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 考えるまでもなく理解した。これは夢だ。
 辺り一面、目が痛くなる程鮮やかな血に塗れた教室。
 周りから聞こえてくる弱々しい呻き声。掠れた啜り泣きの声。
 そして、そこかしこに転がる、腕、脚、指、胴、そして、頭。
 地獄としか言い様がない景色が、自分の目の前に広がっていた。
 確かに、『この島』に来てから今日までに、何人ものクラスメート達が殺されてきた。コロシアイと、処刑によって。
 ……そうだ。だから今の異常な状況に当てられて、こんな突拍子もない夢を見ているだけなんだ。

 でも。
 この教室のつくりは。
 心なしか、見覚えがあった。
 まるで、『決して短くない時間を、この空間で過ごしてきた』かのような、慣れ親しんだ感覚さえ覚える。
 そして、教室の一番奥、黒板の真正面に誰かが佇んでいるのに気付いた。シルエットから察するに、女性のようだ。
 やや高めの身長。女性らしい凹凸のはっきりした身体。緩やかなウェーブを描くツインテール。そして、この世の全ての『絶望』をかき混ぜてぶちまけたような、濁りきった二つの瞳。

 ああ、そうだ。ようやく思い出した。
 どうして今まで、こんな大事な事を忘れていたんだろう。
 あの人は……いや。
 ――『あの方』は。





「……ん、ここ…は…」
 ジャバウォック島、第一の島にあるホテルのコテージ。
 日向創は、寝起き特有の頭が回らない感覚を感じながら、ゆっくりと瞼を開いた。
(…おかしな夢だったな。それに何だか、鳥肌が立つくらい…)
 リアルな夢でもあった気がした。まるで、自分の記憶を映画にして、鑑賞していたかのような。
(って、そんな筈ないか。あんな残酷な夢が俺の記憶であってたまるもんか。…それにしても)
 そこで、日向は初めて、身体の違和感に気が付いた。何故だか、妙に身体が重くて、金縛りにでも掛かったかのように全く力が入らない。
 それに、熱い。部屋の中は適温に保たれている筈なのに、自分だがサウナの中にいるかのようだ。
 あともう一つ。身体が何かに締め付けられている。
 自分の身体の右半分を何か等身大のものが覆いかぶさっていた。
 感触がとても柔らかい。それに、ひどく芳しい甘い香りがする。
 日向は恐る恐る、自分に覆いかぶさる『それ』に目を移した。そこには。


「んふふっ…日向さぁん…」
「っ!? つ、罪木っ!?」
 エプロンの形をした白衣を身に着け、手脚に包帯を巻きつけた少女。
『超高校級の保健委員』こと罪木蜜柑が日向の寝るベッドに潜り込み、彼に抱きついていた。
「あっ、ようやく起きてくれたんですねぇ。『アレ』がちょっと効きすぎちゃったのかな? うふふ…」
「お、おい罪木。なんで俺の部屋に、というかベッドにいるんだよ!?」
「そんなことぉ、別にどうだっていいじゃないですかぁ。日向さんはぁ、そんなことは気にしなくていいんですよぉ? クスクス…」
「……? 罪木?」
 何故罪木がこの部屋にいるのか。何故ベッドに潜り込んでいるのか。彼女は一体何を言っているのか。目を覚ましたばかりの日向には全く理解が出来なかった。
 加えて、普段の罪木と比べて何か様子がおかしい。彼女の様子がおかしいのは普段からそうだが、それとは別の意味で今の罪木は、『何か』が違っていた。
 そう、まるで『人が違った』かのようだ。
「罪木。お前、一体何が――」
 あったんだ。と、彼女に問いかけようとした途端の事だった。

