※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「今度の誕生日、プレゼントは何が欲しいの?」
「えっ……?」

朝食のシリアルを口に運んでいた時、徐に響子さんが尋ねてきたので思わず手が止まってしまう。
二週間後に僕の誕生日を控えているけれど、誕生日プレゼントに何が欲しいのかを直接聞いてくるのも彼女らしいと言えば彼女らしい。

「うーん、響子さんがくれるものなら僕は……」
「何でもいい、という抽象的な回答は却下よ」
「げっ」

先手を打たれてしまった。
うーん、困ったぞ。

「そんなに悩まないで……。あなたのリクエストなら可能な限り応えてみせるわ」
「リクエストかぁ……」
「その日だけ私が誠くんの専属メイドなることも構わないけど?」
「何だか非日常な一日になりそうだね、それって」

響子さんの冗談に二人してクスクスと笑う。
でも、欲しいものを買ってもらうことより響子さんにしか出来ないことをしてもらう、か――。
――いいかも。

「だったらさ、響子さん……」
「なにかしら?」

一度食事を中断して居住まいを正す。
下手な駆け引きなんてしないで、真正面から伝える方が心に響いて応えてくれると信じて――。



「僕らのエッチ、ビデオに撮ってみない?」
「えっ?」


―――――

手元にあるリモコンの録画ボタンを押す。
すると、僕らが座っているベッドの縁から一メートルぐらい先にある三脚立てで固定されたビデオカメラに赤いランプが点灯する。
隣に座る紫のベビードールを着た響子さんは僕とカメラを交互に見つめながらどこかそわそわしている。

「それじゃあ、今からカメラに向かって説明しておこう。僕たちがこれから、何をするのかを」
「ほ、本当に言うの……?」

耳元で囁くような会話をカメラに内蔵されたマイクが拾っているのかはちょっとわからない。
けれど、僕は響子さんの瞳をじっと見つめて先ほど打ち合わせた内容をもう一度言ってもらうように促した。

「きょ、今日は隣の彼、誠くんの誕生日ということで記念のビデオを撮ることにしたわ」
「今回は僕らが愛しあっている姿をビデオに録画して、未来の僕達に見せ付けてあげようって思うんだ」
「私達はこんなにも愛し愛され、幸せな時間を共有しているんだって……」
「だから今この映像を見ている未来の僕達が嫉妬するくらいにいっぱい愛しあって、響子さんにたくさん注ぐつもりだよ」
「誠くん……んっ!」
「んっ……はふっ」

互いの舌を口腔に差し入れて、混ざり合う唾液をすするように絡め合う。
細いウェストに回した腕に力を込めて抱き寄せると、響子さんも僕の首に腕を巻いて抱き返してきた。

ぴちゃっ、ちゅ、くちゅ――。

口の中ではなく、舌を伸ばし合っての口戯。
猫がミルクを舐める時のような音が寝室に響き渡る。

「んっ、んん……! ふっ、んんっ!」
「んっ、ふぅっん……んんっ」

叩いたり、なぞったり、突つき合うようにして絡み合う。
僅かの隙間も許さないように左右に首を振りながら唇を押し付ける。
互いの口の中を行き来しながら上顎から下顎や歯の裏側まで、余す処なく舐め合う。

「……ぷあっ。ねぇ、触っていい?」

唇の先から唾液のアーチを描きながら尋ねると、響子さんはコクンと首を縦に振ってくれた。
ベビードールを下からたくし上げるようにしておっぱいに手を伸ばす。
掌で包み込むことが出来たら強くも弱くもない微妙な力加減で乳首を転がして、おっぱい全体をこねまわす。
優しい手つきで、でも確実に響子さんが反応するところを見極めながら愛撫を重ねる。

「あっ……ゃああっ、や……ま、ことくぅん……」

決して焦らず、ゆっくりと丹念に愛撫して響子さんの性感を解きほぐしてく。
後を引くじんわりとした愛撫に、彼女の白い肌が薄っすらと赤くなり体温が上昇していくのを見てとれた。

くりくりっ、つつ――っ。ぴくっ、ぴくんっ。

僕の指が軽く、触れるか触れないかといった優しいタッチでお尻の周りに円を描くようにして撫で回す。

「あんっ」

円を描いていた左手を、そのままゆっくりと下げて行く。
お尻の谷間から小さな窄まりの上を擦るようにして通り抜けさせる。
五指を使って這うように進ませながら、響子さんの大事な処へと辿り着いた。
下着の上からぷっくりと膨れた彼女の秘部を軽くノックする。

