とっぷりと日の暮れたジャバウォック島・生徒宿泊用ホテルにて

既に夜時間を告げるモノクマアナウンスが流れてから数時間が経過していた。
本来ならば誰もが危険との遭遇を避け各々のコテージ内で眠りに就いている時間である。
だが、“超高校級の幸運”こと狛枝凪斗の姿は自身のコテージではなく“超高校級の体操選手”終里赤音のコテージの前に有った。

ガチャリ、と音を立て扉が開かれる。

『何の用だよ狛枝・・・夜中に人の部屋に押しかけてくるなんざ、怪しいとしか言い様がねーぜ』

ギロリ、と音まで聞こえてきそうなほどに、明確な敵意を孕んだ視線を狛枝に向ける。

『ハハッ、そう言いつつも普通に出てきてくれる辺り終里さんは器が大きいよね。ボクみたいなクズじゃ比べものにもならないよ』

『はぐらかすんじゃねぇよ・・・分かってんぜ、オレを殺しにきたんだろ?やれるもんならやってみな・・・オレとバトってオメーが無事に済むとは思えねーけどな!』

その言葉を受け狛枝は大げさな動きで慌てた身振りをしてみせる。
だが、言葉を紡ぐその表情は貼り付けたように軽薄な笑顔のままだ。

『やだなもう、そんな物騒な要件じゃないよ。第一まともに殴り合えば、ボクみたいな虫けらじゃあ一撃で潰されてお仕舞じゃないか。
 ボクは只、裏切り者について終里さんに何か心当たりが無いか訊いてみようと・・・』
『そうやって一々自分を貶す所が怪しさ満点なんだテメーは!!テメーこそ裏切り者なんじゃねーのかよ!!』

終里はこの男に対して良い印象など一片も持っていない。強い警戒心に、思わず態度が荒々しくなる。
対照的に狛枝の表情は笑顔のまま少しも崩れてはいなかった。

『ハハハ・・・ホント嫌われちゃったなぁ。ま、仕方ないか。それはそうと、良い報せがあるんだ。
 さっき左右田くんと少し話したんだけど、彼が「弐大くんの記憶データを本体から取り出せれば、また復活させられるかもしれない」って』
『おい、おっさんが、助かるのか!?』

弐大の名前を出され思わず声を大きくする終里。
ほんの一瞬、彼女は狛枝に対して向けていた警戒を解いてしまった。

『左右田くんから詳しい話を聞かない限りはよくわからないけど・・・』

歯切れの悪い言葉で応じながら、狛枝がコートのポケットから手のひら大のボールを取り出し、終里の足元へ放った。
一流の手品師のようになめらかな動きが終里の反応を僅かに遅らせてしまう。

     ボンッ


『ッッ・・・!? 何しやが・・・』

彼女がボールの弾ける音に気付いたときにはもう手遅れだった。
もうもうと立ち上る白い煙が周囲を覆っていく。

『ゴホッ・・・て、テメーやっぱ・・・り・・・』

急速に薄れ行く意識の中睨みつけた狛枝は、いつの間に取り出したのか大仰なガスマスクを被っていた。
マスクによって表情を隠した狛枝に、終里はさながらマネキンのような無機質さと不気味さを感じ、戦慄する。

(だめだ・・・もう立ってらんねぇ・・・)

狛枝はガクリと膝をついた終里を見下ろし、さっきとは打って変った冷徹な声で狛枝が語りかける

『ホント・・・救いがたいほど軽率で愚かだよね君達ってさ。君達ではやはり、“真の希望”になり得るはずが無かったんだ---』

狛枝の言葉を聞き終えない内に、終里の視界は暗転した。

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『ぐっ・・・どこだ、ここ・・・』

不快な眠りから覚醒した終里はすぐさま周囲の状況を確認しようとした。
だが照明は極めて薄暗く、先刻吸った白煙の影響か眼も酷く霞み、自分がどれほどの広さの部屋に居るのかすらわからない。

