴んでいた両膝を開くのを止めて逡巡する――。
そして、導き出した答えは彼女の提案に耳を貸さずに股を開かせてクンニリングスを再開させた。

「んっ……んぁ! あぁっ! ふぁあぁっ!」

僕は無我夢中で秘口に吸い付き、ジュルジュルと音を立てて蜜を啜り飲んだ。
咄嗟に響子さんは僕の頭を掴んで股間から離そうとするけど、僕は舌使いを止めずに舐め回す。
ちゅる、ちゅぷ、ちゅぱっ、ちゅうぅ――。

「ふぁあっ!? ああっ、やっ、あ! やっ、んっ、まっ、まことっ、くん……っ!」
「んちゅ……。響子さんのここ、いっぱい舐めて気持ちよくするから……!」

指で包皮を引っ張り、肉芽を剥き出しにしたら舌先で撫で上げる。
同時に二本の指で熱い蜜穴に差し込み、指の腹で肉襞をやんわりと擦り上げていく。

「はぁん、それダメっ! あっ、んんっ……!」

ビクッと身を震わせながら僕の頭を掴んだ指に力が籠もる。
けれど甘美な電流の痺れに身を捩じらせて腰を浮かせるだけ。
そしてクリトリスをちゅうちゅうと吸っている頭を広げていた脚でギュッと内側に寄せて締め付けてきた。

「んっ! あ、あぁっ! ふ! あ、あぁあ!」

余裕を失った彼女の嬌声を聞いている内に我慢できなくなった僕は立ち上がり、部屋着のジーンズと下着を一度に下ろした。
ペニスは垂直近くまで反り返り、先端から透明な雫を漏らしていた。
牡の欲望が露な屹立ぶりに響子さんが息を呑む。

「……いいよね?」
「いいよね、って……あぁん」

彼女の返答も待たず僕は四つん這いにさせたら熱い肉棒を押し当て、亀裂にめり込ませる。
指と舌で弄られた穴は十分に潤って、僕のを呑み込む準備はすっかり出来ていた。

「あ、あ、そこ……!」
「うっ、あ、入るっ……! ああっ!」
「あ、あ、はあぁあんっ!」

一定の速度を保ちつつ奥まで捩じ込んでいき、そのまま下腹部を密着させるように奥まで進ませると亀頭の先端が子宮口の丸みにぶつかって止まった。
彼女の柔襞が一斉に轟き、僕のペニスを離すまいと絡み付いて圧迫していく。
そして雁首が抜けそうなくらいところまで引いて、力いっぱい奥まで捩じ込んだ。

「ふぁあ! まっ、やあっ! はっ、ひゃうんっ! や、やめて……! こんなっ」
「でも響子さんのココ、びしょびしょだよ……っと!」

雁首まで抜いて、再び根元まで捩じ込む。
そのたびに淫水の破裂音がリビングに響く。

「あ! あーーっ! ひゃ! あぁぁ! わたしっ、ダメっ! もぉっ!」
「もうすぐ、イクからっ……! んっ、んんっ! ああっ、響子さん!」
「だめだめっ、やっ! だめなのっ、そこっ! あっ! やっ、いやっ! あっ、あぁっ!」

興奮の叫びを上げながら僕は腰使いを加速させた。
猛烈な勢いでズブズブと犯すように突きこむと、彼女はその勢いに耐えられず姿勢が崩れてカーペットにしがみつく体勢になる。


「全部受け止めてっ! うあぁっ!」
「あっ、ひっ! あっ、あっ、あぁあっ……!」


僕は最後の力を振り絞って腰を叩き込み、精を迸らせた。
同時に五指が食い込んだ桃尻が小刻みに震え走り続ける。

「うっ、くっ、はぁ……。ふぅー、ふぅー」
「ううっ……」

放出が収まるとそのまま彼女に覆い被さるように体重を預け、唇を差し出してキスを求めた。
振り向いて応じてくれると思いきや、再び僕から顔を背けカーペットに突っ伏すように顔を隠した。

「……誠くんのバカ」
「えっ? ……うっ、あ、れ……?」

突如襲い掛かる目眩。
お酒を飲んだ直後に激しい運動をするから身体は限界を迎えてしまったようだ。
僕はそのまま彼女の言葉の意味を問い質すことも出来ず、響子さんに覆い被さるように意識を手放すのだった――。


―――――


耳元で鳴り響くデジタルな呼び出し音が僕の意識に覚醒を促した。

「ううぅん……」

気づくとそこは寝室のベッドで、枕元に置いていたスマートフォンが発信源だった。
"アラームなんて掛けたっけ――?"記憶の糸を手繰り寄せながら手を伸ばし液晶画面を見る。するとそこには"十神クン"の文字が表示されていて、画面をタッチして呼び出しに応じた。