すると身体が震え、逃げるように後ろへ下がろうとする。
それに構わず僕はお尻を包み込むように手の平全体を上から被せて、伸ばした中指の先端を裂け目に当たるようにしてもう一度ノックする。

――びくんっ。

再び身体が震えるけど、今度は下がろうとしなかった。
そのまま小さく指を動かし始める。
柔らかな秘裂に沿って指を上下させると、布越しにも熱く湿気を持っているのが感じられた。

しゅっ、しゅっ、しゅっ――。

僕が彼女の布地を擦る音が小さく聞こえる。
響子さんは自分の指を咥えて下半身から駆け上ってくる甘い痺れに、必死になって耐えていた。
自分の淫らな嬌声をビデオに記録させないために――。
ただ、押し殺したような吐息だけが漏れる。

「一緒に舐めっこ、しよっか……?」
「シックスナインを? ……いいわよ」

僕だけが気持ちよくさせているのも悪いかなって思ったので響子さんに提案してみる。
それに彼女は了承してくれたので、僕は抱きしめながらベッドの上で横になった。

触れるだけのバードキスをしたら、響子さんは身体を反転させて僕の方にお尻を向けてきた。
僕も腰を浮かせてパンツを腰から膝の部分まで下ろすと響子さんの手が足の先まで引っ張ってくれて脱がせてくれる。
最後に僕の身体の上に乗っかると、左サイドにある下着のリボンを解く。

するりと外したら、目の前で震えている柔らかなピンク色の花唇に舌を伸ばした。
ピチャピチャと音を立てながら舌を奥へと進ませる。
ひくひくと疼く両脇の秘唇が、僕の舌をきゅっと締め上げてくる。

「はんっ」

舌先を尖らせて、肉襞の間から膨らみを舐め上げると僕のモノを弄っていた手が止まった。
空いた手で響子さんの秘肉を押し広げて、舌全体でその肉襞全体を包むように舐める。

「ああっ」

口一杯に唾を湧かせながら彼女の秘肉を味わう。
じゅるじゅると、はしたない音を立てているとペニスの半分ほどが溶けるような熱さに包まれる。

「あっ……ううっ」

与えられた刺激は脊髄から脳天まで駆け上がらせるもので、思わず喘いでしまう。
お返しとばかりに唇と舌全体で押し包みながら、たっぷりと唾液で濡らしてしごき上げてくる。

「んっ、んむっ、んっ」

粘膜同士が擦れ合って水音が漏れ、響子さんの喉からはくぐもった音が響いてくる。

ちゅ、くちゅ、ちゅくっ――。

僕もお返しにもっといっぱい触りたい。
もっといっぱいキスしたい。
そんな気持ちを込めて舌は休むことなく動き続け、余す処なく舐め合う。

「響子、さん……」
「……えぇ」

そろそろかな――と、思って一声かける。おねだりとも誘いかけともとれる合図。
その意図を察した彼女は微かな声で承諾してくれた。
お尻に手をかけたまま膝立ちするようにして起き上がる。
すると、後背位で交わりやすいよう響子さんは両肘と両膝を付いて四つん這いになってくれた。

「ああっ……んああっ」
「ふ……うっ」

響子さんの脇腹を掴み、ゆっくりと突き入れる。

「あんっ」

じゅくじゅくと擦れ合う肌と滴る液体が音を立て、半ばまで引いたら再び突き立てる。
深く突き入れれば先端が行き止まりへと突き当たる。
引き抜く時には幾重にも綾織られた肉襞に扱かれる。
長く引いて、深く突く。彼女との一体感を味わうように――。

「あっ、あんっ……はぁっ、あんっ」

ゆっくり引き抜かれながら息を吐き、突き上げられて息を飲む。
響子さんの呼吸はゆっくりとした僕の動きに合わせて艶声を奏でた。

「うぅあっ、はんっ! あうっ、ああぅうっ……!」

肺の奥から空気を絞り出すように、低い声で喘ぎ声をあげる響子さん。
彼女の嬌声、肉と肉のぶつかり合う音、咀嚼音に似た湿った音などが一体になり、部屋の中を響かせる。
枕に突っ伏して荒い息を吐き続ける響子さんに、さらに深く叩き付けるように腰を動かす。