ならば、と。彼女を超高校級の存在たらしめている鋭敏な嗅覚と聴覚をフルに働かせてみる。
--微かだが確かに鼻腔に感じる、甘ったるくもどこか鼻を刺す正体不明の奇妙な匂い。
敢えて形容するならば多種の果実をうず高く積み上げ、そのすべてをじっくりと発酵させたような。

同時に耳に入ってきたのは、一定のリズムで繰り返される、雫が水面を叩くような音だった。

ピシャーン…ピシャーン・・・

音には広がる波紋のような余韻を伴い、続けて聴いていると、まるで自らの脳までもが波と一緒に揺さぶられているかのような錯覚を覚える。

(な、なんかやべぇんじゃねぇのか・・・)

身体が、熱い。ような気がする。
匂いと、音。そのどちらも終里にとって未経験のものだったが、戦闘者としての長年の勘が彼女に危険信号を示していた。

『クソッ・・・早いとここっから離れた方が良さそうだな』

ギシッ

走り出そうとして、自分が今座っていること、そして身動きのとれないことに気が付いた。

『・・・なんだよこれ?狛枝のヤローがやりがったのか?』

ようやく自らが置かれた異常な状況に気が付いた終里。
彼女の身体は、分厚い背もたれのついた革張りの肘掛け椅子に縛り付けられていた。

『チッ、邪魔くせぇ!この程度の紐っ切れ、オレなら一発で・・・』

ギシッ!ギシギシ!

『クソォ、何でだよ!!』

全身の筋肉に力を込めて拘束を解こうとするが、椅子が軋み音を立てるばかりでロープは一向に千切れない。
それもそのはず、彼女を捕縛しているのは災害救助に用いられるような、鉄糸で結われた頑丈極まりないロープであった。

縛り方そのものも実に巧妙なものだった。
終里の筋肉質な両腕は頭の後ろで組んだ状態で固定されピクリとも動かず、弐大から天性のバネと称賛された両脚も
大きく開き、膝を曲げた状態でロープによって肘掛けにガッシリと縛り付けられ、いくら身体を揺すっても緩む気配すら無い。

『やぺー・・・これはかなりやべーぞ・・・』

一向に身動きできないこの状況では、たとえなぶり殺しにされても反抗できない。
常に楽天的な性格の終里もいよいよ自らの危機を理解し、背中を冷たい汗が伝った。
しかし、終里は自らの恐怖を表情には出さない。
自分をここに連れてきた狛枝が近くに隠れているに違いない。
奴に自分の怯えた姿などおくびにも見せてなるものか。
終里が覚悟を固めようとした、まさにその瞬間。

むにゅう

『ひっ』

突如椅子の後ろから伸びてきた二つの手が、サイズの合わないワイシャツに包まれた終里の豊満すぎる乳房を鷲掴んだ。

『ハハハ・・・なかなかかわいい声を出すじゃないか。意外だね。』

手と同じく音もなく現れ、背もたれの上から終里の顔をのぞき込んできたのは、やはり狛枝凪斗その人の顔であった。
驚きと羞恥によって赤く染まっていた終里の顔は、その真意の読み取れない笑顔を見ると一瞬で怒りに満ちたものに変わり、鋭い目つきで狛枝を見据えた。

『やっぱりオメーが裏切り者だったんだな。
 縛り付けた上になぶり殺しなんて、良い趣味してんじゃねーかよ。臆病者の変態に似合いの、卑怯な殺し方だな。
 正々堂々バトる勇気がねーから、道具だの小細工だのに頼るんだな。』

目の前の男へ、この上ない軽蔑を込めてまくし立てた。
そうすることによって、言葉の波で胸中の怯えを押し流してしまいたかった。
目の前に二つ並んだ鈍色に渦巻く瞳からは、自身の思惑がバレているのかどうかも読み取れないままだが。
双眸の下で狛枝の口はいかにも楽しそうな三日月形のまま動かなかったが、暫くの間をおいて唐突に開かれた。

