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蛍光灯の無機質な明かりが、真夜中の病室を照らし出している。
漆喰塗りの壁より真っ白な顔をにさらして、狛枝は眠っていた。
絶望病により生死の境を彷徨った彼につきそうのは、超高校級の保健委員である罪木。
先程まで呼吸も心音も安定せず危篤状態だった狛枝だが、罪木の必死の看病により
命を取り留めていた。
まだまだ予断を許さない状況だが、ひとまず峠を越えたところだ。

「……罪木さん?」

かすれた小さな声を聞きつけ罪木が目を向けると、狛枝がうっすらと目を開いていた。

「よかったぁ……死んじゃうかと思いましたぁ」

顔に浮いた汗を拭き取り、額に載せた手ぬぐいを代えてやると、多少意識がはっきり
してきたようだ。色の薄い前髪の間から、どんよりした眼差しがこちらへ向けられる。

「狛枝さん、聞いてくれますかぁ」
「……いやだ」

狛枝の症状はうそつき病。きっぱりとした否定の言葉を反対の意味だと受け取り、
罪木は話し始める。

「この間のこと、覚えてますよね。あの夜、あなたのコテージでのこと。
 本当は私、あんなことしたくなかったんですぅ。途中で自分からパイズリを始めて、
 生での挿入を提案して、腰を振ってよがり狂った女が何をと思うでしょうけどぉ」

狛枝は黙って聞いている。話の内容よりも、罪木の表情や声のトーンが変化したことを
訝っているようだが、かまわず続ける。
罪木はベッドに腰掛けて、狛枝の顔に汗で張り付いた前髪を掻き分け、額に触れる。
まだ高熱は続いていて、熱が手の平に伝わってくる。
小さな子供に言い聞かせるかのように語りかけ、同時に包帯で狛枝の腕をベッドの天蓋に
結わえつける。

「怒鳴られたら怖いんです。押さえつけられたら怖いんです。いじられたら嫌でも
 身体は反応するんです。抵抗しても殴られて、結局もっと酷くされるだけなんだから、
 さっさと気持ちよくなってもらって終わらせてしまいたいんです。
 怪我をして痛い思いをするより、自分も相手も気持ちいい方がマシですよねぇ?
 ……そして、そんな状況でも必要とされたがる自分に、欲情してしまう自分に、
 この上なく絶望するんですぅ」

毛布を剥ぎ取り、狛枝の両脚にまたがり病院着をはだける。狛枝が苦しそうに息を吐く。
念のために腕を拘束したが、病気のせいで体力を消耗しており、しばらくは身動きできないだろう。
今この瞬間、人一人の命をどうにでもできるという支配感が胸を満たして、
罪木はうっとりと酔いしれる。

「いくら必要としてもらえても、一時の安心が得られるだけ。いらなくなったら
 捨てられる。そんなこともわからないくらい絶望していたんです。
 私はただ、そう――愛してもらえれば、それだけでよかったのに」

愛は素敵だ。愛は素晴らしい。愛があれば何でもできる。愛のためなら死ねる。
なぜこんなにも素敵なことを忘れていたのだろう。罪木は自分の腕をかき抱く。
上半身の衣服は喋っている間に脱ぎ捨ててしまった。肩の痣に手が当たって、小さく疼く。

「あなたはどう取ったか知らないけれど、あのとき私は絶望していたから
 受け入れたんです。これは、絶望させていただいた恩返しですよぉ」

トランクスをずり下ろし、慣れた手つきで狛枝のモノを手に取る。反対の手で
ブラジャーを外して、双方の乳房でそれを包み込んだ。

「この間は、おっぱいでイってもらえませんでしたからぁ。その分たくさんして
 あげますからねぇ?」

亀頭をチロチロと舌先で刺激しながら、胸ごとペニスを揉みしだく。乳房を大きく
回転させるように竿をこすると、挟まれたモノはすぐに硬くなった。
単調にならないよう気をつけながら、緩急をつけてなぶる。しばらくそれを続けると、
亀頭から白濁した液体が飛び出し顔を汚した。
罪木は一端上体を起こし、苦しげに喘ぐ狛枝の顔を見下ろして艶然と笑う。

「うう……もっと、もっとしてくれ」
「いいですよぉ。私にイかされて、存分に絶望してくださぁい」

人差し指で掬い取った精液をぺろりと舐め、ペニスを喉深くまで一気に咥える。
顎を動かし、精液を舐めとり、唾液を絡めながら少しずつ吐き出す。そして唾まみれに
なり滑りのよくなった男根に、再び胸を押しつけ刺激する。
女である罪木にはない器官なのに、どこをどうすればどのように気持ちよくなるか、
手に取るようにわかる。罪木は微笑を深くし、音を立てて先端を吸い上げた。
――膝で押さえつけている脚をがくりと震わせ、狛枝は再び達したようだった。
今度はザーメンを余さず飲み下す。

「…………」
「……あらぁ?」

狛枝は白目を剥いて気絶している。病で衰弱しているところに射精を強制されて、
ショック症状でも起こしたのだろうか。
手首を掴んで脈の様子を診た後、罪木はエプロンのポケットから強心剤入りの
注射器を取り出し、彼の腕の静脈に突き立てる。

「だめですよぉ、まだ死んじゃ。死んじゃったらもう絶望できないじゃないですかぁ」

呼吸と脈拍が安定したのを見計らい、行為を再開する。今度は両手で軽くしごいた後、
パンツを脱ぎ捨てて膣口にあてがう。そしてワザと勿体をつけるようにして、ゆっくりと
根元まで飲み込んだ。思わず喘ぎ声が漏れた。

「あはぁ……」

ペニスは思ったほど熱く感じなかった。罪木自身も絶望病に罹患し、高熱を出している
せいかもしれない。
繋がったまま上体を折り、狛枝の文字通り死にそうな顔に顔を近づける。彼の表情に、
苦しみ以外の感情が表れているのを見つけて、とても嬉しくなる。

「うふふ……いい顔ですね。とても絶望に満ちていて。好きになっちゃいそうです」
「……ボクは、キミのことなんて、どうでもいい」
「無関心の反対は愛情ですかぁ? それとも憎悪ですかぁ? まあどちらでも私には
 関係ありませんけどねぇ」

病気の人間は弱い。どんくさくて何の力もない罪木にさえ、いいように弄ばれる。
熱に浮かされ、頭痛さえ感じているのに、罪木は酷く気分がよかった。
高揚する気持ちに突き動かされるように腰を振る。身体を上下させる度、衝撃が体内を
通り抜け、脳髄を震わせる。
三度目の射精と同時に、罪木はイった。
余韻に浸るのもそこそこに、手早く後始末をする。
狛枝は意識を失っていて朝まで起きないだろう。この後の計画に支障がないと判断し、
腕を縛っていた包帯を解く。
そのまま部屋を出て行こうとして思い直す。
おそらく最後になるだろう、自分の患者の寝顔に向かって呟いた。

「……狛枝さん、どうか私を絶望させてください。そして生き残ったら、
 もっともっと絶望してください」

とびきりの笑顔で狛枝を見つめてから、罪木は病室をあとにした。
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