「――うっ、っ!」
 日向は自分の下腹部に痺れる様な疼きを覚えた。
 ある意味では慣れ親しんだ感覚。そう、自分を慰めてる時の感覚だ。
 突然の事に驚き、日向は目線を自分の下半身に向ける。そこには。
 柔らかい手付きで日向の股間を擦る、罪木の手があった。
「くっ、つ、罪木! お前、何を――」
「ふふっ、うふふふ…」
 罪木の白くて華奢な指先が、日向の自身を隠すズボンの上を緩やかな動きで滑るように撫で上げていく。
「――っ! つ、罪木っ、やめ――」
「どうですかぁ、日向さん…私の指、気持ちいーですかぁ…?」
 撫でり撫でりと、まるでペットをあやすように罪木の指が日向の上を何度も往復する。
 繰り返される内に、日向は自分の意思とは無関係に自身が大きく膨らんでいくのを感じ始めていた。肉体も――興奮も。
 日向は彼女を止めさせようと必死に身体を動かそうと試みるが、目を覚ましてから今まで、まともに動く気配すらなかった。
それこそ動くのは、自分の気の昂ぶりを感じ取って大きくなっていく自身くらいなものだ。
(か、身体が動かない…! どうしてなんだ…!)
「うふふ、無理しても疲れるだけですよぉ? 大丈夫です…動かなくても、私がちゃーんと、気持ちよくしてあげますからぁ」
 と、日向の心を見透かしたかように、罪木が耳元で囁く。
「日向さんにはぁ、寝ている間に『とっても素直になれるクスリ』を嗅いで貰ったんですぅ。だから、日向さんはたぁーっぷり、私のご奉仕で気持ちよくなって、いいんですよぉ…クスクス」
 罪木が言葉を発する度に日向の耳に彼女の温かな吐息がかかる。
 また、時折わざと息を吹きかけられ、その度に日向は背筋にむず痒い刺激を感じ反射的に身体を跳ねさせてしまう。

「…くっ! お、お前、俺をどうするつもりなんだ…!」
「だ・か・らぁ……日向さんはぁ、何も考えなくていいんですよぉ。ただそのまま、『気持ちいいコト』に身を任せれば……ね?」

 カチャ、カチャカチャ……ジ――――、シュル、シュル……

 罪木はズボン越しに日向を刺激していた右手で日向のベルトを外してジッパーを下ろし、パンツごとズボンを下ろしていく。
『超高校級の保健委員』としての他人の服を着替えさせる技術の賜物か、それともこのような行為に慣れているのか、全くまごつく事なく片手だけで器用に下半身を露出させた。
 罪木の手戯によって充血した日向のペニスが、窮屈な衣服の中から開放され、勢いよく顔を出す。
「わっ、日向さんのおちんちん、おっきい……うふふっ、それに、ぴくんぴくんってお辞儀してますぅ。そんなに私の指が良かったんですかぁ?」
「ち、ちがうっ! これ、は…」
「クスクスクス……いいんですよぉ? 恥ずかしがらなくても。素直に気持ちいいって言えば…」
「そんな、こと、は…」
「うふふふっ、それじゃーあぁ、日向さんが素直になれるようにぃ、もっともっと、気持ちよくしてあげますねぇ」
 そう言うと罪木は身体の向きを180度反転させ、日向の身体を跨いで覆いかぶさった。
 肉付きのいい臀部から太ももまでのラインが惜しげもなく日向の目の前にさらけ出される。
 終里のような引き締まった筋肉質のものとも、ソニアのようなスラリとしたモデル体型のものとも異なる、
むちむちとして見るから柔らかそうな尻肉と太ももを目の前に突き出され、日向は思わずゴクリと音を立てて唾を飲み込んでしまっていた。