『何か勘違いしてるみたいだけど、ボクは終里さんを殺すつもりでこの部屋まで連れてきたんじゃないよ。
 理由については、解りやすいように順を追って話すけど、ボクはこの前オクタゴンで、僕たちの失われた記憶について一つの回答を得たんだ。』

話しながら、狛枝は手を終里の乳房から離し、椅子の後ろから終里の正面へ周る。

『・・・おくたごん、てのは、オメーがドッキリハウスでの捜査中に入ったっつー武器だらけの部屋のことかよ?』

『覚えててくれて助かるよ。解説は簡潔に済ませたいからね。
 とにかく、そこにはおびただしい数の凶器・・・ああ、今君を縛ってるロープもその一部なんだけど・・・の他に、僕たち全員のプロフィールや学園生活の記録が網羅されたファイルがあったんだ。
 ボクはその中の“ある項目”を目にして、“ボクたちは真の希望になり得ない存在だ”ということを理解したんだ。いや、“なる資格を失った”というほうが適当かな・・・
 悲しいよね、誰よりも希望の力を信じていたボクが誰よりも先にそんな絶望的な真実を知らされるなんて。』


『おい、一体何の話だよ!』
簡潔に、と言いながら突如始まった意味不明の演説に、思わず口を挟もうとした。

『黙っててくれよ。順を追ってるって言っただろ。えーと、どこまで話したっけ・・・そうそう、ボクが希望に絶望したってところだ。
 初めは全員で死ぬことを考えたよ。だってそうだろ?希望という果実を実らせない木なら、無駄に生やしておくより切り倒した方が良い。
 だけど暫く考えた後で、もっと建設的な名案が思い浮かんだんだ。ボクたちは真の希望への道を踏み外したとはいえ、“腐っても鯛”じゃないけど、生まれ持った才能には価値が残っているはずだろ?』

若干興奮した様子で長台詞を一気に吐き出す狛枝の姿に、終里は底知れない狂気を感じた。
この男が何を考えているのかわからない。

『ボクたちが希望の果実を得られないなら、いずれ希望を実らせる種を持った新しい果実を育めばいい。』

この男が何を言いたいのかわからない。

『交配だよ。超高校級の天才同士の血が混ざれば、超々高校級の天才が生まれるはずさ。
 より純度の高い才能は、真の希望へと至るによりふさわしい資格だと思わないかい?』

『・・・・・・・・・マジかよ』

今度はわかった。わかってしまった。
目の前の男は本気だ。正気でありながら、狂人以上に狂った考えを本気で信仰しているのだ。
そして今、自分はその男を目の前にしてなすすべなく縛られている。
冷たい汗が終里の背をまた一滴伝った。

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『それじゃあ、そろそろ始めようか。』

『・・・チッ!やってみやがれ、変態ヤロー』

終里の頭は狛枝の狂気に中てられだいぶ混乱していたが、殺されるわけではないとわかった所為か幾分冷静な思考も回復してきていた。
じっと耐えていれば、いずれ反撃のチャンスも訪れるかもしれない。一撃当てさえすれば、自分ならこの男を倒すことができる。

(それにこんなこと、ある意味慣れたモンだしな)

希望ヶ峰学園に入学する前、掃き溜めのようなあの町で暮らしていた頃は、薄汚い男どもに身体を弄られることなど日常茶飯事だった。
そうすれば弟や妹に食べさせていくだけの金が手に入ったし、金のための仕事だと割り切っていたから嫌悪感もなかった。
男たちの手はくすぐったくはあったが、快楽を感じたことは一度もない。弐大が施してくれたマッサージの方が何十倍も心地いいというものだ。
縛られてはいても、男一人の性技でどうこうなる自分ではあるまい。

