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 常夏の気温が当たり前の南国に位置するジャバウォック島。
 いつもは潮の匂いが混ざった心地の良い風と、ぽかぽかと身体をゆっくりと温めるという魅力のコンボは、気を抜けばすぐに眠りに落ちてしまいそうになる。
 しかし今は違った。
 場所は日向のコテージ。
 部屋に居るのは宿主の本人と、七海だった。
 直接床に座り自分のベッドに体重を預けている日向の足の間に、七海が挟まりゲームをしていた。
 俗にいう恋人座り。
 これは二人にとって当たり前の構図だった。
 公園の茂みを中心に、あらゆる場所で七海は日向を椅子にし、ゲームをしたり疲れて眠ったりとする。
 それは日向にとってするば取るに足らない慣れたことだった。
 かちかちぴこぴこと断続することのないリズムで、ゲーム機からポップな音がしていた。休むことなく素早く押し続ける七海の指先は、やはり超高校級のゲーマーといえよう。
 後ろと前が密着し、日向の目と鼻の先には七海のつむじが見え、彼女の匂いが鼻腔を撫でる。
 一度どうしてそんな甘い匂いをするのか、特別なシャンプーを使っているのかと訊いたことがあるが、各部屋に置かれた備え付けのシャンプーしか使っていないらしい。
 それはつまり日向も使っているものだろうが、自分からはそんな香りはしないし、どういった科学反応の結果匂っているのか、果てしなく謎だ。
 甘い匂いと密着した身体。女の子特有の柔らかい感触は何度してもいいものだ。
 ゲームを楽しんでいる七海を傍らに、日向は常にそんなことを考えては過ごしていた。
 すると、

「…………ねえ、日向くん」

 突如七海が声を掛けてきた。目線は携帯ゲーム機に落ちていて、声もいつものようにぼんやりとしているが、様子を伺ってみれば顔がわずかに赤くなっていた。

「その……ね、言いずらいんだけど……当たってるよ」

 当たってる? いったい何が?
 七海の言葉に少し思い至るものを考えたが、今の自分の身体状況を確認して耳を赤く染めた。
 七海の言う当たっているというのは、いわゆる日向のアレだ。
 ゼロ距離で触れ合い、胸をざわつかせる甘い香りで男が奮い立ったのだろう、スボンを膨らませていた。

「あ、いや、これはその…………ごめん」

 日向が勃起するのは何も今回が初めてではない。
 七海が膝の上に乗り、匂いを嗅ぐ度に気付けば興奮して勃っている。その時は既に彼女は寝ていてばれないので問題なかったのだが、それがついにばれてしまった。
 ここからどう取り繕うか必死に考えていると、ゲーム機の電源を切り身体を回し対面に座った。

「…………する?」
「は?」

 何を言われたのか理解出来なかった。見れば赤くした頬とは別に瞳も潤み、まるで何かを求めているように見える。息もわずかにだが荒くなってもいた。

「な、なに言ってんだよ!? そりゃたしかに立つ俺も俺だけど、こんな真昼間から──」
「───っ」

 一瞬唇を噛み次に日向の両頬に手を添え、キスをされた。
 突然の自体にフリーズする日向を放置し、密着した唇から七海の舌が侵入してくる。

「ちゅっ……んむっ、れる……は、ぁんむっ……ぷはっ」

 いきなりの言動、行動の連続に呆然とした日向は我に返った。

「お、おまっ……!? いきなりなにを……!」
「日向くん。あのね、日向くんが……わたしを上に乗せたときいつも興奮してたの、知ってたんだ」
「……え」
「でも気付いてないフリしてた……」
「な、なんで……っ!」
「……恥ずかしかったから」

 それを言われたら何も言い返せない。悪いのは日向になってしまう。
 いや……。どこを見ても日向が悪いと思うが。

「ずっと隠してたけど、私だって何も思わないわけじゃ……ないんだよ……」
「う……」
「……だから、ね……日向くん」

 そう言い、七海は猫耳フード付きのカーディガンを肩から脱いでいく。
 そんな扇情的な光景から目を離せず、日向はぽつりと、

「な、なんだか以外だな。七海はこういった事は、あんまり興味が無いと思ってたから……」

 日向の言葉に、七海はむぅと頬を膨らませる。

「そんなこと無い……と思うよ? だって……」



「女の子だって…ちゃんと興味あるんだよ?」
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