「ふぅ、ふぅっ、響子さん……っ!」
「あんっ! ……んあっ!?」

堪えきれなくなった僕は、彼女の身体に覆い被さる。
響子さんの身体の下に手を回して、空いていた乳房をわし掴みして揉みしだく。

「あぁん……うぅ、だめっ……ああっ」
「ごめん、響子さん。止まらない……!」
「ひぅっ! んんっ! うっ、ふぅっ……!」

ただ猛烈に、響子さんを責め抜く。
少しおさえなきゃって気持ちとは反対に、腰を押し込むように彼女の身体を波打たせながら絶頂へと上り詰めていく。
ペニスは響子さんの膣道に絞り込まれ、ぐにぐにと周りからも締め付けられる。
亀頭の先が彼女の奥底の、子宮の入り口を激しくノックする。

「きょうこ、さん。僕、もう……!」
「いいわっ、まこと、くんの、好きな、時にっ、あぁん」
「うんん、ああっっ! 響子さんっ! ううぁぁっ!」
「っ!? ……はぁぁ」

僕は響子さんの中に激しく放った。
放ちながら、まだ奥へと腰を突き入れる。
これ以上無理という処に辿り着いてようやく放出が止まる。

「……あぁう、おぉふ……」
「まことくん……いっぱい……私の中に……」

足腰が攣ってどうにかなってしまいそうな狂った快感。
僕らは身体を反らせながら、この真っ白になるような快感と達成感に打ち震えていた。

響子さんの膣内からペニスを抜くとごぽり、と彼女の割れ目から僕の精液が溢れる。
それが雫となって響子さんの秘唇を濡らして垂れ落ちていく。

「ごめんっ、僕だけ……」
「気に、しないで。気持ち、よかった……?」
「うん、とっても……」

ずっと呼吸が止まっていたかのように僕らは激しく息を荒らげ、弓なりに折り重なるように横になった。
熱く火照った身体を擦り寄せ合う。
背後から包み込むように抱きしめる。
そのまま繭になってしまうような、互いの身体を一つに取り込むような抱擁――。

「響子さん……」
「誠くん……」

それでもまだ足りない。
もっと一つに同化したいという激しい想いはどこから来るんだろう。

「んっ、んっ……うっ、んんっ……」
「あんっ、くすぐったいわよ……」

うなじや肩にキスの雨を降らせながら頬擦りに興じる。
響子さんも咎めるような声を上げつつも僕のスキンシップを受け入れてくれた。
指先で腰骨を押すようにして揉み込み背筋を撫で上げる。
その度に響子さんの身体に波のように震えが走る。

「んっ、はぁ……。あっ……」

堪え切れないような吐息が漏れる。
両手で頬を包み込んだまま唇を寄せると、響子さんは震える瞼を閉じて迎え入れた。
軽く尖らせた唇を、そっと右の瞼に押し当てる。

ちゅっ――ちゅっ、ちゅっ、ちゅむっ――。

うっとりとした顔を心持ち上げて、気持ち良さそうな声を上げる。
今度は半開きで熱い吐息を繰り返している唇へとその矛先を向けた。
ちょんちょんと突っつくと、待っていたかのように唇を重ねてきた。

「ん、んんっ、んふっ……」
「んぅ、んちゅっ……んんっ」

先程のような激しい口戯ではなく、ゆっくりと、お互いを感じ合うようなそんなくちづけ。
お互いの身体に腕を回し、優しく慈しむようにキスを交し合う。

「響子さん……」
「えっ、ま、またするの……? あ、んんっ」

彼女のサラサラした髪を優しく梳きながら、再び力を取り戻しつつあるペニスを襞の割れ目に擦りつけていく。
右手を後頭部へ持って行き、指を潜らせて髪の滑らかさを楽しみつつ押える。
ゆっくりと響子さんの股間を引き割ると僕のを咥え込んだ形がまだ残っていて、そこは簡単に口を開けた。

「あ、くっ……!」

顔を斜めに背け、喉を軽くのけぞらせながら再び膣内にペニスを埋没させる。
横寝になった状態の側位で僕らは一つに交わった。

「ふぅっ、ふぅんっ、ぅんっ、んっ、うぅんっ、ぅんっ……!」
「あぁっ、あ……あぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、あぁっ……!」

くねる腰のグラインドが五回、六回と差し掛かったら膣前壁を意識して、ピストン運動を前後から斜めに切り換える。
横になって動くから他の体位にくらべて激しいピストンができないけれど、Gスポットへの刺激が可能だったりする。