「…んっ、はぁ、日向さんのおちんちん、太くて黒ずんでて、とってもおいしそうですぅ。んふっ……ふ――――……」
 罪木は目の前で起立している日向のペニスをトロンとした目つきで眺めながら、唇をすぼめてソレに優しく息を吹きかけた。
「っ、く…ぅ」
「あんまり焦らしても可哀想ですからぁ、そろそろ、頂いちゃいますねぇ……んー、ちろっ」
「!? く、うぁっ」
 罪木の舌先が、日向のペニスの竿を舐め上げる。たった一瞬の刺激にも関わらず、それだけで日向のペニスは嬉しそうにピクンと頷いてしまっていた。
「ふふふ……たぁーっぷり、気持ちよくなってくださいねぇ…んっ、ちゅぴっ、ちろっ、ちろっ」
 罪木は日向のペニスに軽く触れる程度の刺激を満遍なく与えていく。
 罪木の唇が触れる感触もさることながら、それと共に亀頭に降りかかる鼻息のこそばゆい感触も、日向の気を昂ぶらせる材料の一つとなっていた。
(くそっ…こんなこと、してる場合じゃ無いはず、なのに)
 狛枝も終里も、そして澪田も絶望病による高熱に苦しんでいる筈だ。自分も罪木も、三人の看病に向かわなければいけない。
 日向はそう頭では理解しているつもりだった。だが、
(なのに、なんでこんなに気持ちいいんだ……っ)
 自身の局部を刺激する。
 していることは自分が時折致している行為と大きな違いはない筈なのに、それを自分ではなく女の子がしているというだけで、自分でするのと段違いの快感を日向は感じていた。
先程罪木が言っていた、『とっても素直になれるクスリ』とやらの影響か、身体が動かないばかりか、体中が上気し、心臓の鼓動も速く、激しく打ち続けている。
 まるで、これから起こる事に期待を膨らませているかのように。

 ――このまま、されるがままに罪木に身を任せて、思い切り気持ちよくなりたい。このままいけばエスカレートしていくであろう行為に全てを委ねて、
何もかもを▽♯い%すまで、彼女のカラダを、貪りたい――



「――っ! く、そぉ…」
 頭の奥底から無意識に沸きあがってきた思考を無理やり押さえ込むと、日向は罪木を自分の上から下ろさせようと、彼女の脚に手をかけようとする。しかし、
「あんっ……うふふ、日向さんもぉ、私のこと、気持ちよくしてくれるんですかぁ? うれしいですぅ…んふぅ、ちゅっ、ぺろっ」
 少しずつ身体に力が入るようになってきてはいるものの、罪木を退ける程の力は入らず、彼女の太ももを揉みこむような形になってしまう。
 両手いっぱいに触れた罪木の太ももの感触。サラサラとしたすべらかな手触りは色白な肌色と相まって、まるでシルクの生地を手にしているかのようだ。
それに加えて、指に力を込めるとそれに応じて形を変える、温かく柔らかな弾力。
 右脚はスカートのすぐ下からふくらはぎまで包帯で巻かれているため手触りそれほど感じないが、それでも柔らかさは変わらない。
 そして、
「ひゃんっ! 日向さんの指、気持ちいいっ……んやっ」
 手を動かすと、微かな刺激でもそれに反応して上げられる、罪木の悩ましい声。
 極めつけは、
「ちゅぶっ、んっ、ちゅぴっ、日向さんのおちんちん、すっごくイイ匂いがしますぅ。頭、クラクラしちゃう……ぺろっ、ちゅば」
 淫猥な水音を立てながら、罪木が自分のペニスにしゃぶりついているというこの状況。
 それらがまるで麻薬の様に日向の頭の中をグルグルと巡り、身体中を蝕む正体不明の熱も手伝って、日向の理性を加速度的に破壊していく。
 頭で必死に抵抗しているつもりだが、彼の本能的な欲望は罪木の嬌声と身体の感触をもっと味わいたくて、身体が無意識に彼女の太ももを撫でさすり、揉みしだいていた。
(罪木っ…罪木ぃ……っ、だ、駄目だ! やっぱり何かおかしい! ここで流されたら、俺、は…)
 取り返しのつかない事になる。自分にとって決定的に大切な何かを失って、もう二度と元の場所に戻れなくなってしまう。
 根拠も証拠もない。しかし日向にはそうなるという確信があった。
(我慢するんだっ……完全に身体が動くようになるまでは……!)
必死に歯を食いしばって、ギリギリの所で何とか理性的な思考を保とうとする。