「……もしもし?」
『おい、苗木。初詣をしようと提案した奴が指定した期日と場所にいないんだがお前、心当たりはないか?』
「えっ……?」

慌てて壁掛け時計の時刻を確認すると、短い時計の針が11時のところを過ぎており途端に僕の中の血の気が引いた。
約束した時刻より2時間も過ぎている。

「ご、ごめん十神くん、実は朝起きたら熱があって。薬を飲んで安静にしてたらそのまま寝ちゃって……」
『霧切にも電話を掛けたが出なかったのはそういう理由か。二人そろって全く呑気なものだ』
「ごめんね……んんっ!?」
『どうした、まだ御託を並べるつもりか』

腰にねっとりとまとわりつく感触に思わずびっくりしてしまう。
以前もこんなことがあったような――と、恐る恐る掛け布団を捲るとその予感は的中した。
響子さんが僕のパジャマと下着を膝までずらし、僕のペニスを咥え込んでいる真っ只中だった。

「いや、起き上がろうとしたら、頭がフラッとしちゃってさ……。まだ、うっ、熱が下がってないみたい……くぅぅ」

"やめてよ、響子さん――"という懇願の想いを込めて彼女の頭を空いている手でそっと離そうとする。
けれど響子さんは抵抗し、頬をへこませて柔らかな口内粘膜で幹を左右からぴっちり挟み込んで、よりいっそう唇を窄めて素早く頭を振りたてた。
蕩けそうな快感を電話越しの十神くんに伝えないよう、僕は必死に声を押し殺して響子さんの口奉仕に耐える。
だけど彼女は却って奉仕に熱を強めた。
窄めた唇と口内粘膜、舌と指を最大限に駆使して僕を追い詰めていく。

『チッ。……そのまま寝てろ。風邪を移されてはこっちが迷惑だ』
「う、うん。そ、そうするよ……」
『まったく使えんヤツだ……。ペットボトルのフタの方がまだ使い勝手がある』
「くぅぅ、ごめん……。それじゃ」

震える指で通話終了の画面をタッチするとスマートフォンを再び枕元に投げ出したら、渾身の想いで叫ぶのだった。

「お願い、やめてよっ!」

その一言で響子さんはピタリと動きを止め、僕を見つめる。普段のポーカーフェイスで――。
睦み合う時には決して見せない普段の顔で観察するようにアメジストの瞳は僕を捉える。

「響子さん、どうして怒っているの?」
「別に。私が誠くんに対して怒る理由なんかないわ」
「やっぱり、怒っているんだね……」

そう言って僕に背中を向けながら僕の隣に寝転んできた。
本当に彼女を怒らせたのなら僕の傍から離れてしばらく口を利いてくれない筈だから、まだ交渉の余地はあるようだ――。
彼女の本心を引き出すまでは後ろからぎゅうっと抱き締めたい衝動に僕は耐える。

「本当は僕の顔を見るのが嫌になるくらい、嫌いになったの……?」

その問いに響子さんは首を横に小さく振った。その返答に僕はホッと溜め息をついて一安心した。

「それじゃあ質問を変えるよ。どうしてさっきあんなことをしたの?」
「それは……あなたにもわかってほしかったから」
「僕に?」
「そう、あなたがしたことを私もやり返しただけ……。後は自分で考えて」

やっぱり、昨日のことを根に持っているみたいだ――。
原因を作ったのが僕自身なだけに解決するにはどうしたものかと逡巡する。

相手の気持ちを無視して事を進めるのがどんなに辛かったのか――。
響子さんはいつだって本当に伝えたいことを遠回しに尋ねてくる。
それは相手にきちんとした考えを導き出すための彼女なりの気配りだと思う。
あのコロシアイ学園生活のように一緒に考え、結論を出すことが今の僕らには最善の選択肢だと提案しているんだから、僕はそれに応えたい――。
導き出した答えを聞いて欲しいがために僕は響子さんの両肩を掴み、そっと振り向かせる。

「響子さん、やり直そうよ。姫始め」
「……え?」
「昨日の時も、今も僕らお互い相手のことをあまり考えないでセックスしていたから……。それと昨日はごめんなさい、響子さんの気持ちを蔑ろにして。怒るのも無理ないよね……?」
「別に怒ってなんかないわ。……ただ、悲しかっただけよ」
「だからもう一度やり直したいんだ。僕はキミと一緒に気持ちよくなりたいんだ……!」

真摯な想いで響子さんを見つめる。すると僕の視線に耐え切れなかったのか仰向けに寝転がった。

「誠くんの想いは伝わったから……。あとは言葉だけじゃないことを証明して」
「……そうだね、そうさせてもらうよ」

高まる期待感と共に彼女の着ているパジャマのボタンを一つずつ外していく。
一枚一枚脱がしていくと自然に頬が緩くなり微笑んでしまう。
僕も裸になったら寄り添って右手を彼女の股に差し込んだらクチュリ――と湿り気を帯びていた。