再び終里の乳房へ両手を伸ばしながら、狛枝が終里の耳元へ顔を近づけ囁く。

『まさか、音と匂いに気付いてないわけじゃないよね?』

『えっ・・・おい、ちょっと待て!・・・ひゃうっ!』

むにむにむにぃぃっ

怒りによって忘れていた甘い匂いと水の滴る音、そして体の異常を思い出したその瞬間
狛枝の手が両乳房を乱暴に揉みしだくと、今まで経験したことのない感覚が終里の全身に走った。
ビクビクと、微弱な電流が胸を中心にどこまでも広がっていくようだ。

『な、何したっ!何しやがったっ!!』

『音の正体は性感を高める催眠音声、匂いの正体は催眠の効果を高める為の特殊なアロマキャンドルさ。聴く媚薬、嗅ぐ媚薬って言えばわかりやすい?
 どっちもオクタゴンに置いてあったものだけど、黒幕は催眠を用いて自殺に偽装した殺人でも想定してたのかな』

ペラペラと解説しながらも、狛枝の手が止まることはない。
終里のワイシャツの胸元を掴むと、そのまま一気に両側へ引っ張る。

ブチブチと音を立ててボタンがはじけ飛び、褐色に輝く生の乳房がぶるんと音を立てるかのようにシャツの外へまろび出た。

再び羞恥によって染まる終里の頬。今まで男に見られることなど何度も有ったはずなのに、なぜか今は無性に恥ずかしいのだ。

『やっ・・・おい、やめろっ・・・』

必死になって隠そうとするが、両腕の自由を奪われた状態では無意味な抵抗だった。
寧ろ上半身が揺れることにより胸も一緒に上下に震え、より淫靡さを演出してしまっている。

『胎教ってやつさ。只子供を作るだけなら強姦でも構わないだろうけど、やっぱり自分から受胎を望んでもらわなくちゃ。
 母胎が心身共に健全じゃないと、希望の象徴にふさわしい子供もできない気がするんだよね。』

薬まで使っておいて何を言ってやがる、と反論しようとしたが、絶えず与えられる快感が喋る余裕を奪っていく。
乱暴だった狛枝の手つきはいつの間にやら繊細で変化に富んだものに変わっていた。
掌全体で触るか触らないかギリギリのところで胸を撫でていたかと思うと、今度は指先で薄桃色の乳輪をさわさわとなぞっていく。
やわやわと全体を揉みほぐしていたかと思うと、両乳房の下に手を突っ込み、そのまま震わせることでぷるぷると細波を立ててみせる。

『んっ・・・んひっ!・・・・・・ひぐっ・・・』

動きが変わる度漏れそうになる声を、歯を食いしばることで必死で押しとどめた。

『うーん・・・意地でも声を出さない気かい?
 さっきも言った通り、君が快楽を素直に受け入れてくれないと困るんだけどな。』

(だれがっ・・・こんな奴に、負けるもんかよっ・・・!)フーッ! フーッ!
額に汗を滲ませ、荒い息を立てながらも狛枝を睨みつける。

『やっぱりここも触ってあげなきゃダメか。』

きゅむっ

『そこはっ・・・うあああああああああああああっ!!!!!!!!!』ビクッ ビクッ

乳房の先端でツンと自己主張していた、乳輪同様の薄桃色の蕾を、親指と人差し指で爪を立て軽く抓られた瞬間
今までの快感が退屈だったほどに思えるほど強烈な快感が迸り、終里の体はビクビクと跳ねた。

『ハハ、イッてくれたみたいだね。胸だけでイクなんて、モノクマ印の催眠グッズってすごい効き目なんだなぁ。』

狛枝の言葉に耳を貸す余裕もなく、絶頂の余波により小さく身体を震わせ続けながら、終里は驚愕の目で自分の胸を見つめていた。

(今まで男にイカされたことなんか・・・一度だって無ぇのに・・・)ハァ・・・ハァ・・・

『放心してちゃダメだよ終里さん。まだまだ始まったばかりなんだからさ。』

『えっ・・・お、おい、なんだよソレ・・・』

顔を上げた終里の目に入ってきたのは、リモコンからコードの繋がった二つの洗濯バサミのような器具。

『流石に胸ばっかり弄ってるわけにもいかないからさ・・・あ、痛かったら言ってね?』

スムーズな手つきで両の乳首に器具を取り付けていく狛枝。
敏感な個所が締め付けられる感覚に、心ならずも身を捩じらせる終里。

『じゃ、スイッチ入れるよ。』カチリ

ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!
『んっ、くぅぅうううううっっっっ!!!』ビクビクビクビク