「んちゅっ、ちゅ、むぅ……日向さん、なんで我慢するんですかぁ? 日向さんが望みさえすればぁ、もっともぉーと、気持ちよくなれるんですよぁ? ほらぁ、こんな風に…」
 言うなり、罪木はそれまでソフトクリームを舐める様に動かしていた口を日向から離すと、唇に舌を這わせてべっとりと唾液を塗りつけ、口内にも多少の唾液を含むと、
唇をやや大きめにすぼめて、再び日向のペニスの先端に口を付ける。
 そして、
「んっ、ちゅぼっ、んぅ、ぶじゅっ、じゅぶぶぶぶぶっ」
 一気に根元まで咥え込んだ。
「!? ん、くぁっ!」
 今までとは質も強さも全く違う刺激に、日向は思わず食いしばった歯を解いて喘ぎを漏らしてしまう。
 罪木は畳み掛けるように連続して顔を上下に動かし、絶え間なく日向のペニスに、快感という毒を注ぎ込んでいく。
「じゅるっ、んふふっ、ちゅばっ、ちゅばっ、んじゅ、じゅるる、んふふふふふっ」
「はぁっ、ん、うぁっ」
 さっきまでの『ぺろぺろ』がお遊びだったとしか思えないくらい、津波の様に強烈な快楽が日向を翻弄する。
 ペニスに吸い付かれる度に反射的に腰が浮き、堪らず罪木の脚に満足に力の入らない腕で抱えこむ様に抱きついてしまう。
「んふふっ、ひにゃたひゃん、かあいいれふっ、んんっ、ちゅぼっ、ぶじゅじゅっ、ん、ほぁっ」
 強すぎず弱すぎず、絶妙な力加減で吸い付かれるペニスは、今までにないくらいガチガチに硬く、大きく膨らんでいた。

 ――女の子に口でしゃぶられるのがこんなにも気持ちいいものだったなんて。今まで自分で擦っていたのが馬鹿らしく思える。
それに、普段気弱でおどおどしている罪木に、一方的に責められ、翻弄され、弄ばれてると思うと、なんだか、異様に興奮する――

 初めて体験する快感と興奮に、日向はいつしか止めさせなければという考えもすっかり小さくなり、代わりに罪木から与えられる刺激にばかり気が向くようになってしまっていた。
 しかし、本人はその事に、全く気付いていない。
「じゅるる、んはっ、はむっ、んじゅっ、ちゅぶぶっ、んふふっ、ひにゃたひゃんのおひんひん、びふびふひれまふっ、ちゅぼぼっ、もうひゅぐ、いひほうなんれすねっ、ちゅばっ、ん、はぁっ」
 その通りだった。パンパンに膨れ上がったペニスは今にも爆発寸前で、このままいけばすぐに出してしまいそうなくらいに、日向は追い詰められていた。
(……くっ、も、もう、ダメだ…! 出る…っ!)
 今この瞬間は、射精する事しか考えられなかった。そして、あと数回の刺激でイけると思った、その時だった。
「…んっ、ちゅぽんっ、はぁ、はぁ……だ~めですよぉ、日向さん。断りもなく、勝手にイっちゃあ……クス、クスクスクス」
 突然罪木がペニスから口を離してしまった。射精に導いてくれる刺激を失って、日向のペニスが寂しそうにピクンピクンと痙攣する。
「そ、そんな……今、止められたら、俺は…」
 なんとか刺激を得ようと日向は身体を動かそうとするが、四肢はある程度動くようになってきたものの未だに身体に力は入らず、罪木が上から押さえ込んでいるために殆ど何も出来ない。
先程までの葛藤は何処へやら、日向は恥も外聞もなく、罪木に懇願していた。
「頼む! 罪木、止めないでくれ! 今止められたら…」
 狂ってしまう。間違いなく。
「そんなにイきたいんですかぁ? それじゃーあぁ、『罪木の口で俺のペニスを射精させてくれ』ってお願いできたら、出させてあげますぅ」
「……っ」
「あっ、そうそう。もう一つ、私が『満足』するまで、ずぅーっとセックスするって約束できたらぁ、出させてあげますぅ。この二つを言えなかったら、ずぅ――っと、このままですよぉ?」