「もしかして、口でしている時に自分で慰めていたの?」
「……っ! もう、勝手にしなさい」

響子さんは拗ねたような表情を浮かべ、ぷい、とそっぽを向いてしまう。
その態度は僕の問いかけが図星だと言っているのに等しいって彼女は気づいているのだろうか。
"わかった、そうするよ"と苦笑しながら響子さんの身体にのしかかって正常位の体勢で腰を押し進める。
膣孔に先端をあてがい、そのまま一息で貫くとスムーズに奥まで差し入れることができた。
とはいえキュウキュウに締め付ける柔襞の締め付けは相変わらずで、その締め付けに満足の溜め息を吐き出す。

「ああっ、響子さん」
「んっ! あ、あ、あ……熱い。誠くんのが入ってるわ」
「うん、中で絡み付いてくるよっ……!」
「私もよ……中が変になっちゃいそう。お願い、もっと突いて、奥まで突っついて……!」

響子さんの許可を得た僕は身体を前傾させて体重を掛けるように動き出した。
ぐちゅぐちゅと、内部に溜まった愛液を掻きだしながら抽送を繰り出す。

「……っ! うわっ、気持ちいい……!」
「あっ、ん! はぁあ! おっきぃ! やっ、あ!」
「んっ! はむっ、んちゅっ、んんっ!」
「んっ、ふっ、はっ! あっ、ああっ! んんむっ!」

一突き突く度にぬめる媚肉がペニスに纏わりつき、蕩けるような断続的な肉悦に喘ぎながら僕は響子さんの上体を抱きこんで唇を塞いだ。

「……んんっ、ぷぁ。ああ、幸せ……!」
「わたし、も……!」
「……ぴったりだね。僕たちっ!」
「そうね……。あっ、や! んぁあっ! んぅっ、あぁ! あぁあああっ!」

甘い息を吐いて互いの腰を打ちつけ合うと、腰の芯から甘く痺れるような電流が走る。
込み上げる快感も然ることながら、こうして肌と肌、心と心を重ね合わせて繋がりあう幸せが心地よい充足感をもたらせてくれる。

「んっ、あんまり、持たないかも……。スパート、かけていい?」
「いいわっ、そのまま……いいのよ、あっ! いつでもっ、イって……!」
「うん……!」

響子さんは潤んだ瞳で目を細め、下から両腕を伸ばして僕を抱き締めた。
さらに長い脚が腰の後ろで交差してガッチリと抱きすくめる。

「大好きなの、誠くん……」

か細い声で僕の耳元で囁かれる声――。その言葉の意味を理解すると胸の中が幸せな充足感で満ちていく。

「僕も好きだっ! 大好きだよ、響子さんっ!」

響子さんを引き寄せて腰をグイグイ密着させながら僕は絶頂に向かってひたすらピストンを繰り返した。
卑猥な音を立てて、愛液が満ちて水っぽくなった膣内をがむしゃらにえぐり抜く。


「ううっ、出すよ! 響子さんっ! 響子さんっ、響子さんっ! ……出るっ! ぐうぅっ!」
「んーーっ! やっ! あっ、いっ! あっ、あーーっ!」


深々と膣の一番奥まで打ち込んだ瞬間、僕は彼女の膣内いっぱいに滾りきった欲望の奔流を注ぎ込んでいた。
津波のような勢いで響子さんの膣内に溢れ返った精液が逆流し、結合部からじわりと滲み出す。

「あ……。はぁ……ふぅ」
「んんっ、やだ……溢れちゃう。もう、誠くん……出しすぎよ」
「うっ、ごめん……」
「でも、嬉しい……フフッ」
「うん、僕もだよ……!」

同時に絶頂を迎えた余韻に浸りながら、僕らは充足感に満ちた吐息を零した。
額同士をくっつけ、感謝の意味を込めて口付けを交わし合う。

「ありがとう響子さん。昨日の後片付け、キミに全部させちゃってことも含めてお礼を言わせてもらうよ」
「もういいのよ、誠くん」
「それと、みんなとの初詣すっぽかしちゃったね」
「だったら後で一緒に謝りに行きましょう……?」
「そうだね。ついでに初詣も二人っきりで済ませてこようよ」
「そうしましょう、せっかく用意した振袖を着ないのももったいないわ。誠くん、着付けを手伝ってくれる?」
「うーん、随分前に母さんとこまるの着付けを手伝ったことがあるけど上手くいくかな……?」

そんな睦言を交わしながら僕たちはこれからの予定について胸を弾ませるのだった。
二人で一緒に考え、正しいと思う答えを導き出せるなら僕たちは何度でも許し合えるし、分かり合えると思うんだ――。


――響子さんと姫始めした。

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最終更新:2015年02月04日 23:07