指で抓られた時ほどの衝撃は無かったが、感度が上昇していた終里を悶えさせるには十分すぎる快感だった。
それにこの快感は、手での刺激とは異なりずっと同じ強さで継続的に与えられるのだ。

『止めろっ!・・・これっ・・・止めろよぉっ・・・!』

相変わらずの命令口調だったが、もはや語気には力がなく、声量も必死に絞り出したように小さなものだった。

『さ、次はこっちだよ。』

狛枝は終里の膝の間に自らの顔が来るようにしゃがみこむと、赤いミニスカートをごく無造作に捲り上げた。
快楽攻めが始まり初めて外気に晒された内股には既に玉のような汗が滴り、ショーツには濃い滲みが出来ていた。

『脚は肘掛けに固定したままだからね。』

普通に脚を通して脱がすことはできないという意味だろう。
狛枝は懐から取り出した小ぶりなナイフの刃を軽く引っ張ったショーツのゴム部分に当て、そのまま切断した。
その途端、終里の秘所を隠していた布きれはあっけなくはがれ落ちる。

『ん・・・やっぱり、もういい具合みたいだね。』

終里のそこは、彼女の大柄な体格に比べると可愛らしく感じる程に小ぶりで、濃いピンク色が褐色の肌と対照的だった。
狛枝が右手の人差し指と中指で軽く表面をなでると、染み出た愛液がピチャピチャといやらしい音を響かせる。

『うぁぁっ・・・そんなとこ、触んじゃねぇよぉ・・・』

ふるふると肩を震わせながら終里が抗議するが、狛枝は聞こえてすらいないかのように愛撫を続ける。

『入るかな・・・』

チュプッ・・・ツプツプ・・・くぱぁっ

『うぐっ・・・・・・うあ゛ぁっっ!!』

10センチほど挿入した2本の指を軽く開くと、忽ち蜜壺の奥から濃縮された終里の体臭が立ち上った。

『スンスン・・・うん、強い果実酒みたいな甘酸っぱい香りと・・・大食漢だからかな、ちょっとキツめの獣臭もするね。
 ああ、でも安心していいよ。全然不快な臭いじゃないから。』チュプチュプ

『・・・そんな、ことっ!わざわざ言わなくても、いい、だろがっ!』ビクン ビクン

普段デリカシーに欠けるタイプの終里でも、自らの体臭を事細かに分析されて平気ではいられない。
何より自身の顔にまで届いてくるその臭いが狛枝の分析通りであることが、彼女の羞恥心をより強めた。