 ――それは。
 恐らく、これが罪木が何故このような行為に及んだのかという、核心なのだ。
 罪木は自分と性行為を行う『手段』によって、何らかの『目的』を遂げたいのだ。
 そのために罪木は時間をかけて自分を追い詰めて、自分の口から言わせようと仕向けている。
 問い詰めなければいけない。彼女の思惑を。
 突拍子もないこの行為が、それこそ突拍子もない考えだが、何かとても重要な事に繋がっているような気がする。
 そして、先程も思ったが、今この場で彼女の誘惑に勝たなければ、何か大切なものを失ってしまう。そんな予感がした。
 だが、今の自分は。
 彼女をロンパする為のダンガンではなく。
 彼女に屈服する為の快楽を知ってしまった。
 このまま、お預けを食らうなんて耐えられない。
 そして、罪木のイヤらしいカラダを余すことなく、味わいたい――

「……罪木」
 口が、勝手に言葉を紡ぎ出していく。
「なんですかぁ?」
 これから起こるだろうコトに、ゴクリと喉を鳴らした。そして、
「約束する! 罪木が満足するまで、ずっとセックスするからっ! だから、イかせてくれ……」
「はい? よく聞こえませんでしたよぉ?」
「罪木の口で俺のペニスを射精させてくれぇ!」
 言ってしまった。罪木の誘惑に負けた、決定的な言葉を。
「……ふふ、ふふふ、うふふふふふ……」
 罪木は濁りきった色を宿す目を細め、不敵な笑い声を漏らし、
「よぉく、できましたぁ…♪」
 物欲しそうに脈打つ日向のペニスへ、再びしゃぶりついた。
「んんっ、ぶじゅっ、じゅるるっ、じゅるっ、じゅぼぉっ」
「く、うぁっ!」
 射精寸前で止められていたペニスが、あっという間に高みに上り詰めていき。
 そしてその瞬間は、あっけなく訪れた。
「いっひぇくらはい、ひにゃたひゃんっ、じゅぽっ、じゅぽっ、んはっ、じゅるっ、じゅるるっ、じゅるるるるるるるるるっ」
「くぁっ! も、もう、射精るっ、射精るっっ!!」

 ぶびゅるっ!! ぶびゅるるるっ!! ぶびゅるるるるっ!!

 ビクンビクンと大きく痙攣しながら、日向は自分でも信じられないほど大量の精液を、罪木の口の中へと放出した。
「んぶふぅんっ! じるるっ、じるるるっ、んっ、んくっ、んくっ、んっ、ちゅばっ、ちゅるるっ」
 罪木の喉に、舌に、上顎に、日向の欲望の塊がびちゃびちゃと降りかかる。罪木はそれを舌を使って余す所なく掬い取り、喉の奥へと落とし込んでいく。
「んくっ、んく……ちゅるっ、っぷあっ、はぁっ、はぁ、はぁ…」
 やがて口内に放たれたそれを全て飲み干すと、先程と同じく180度体を反転させて、日向の頭の脇に肘を置くような姿勢で、日向に覆いかぶさった。
 頭を少し動かせば唇同士が触れ合う程近くに罪木の顔が迫る。
普段の罪木からは想像できない妖艶な笑みと、唾液と精液でべちゃべちゃに汚した唇。
 そんな罪木と目を合わせているだけで、射精したばかりの日向のペニスが、また硬さと大きさを取り戻していくのが感じられた。
「日向さぁんっ、んっ…ちゅっ」
 目線は合わせたまま、唇は罪木の方から重ねられた。
「ちゅっ、ちゅぱっ…んろぉっ、じゅるっ、べちゃっ、ちゅぶっ」
 すぐに日向の口内へ罪木の舌が差し込まれ、かき回される。
「んっ、ふぁっ、ちゅるっ、ちゅばっ、んんっ、ちゅぅぅっ」
 日向もそれに応え舌先同士が触れ合うと、激しく絡み合い互いの口内を行き来する。
 互いが互いの唇と舌を強く吸い合い、唾液を飲ませ合う倒錯的なキスは、二人が窒息寸前になるまで続いた。
「んふっ、ちゅばっ、ふぅ、んっ…ぷはぁっ! はぁ、はぁ、ひなた、さぁん……」
「はぁ、はぁ、罪木っ……」
「もっと、気持ちよく、なりましょう…?」
「ああっ、俺も、もっと気持ちよくなりたいっ…」
「んふふっ、ちゅっ、ちゅぴっ…はぁっ、日向さん、私が『満足』するまで―――」
「…………」
「―――絶対に逃がしませんからね」