「んっ、んっ、んっっ! んっ、やぁっ……!」

密着度を高めつつ、腕をクリトリスへと伸ばしてソフトに愛撫していく。
先に僕だけ果ててしまったお詫びも込めて、二つの刺激でオーガズムを迎えやすいようにする。

「ふあっ、あっ、ダメッ、待って……!」
「はぁっ、はぁっ、えっ……?」
「お願い、やめて……!」

彼女の叫びに思わずピタリと動きが止まる。

「ごめん……痛かったの?」
「ちが……くて」

響子さんの手を上からそっと指を絡めるようにして優しく握り、耳元で囁く。
するとふるふると首を横に振り否定する。

「その、繋がっているところや、あられもない姿がビデオに収められていると思うと……」
「恥ずかしいの……?」
「えぇ……」

徐々にか細くなる彼女の声や、真っ赤になって震えている姿から何を伝えたいのか簡単に推理できた。

「見られているんじゃなくて、見せているって風に考えてみて、ね?」
「……そうね、善処してみるわ」
「ごめんね、僕のわがままで嫌な思いをさせちゃって……」
「そんなことない……。あなたのリクエストだもの、それに応えたいの……」

響子さんは身体を捻り、僕の首を抱いて耳を引き寄せる。

「だから誠くん、お願い……。カメラを意識させないくらい目茶苦茶にして……?」

吐息混じりの甘えた声――。
それが僕の何かに火を付けた。

「わかったよっ!」
「きゃっ」

繋がったまま身体は半回転させて仰向けに寝転がる。
敏感すぎる柔膣を捩りながら覆いかぶさるように正常位の体位に移行する。

「あっ、あぁっ、あぁうっ、あぅっ! んっ、んんっ、うぅんんっ!」

浅い部分まで上げられたペニスを再び沈めると、襞を巻き込みながら奥へと進んで行く。
時計回り。逆回り――。
腰を淫らに動かして膣壁にペニスを擦り付けて蜜壷をかき混ぜる。  
いくら淫液に塗れているとはいえ、摩擦係数を上げたその行為は僕らの快楽をさらに打ち上げた。

「きょうこさん、きょうこさんっ、きょうこさん……!」
「はぁっ、はぁっ、はぁんっ! まことっ、くんの、おっき……い!」

響子さんを突き上げる感触と、彼女の汗から匂う雌のフェロモンに僕は酔いしれながら腰を激しく前後に動かす。
細くすらりと伸びた白い脚を痙攣させながらも無意識のうちに僕の腰に絡みつかせ、自分もまた僕に併せて腰を動かしている。

「ああもうっ、響子さん、ホントにかわいいっ……!」
「あん、やぁめ……んぅう」

奥深く繋がり、きつく抱き締め合いながら交わすキス――。
汗ばんだ両手で響子さんの肩を抱き締め直すと、割り開くような角度で彼女の唇を啄ばんでいく。

「んぅ、んぅ……ぅんっ、ふぅっ、んんっ!」
「ん、んっ、んふぅっ、うぅんっ、ぅんっ!」

ちゅっ、ちゅっ、ちゅっちゅっ――ちゅみ、ちゅみ、ちゅむっ――。

蜜と腺液と粘膜とが絡み合う水音が部屋の中を満たす。
カメラに録画していることなんてすっかり忘れるくらい、目の前の響子さんを愛することに没頭する。
雄としての本能に駆られるまま、その瞬間を彼女の深奥で迎えようと目一杯に腰を突き込む。

「だめぇ、あぁん! んっ、わたしっ……あっっ!」
「響子さんっ! 僕も……!」
「きて! 誠くんっ、膣中にっ、膣中にぃ……!」

お互い絶頂が近いと勘付くと、これで終わらせるとばかりに今まで以上に深いストロークで秘部の奥の奥を貫き、響子さんの膣口の入り口まで突き上げる。
最深部まで辿りついたら、ここからは一歩も腰を引かずにぐっ、ぐっと押しつけるようにして膣口にこれ以上はないと言うほどの圧迫を与える。

「ねぇ、キス、しながらっ、イこっ? ね?」
「うぅっ、ふぅっ、うぅんっ、んんーっ!」
「んんんっ! んんっ、んんんっ……!」

目眩く快楽に溺れながらも、響子さんは僕の最後のリクエストに応えて唇に吸い付いてきてくれた。
舌だけでなく魂までも絡ませるようなキスをすると、瞬く間に響子さんの蜜壷が痙攣しながら収斂した。
それに抗うことなく、僕は喉の奥で呻きながら呆気なく射精した。