暫しの間、狛枝が指を動かす度に終里がビクビクと反応を返すだけの時間が続く。

『・・・これだけ濡れてれば大丈夫だとは思うけど、一応もう少し濡らしておこうか。痛いといけないからね。』

肘掛ごと終里の両足を抱え、トロトロにふやけた蜜壺へ顔を近づける狛枝。

『はぁ・・・はひ・・・はぁ・・・』

終里の表情は快悦に蕩けきり、舌はだらしなく垂れ、両の目はどろんと濁り焦点すら合っていない。
しかし、狛枝が終里の陰唇へ舌を這わせたその瞬間。

ジュプッ!ズッ、ズズズッ、ジュププププッ!!
『ぎっ!?いっ、いひぃっ、ひぁあああああああああっっっっっ!』

強烈な刺激が、宙を漂っていた終里の意識を無理やりに現実へと引き戻した。

『んむ・・・やっぱり舐める必要なんか無かったかなぁ。
 愛液がどんどん湧き出してくるみたいだよ。』ジュプッ チュパッ

『やめてくれよ・・・もう・・・うぁっ!やめて、くれよぉ・・・』

『でも、最高に気持ちよくしてあげるなら、ここを触らないわけにもいかないよね。』クリクリ

『!!・・・ひゃめっ、そこはっ、くああっ!』ビクビクッ

狛枝は器用にも舌だけで陰核の包皮を剥いてみせる。
他の部分と比べてやや大きめのそれは、アンバランスな淫猥さを感じさせた。

『ちょっと強めに噛むけど、今の終里さんなら十分気持ちよくなれると思うから。せーの・・・』

『ひゃめろ・・・ひゃめろぉっ・・・・・・』



コリュッ
『うぁっ、うぁあああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!』ビクッ ビクビクッ ビクッ



プシャッ・・・シャァァァァァァァァァァ……




終里の股から顔を上げた狛枝は、顔中を終里の愛液で濡らしたまま満足げに頷いてみせた。

『うぶっ・・・ぶはぁっ。うん、上出来だね。潮まで吹くとは思わなかったけど・・・って、あらら。』

見下ろすと、終里の肩が上下に震えていた。強烈すぎる絶頂の余韻もあるが、それだけではない。

『ぐすっ・・・ひっく・・・・・・うぅぅ・・・ひっく・・・・・・』
(嘘だぁっ・・・オレがこんな簡単に何度もイカされちまうなんて・・・嘘だぁっ・・・)

目を固く瞑り、大粒の涙を子供の様にポロポロと流す様は、一流の闘士を自認していたかつての終里とは完全に別人だった。
“超高校級の体操部”終里赤音の心は、快楽と羞恥により完全に折られてしまったのだ。

『絶望病の再発・・・って訳ではなさそうだね。尤も僕もあのときの記憶は曖昧だから、はっきりしたことは言えないけど。
 泣いてちゃ困るよ、終里さん。君にはもっと気持ちよくなってもらわないと。』

もう狛枝の声も聞こえないのか、ぐすぐすと愚図り続ける終里。
暫く眺めていた狛枝は呆れたように大きなため息を一つつくと、カチャカチャと音を立てながらベルトを外し、中に履いていたパンツごとズボンを下ろした。
大きく膨らんだ狛枝の分身が終里の眼前に晒される。赤黒く屹立したその姿は、無機質な雰囲気の狛枝にはやや不似合だった。

『これも舐めてもらおうかと思ってたけど、この分だと無理だろうね。
 やれやれ、拒絶はされてないみたいだけど、これって胎教に良いのかなぁ。』

腰を屈め、自身の肉茎を終里の蜜壺の入り口へ当てる狛枝。

『じゃ、もう挿入れるから。』

終里の返事も待たず、勢いよく腰を突き出す。



ズブッ、ズブブブブッ
『ん゛ぅ!?ひゃ、あああああああああっっっっ!!!!!!』ビクゥッッッ



挿入された瞬間、今までの反応の薄さが嘘のように大きな喘ぎ声を上げる終里。
身体は大きくビクンと跳ね、椅子にだらしなく寄りかかっていた背筋は鉄の芯を通したかのように一直線に伸びた。

『ああよかった、ちゃんと感じてるみたいだね。』

間の抜けた感想を述べながら腰を前後に動かす狛枝。

ズチュッ グチュッ ズチュッ
『はぁっ!はぁっ!はぁっ!』

溢れ出る愛液が音を立てて飛沫をあげ、それに合わせて終里は腰を浮かせ、叫ぶ。
狛枝の腰の動きは胸への愛撫同様変幻自在であり、予測の付かない快感の波に終里の喘ぎはどんどんと大きくなっていった。
『・・・うん、この辺りが一番感じるんじゃないかな。どう?』