 ――それから、どれくらいの時間が経ったんだろうか。

「ああぁっ! ひなたさぁんっ! もっとぉ、もっと突いてぇっ! あっ、あっあっ、きもちっ、いいっ、んっああぁっ!」

 俺達はあれから、一時も休む事なく互いのカラダを貪り続けていた。

「いいっ! そこいいっ! ごりごりって、けずられちゃうぅっ! ひあっ、あぁっ! んっ、あああぁあぁあっ!」

 俺は罪木のあらゆる場所に、あらゆる格好で、自分の■望をぶちまけた。もう、何回射精したかも覚えていない。気付けばベッドの周りは一面、クシャクシャになったティッシュの海になっていた。
しかし、不思議と俺のモノは全く衰える気配がなかった。これも、罪木に嗅がされたというクスリの所為かもしれない。

「ひなたさんのっ、おちんちんっ、いいですぅっ! んああぁっ! もっと、私のなかっ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜてくださぁいっ!」

 罪木も、すでに何十回も上り詰めてる筈なのに、一向に満足する様子がなかった。彼女のいう『満足』とは、一体何を指した言葉なのか。
ただ、今となってはどうでもいいことだ。こうして罪木のカラダを貪っていられれば。

「んっ、ちゅばっ、ちゅっ、んんぅっ! ちゅぶぶっ、んひぃ! んっぷあっ、ひなたさんとのキスぅ、きもち、いいよぅっ、んっ、ちゅぱっ、ぴちゃっ、ふぅううんっ!」

 ただ、彼女と身体を重ね始めてから暫くして、信じられない事が俺の身に起こっていた。

「ふあぁぁっ! んあっ、きゃうぅっ! おっぱいもっ、おしりもっ、アソコもぉっ! もっとイジメテくださぁいっ! んっあっ! あぁああぁっ!」

 ここに来る前の記憶が、少しずつ戻り始めたのだ。
 それは。
 予備学科の学生だった頃の記憶。
 学園の研究者達に、アタマのナカを弄くられた記憶。
 『あの方』と出会ってからの記憶。
 そして、『人類史上最大最悪の絶望的事件』の引き金となった、あの虐殺の記憶。

「んああぁっ! ひっ、あひっ、あひぃぃっ! くるっちゃうっ、わたしっ、きもちよすぎてぇ、くるっちゃいますぅぅぅっ!」 

 ……そういうことなのだろうか?
 何故、罪木とセックスをする事で記憶が戻ってきたのか、それは分からない。だが、俺が記憶を取り戻す事で『超高校級の絶望』に戻る事が罪木の目的だったとしたら。
 これから俺がやる事はもう決まっている。
 コロシアイなんて回りくどい方法はいらない。
 すぐに『裏切り者』を手にかけて、『ヤツら』が縋っている『希望』を握り潰してやる。

「もうだめぇっ! またイっちゃうっ、イっちゃいますぅっ! あぁっ、んああぁっ! イグっ、イグぅっ! イグぅぅううぅっ!!」

 そう、全ては『絶望』の為。そして、俺を導いてくれた、『あの方』の為に――


END
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