「ぁふんっ! ……ぅんっ、んっ、んんっ……」
「んふぅ、んふぅ……ん、んんっ、ん……」

体内に注ぎ込まれた熱い迸りを受けて響子さんはうっとりと鼻を鳴らし、陶然と微笑んだ。

「……はぁぁ」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

酸素を求めて唇を離す。
響子さんが甘い溜め息を吐く中、僕は彼女の上に倒れ込んで息を荒げていた。
呼吸が落ち着いたところで、ふと気づく。

「あっ、ごめん。重かったよね……?」
「うぅん、平気……。もっとくっついて、ぎゅうって抱き締めてほしいの」
「もっと重くなるけど、大丈夫?」
「マットレスの柔らかさで平気よ。ほら、遠慮しないで?」
「響子さん……」

僕は彼女からの甘えるようなリクエストに応じることにした。
響子さんに抱き寄せられるまま、上体を支えていた両肘からゆっくりと力を抜いて裸の胸を彼女に預けてゆく。
下肢を支えていた両膝もやんわり伸ばして、丸々とのしかかる格好になった。

「あふっ……ん、ホントに重くない……?」
「えぇ、寧ろ幸せに思えてくるの。不思議ね……」

身も心もいっぺんに満たされるような抱擁の愉悦に、僕らはくすぐったそうに相好を崩した。
ワクワクと逸る気持ちに身体も反応して、やがてお互いどちらからともなく頬摺りでじゃれついてゆく。

「僕はこんなありふれた普通の幸せしかあげられないけど……。響子さん、そんな幸せでいいの?」
「そんな幸せが私たちの未来を生きる希望なの……。誠くん、ここまで言ってもわからない……?」
「そうだね……。ありがとう、響子さん」

火照り、わずかに汗ばんで湿り気を帯びている右の頬同士を摺り合わせながら睦言を交わす。
甘えかかるような声音で互いを気遣い、それぞれで持ち寄ったぬくもりを僕らは堪能し合うのだった。


―――――

『誠くん、自分でっ、出来るから……あんっ』
『ダーメ。僕が責任とって綺麗にするんだから』
『んっ、んんむっ、んふぅぅ……』

ビデオカメラのモニターには、僕と響子さんがカメラの存在を気にすることなく睦みあう光景が映し出されていた。
キスをしながら響子さんの膣内から溢れてくる僕が注いだモノをティッシュで念入りに拭き取っている。

『んんっ……。よし、これでいいかな。さぁ、シャワー浴びよっか?』
『待って。ビデオの録画はもう終わりにしない……?』
『あっ、すっかり忘れてた……。それじゃあ、シャワー浴び終わったらどんなのが撮れたのか早速見てみようよ?』

そう言ってモニターに映る僕がリモコンを向けてボタンを押したところで映像が途切れた。
その足でバスルームに向かい、汗を流した僕らはバスタオル姿のまま録画したビデオの映像を再生して今に至る。

「その、なんていうか……。僕らがエッチしているのを傍から見ると、結構恥ずかしいね……」
「そうね……。発情期の猫と言っても過言ではないわ」

並ぶようにベッドの縁に座る僕らの顔はシャワーの温浴効果以上に真っ赤になっていた。
再生を終えたビデオカメラの電源を落とし、サイドボードの上に置く。
そっと腕を伸ばして響子さんの右肩に触れると、ピクっと震えた。

「でもさ、ちょっと安心したよ」
「……どうして?」
「何回もキミのことを抱いているけれど、僕がただ欲望のままに響子さんとエッチしているわけじゃなかったんだって証明できて」
「そう……。私も第三者の視点で愛しあっている姿を見て、あなたが義務で抱いているんじゃないって参考になったわ」
「そっか……。今でもココロとカラダ、両方を満たすように僕らはエッチをしていたんだ。ねぇ、響子さん……」

アメジストの瞳をジッと見つめる。
僕に駆け引きなんて似合わないと言ってくれた彼女自身をジッと――。
真っ直ぐに思いを伝えたほうが心に響くってことを証明するために僕は言う。

「さっきの映像を見ていて、もう一度キミを抱きたくなったんだ。過去の自分に負けないくらい今の響子さんを愛したい」
「誠くん……」

互いの視線が熱を帯びたように絡み合う。
そして、どちらともなく身を摺り寄せる。

「私も……。あなたの独り善がりじゃないってことを伝えたいの」

そして、互いに離れるのを拒みながらも不自由そうに相手のタオルの結び目を解いていく。
現れる肌に手を伸ばしたら抱擁と口吻で身体を熱く高ぶらせたまま横たわる。
再び部屋の中は、僕らの甘い喘ぎと熱い吐息で満たされていくのだった。


――響子さんと愛しあった記録(シルシ)を残した。


END
|