そうこうする内に、狛枝は終里の最も気持ちいい部分を発見する。
金属のように固くなった肉茎がヘソのやや下辺りを擦り上げると、終里は涎を垂らしながらまた叫ぶ。

クチュッ クチュクチュクチュクチュッ
『ん゛い゛ぃっ!!い゛いよぉ!!すげぇっ!!すげぇよぉっ!!!』

垂れているのは涎だけではなかった。
目から涙、鼻から洟。それら全てが混ざり合い、辺りに飛び散っていく。
ぐちゃぐちゃに崩れた終里の表情と言葉から、彼女が与えられる快楽を受け容れ始めていることは明らかだった。

狛枝はその変化に目ざとく気付き、口の端をほんの少し歪ませ、腰は動かし続けたまま終里に質問した。


『終里さん、そろそろ膣内に射精しても良いかな?』ズチュッ ズチュッ ズチュッ ズチュッ


『な、なかはぁ、ふぁあっ、えぇと、だっ、だめ、だめなんじゃ、ねーのか』ハッ ハッ ハッ ハッ


『うーん、それじゃあイカせてあげられないよ?それでもいいの?』ヌプッ ヌププッ


芝居がかった困り顔を作り、腰の動きをゆっくりと小さなものにしてやる。


『やぁっ、もっとっ!!もっと、はげひくうごいてくれぇっ!!』


残酷な宣告を下された終里は自ら腰を揺するが、どうにも狛枝が与えてくれるような刺激は得られない。

『じゃあ膣内に出させてよ、ね?』ヌププッ ヌププッ

『それは・・・ええと・・・う゛ぅぅぅ!!』

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こうしたやりとりを数回繰り返し、とうとう終里が先に折れた。

『わ゛かっ゛だっっ!!!!だひてい゛いっ!!!だひていいからっ、はやぐ、いがせてぐれぇっっ!!!!!』ハァッ ハァッ ハァッ ハァッ

『早くそう言えば良かったのに・・・それじゃあ、スパートかけるよ』

ピストン運動が一気に加速し、二人の身体がぶつかり合ってパンパンと激しい音を立てる。


ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ 
   ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ ズパンッ
『んほぉおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!いひぃいいいいいいっっっっ!!!!!!』


終里の口から涎と一緒に吐き出される言葉は、もはや意味をなしていない。
だらしなく半開きの目は続けざまの焦らしによって濁りきり、何も捉えてはいないようだった。


『ああ出そうだ・・・イクよ・・・くっ!!』ズパンッ ズパンッ・・・ズッ、グィッ!

限界を迎えた狛枝が腰を一際強く終里に押し付けた。




どぷっ どびゅる ごぷぷぷぷぷぷぷっ
『うぁ゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っっっっっっっっ!!!!!!!』




炎のように熱く濁流のように激しい精液が子宮の奥を叩くと、終里は獣の方向のような嬌声を上げ、今日一番の絶頂に達した。
落雷を間近で見たときのような激しい閃光が視界を真っ白に染め、耳は鼓膜が破れたかのように一切の音が聞こえなくなった。
強すぎる快感に脳の神経回路はショートを起こし、終里赤音は快楽に歪んだ表情のまま意識を失った。

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椅子の上の終里は様々な体液で全身をドロドロに濡らしたまま、こひゅー、こひゅーと掠れた寝息を立てている。
事後の始末を終え終里の拘束を解いた狛枝は、終里が目を覚まさないうちに部屋から出て行った。

狛枝の手によってドアが閉じられた瞬間、部屋の片隅から黒い影、否、白黒の影がひょっこりと現れた。
どうやら事の次第をすべて観察していたようで、白黒の影は終里の寝姿を眺めながら実に愉快そうに一人語りを始めた。

『うぷぷぷぷぷ・・・まさかあの狛枝くんが、こんな面白い遊びを始めちゃうなんてねぇ。
 “この空間”じゃ、どんなに頑張ったって子供なんかできるワケないんだけど!!
 こんなにポジティブかつ無駄な努力はボク今まで見たことないよ!ぶひゃひゃひゃひゃ・・・』

白黒の影は腹を抱えて笑い転げながら、再び闇の中へと姿を消した。

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最終更新:2012年08月21日 18:08