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江ノ島盾子…こと、戦刃むくろは苛立っていた。
どこへ行っても苗木が自分の傍を離れないのだ。
確かに面白い奴だと思うし、本来ならばとりとめもない話をしていたいのだが、このままでは任務に支障をきたしてしまう。

「アンタさあ、いい加減に違う奴の所に行きなよ。あたしがどうしようが、アンタに関係ないでしょ!」

むくろの投げやりな言葉に、苗木は即座に反論した。

「関係なくないよ!ボクらは…仲間じゃないか。それに」

むくろの目をまっすぐに見つめて続ける。

「なんだか放っておけないんだ。このまま別れたら江ノ島さんがどこか遠くに行っちゃいそうで…」

「………っ」

むくろは動揺してしまい、すぐに言葉を返すことができなかった。
このままでは駄目だ。かと言って今、力づくで苗木を排除することは出来ないし、したくない。
ふと、『色仕掛け』という言葉が頭に浮かんだ。

「…わかったよ、苗木。アンタ、あたしのことが好きなんでしょ」

自分で言っていて赤面しそうになるが、何とか気を落ち着ける。

「いいこと、してあげるからさ。そしたら、ちょっとだけあたしを一人にしてよ」


むくろは寄宿舎奥の女子トイレに苗木を連れて行った。監視カメラを気にしてのことだった。
一緒にトイレに入る所は映されてしまうが、これからすることを見られるよりはましだ。

「江ノ島さん、ボクはこんなつもりじゃ…」

「いいから、黙って」

どうせこいつも死ぬんだ。少しくらい、いい目を見させてやってもいいだろう。そんな事を考えながらむくろは足を進める。

「あたし、ホントに軽い女じゃないんだから。それだけは勘違いしないでよ」

そう断ってから苗木を一番奥の個室に連れ込むと、これ以上余計なことを言わせないようにキスで口を塞いだ。
ほとんど唇を押し付けるだけのぎこちないキスだったが、苗木は大人しく従っている。

「苗木、触ってよ…」

むくろは素早く制服の上着の前をはだけると、苗木の手をとって自分の胸へと導いた。

「えっ」

掌をシャツの上から胸に押し付けた瞬間、苗木の口から、声が漏れる。
唇を離してむくろは聞いた。

「な、何よ。何か変?」

「いや、雑誌で見てた江ノ島さんより、その…イメージと違って驚いて」

写真の妹より胸にボリュームがない事を言っているのだ。
むくろは少し恥ずかしくなり、拗ねた口調で言い返した。

「…盛ってる、って言ったでしょ。つまんない事気にしないで、ちゃんとやりなさいよ」

「う、うん…ごめん…」

まだ恐々、といった手つきだったが苗木は胸の感触を確かめるように力を込め、優しく揉んだ。
むくろは満足すると、もう一度苗木の唇に自分の唇を寄せる。

「ん…ふぅ…」

自分の口から思ったより色っぽい息が漏れるのを聞いて、むくろは興奮した。
苗木は少しずつ手に込める力を強くしていっている。
むくろは苗木の股間の膨らみにズボンの上から手を触れた。

「え、江ノ島さん…」

「苗木も、触らせてね…」

ズボンのファスナーを下ろして苗木のものを取り出すと、優しくそれを握り、擦り上げる。
それは固く、熱く、今にも発射してしまいそうなくらいに滾っていた。

「うああ…っ」

苗木が情けない声をあげたのを聞き、むくろは優越感から少し微笑んだ。
もっと強く握れば、さらに性感が強まるのだろうが、中途半端な力がかえって焦らされるような感覚を与えているのだ。

「たまらないんでしょ?いつでも出していいよ…?」

むくろが悪戯っぽく笑うと、苗木がお返しとばかりにむくろのスカートの中へと手を伸ばす。
突然、下着ごしに触られて、むくろはびくん、と震えてしまった。

「な、苗木…」

はじめの頃より興奮しているせいか、苗木の手はすぐに下着をずらして、直接むくろの秘所に触れてきた。
人差し指が秘裂を探り、こぼれ出してきた愛液に導かれるように中へと入り込む。

「やっ…苗木っ…ああっ」

苗木の指はするすると奥へと進み、爪の先で内壁を軽く引っかいた。
むくろは敏感に反応してしまい、苗木の体から手を離して、されるがままになる。
苗木は一度指を引き抜くと、今度は中指と一緒に差し込んだ。
十分に濡れていたむくろは、これも楽に受入れる。

「苗木っ…。苗木ぃ…」

いつの間にか無意識に名を呼んでいたのだが、苗木は答えた。

「江ノ島さん…」

その声で、むくろは我に返り、歯を食いしばった。
愛撫を続けようとする苗木の手首をぎゅっと掴んで止める。

「もう、いいよ…準備、出来たから…」

苗木を便座に座らせると、むくろは正面から苗木の上にまたがった。
下着をずらし、ゆっくりと腰を下ろして苗木のペニスを飲み込んでいく。
苦もなく全てを受入れると、「ふうっ」と息を吐いてから動きはじめた。

「うあっ…江ノ島、さん…」

苗木の声に、むくろの胸は少し痛んだ。

(また、その名前…)

行為の最中に自分のものではない名前を呼ばれるのは、妙な気分だった。
そして苗木の言葉は不思議と胸に響いてしまう。
むくろは再び苗木を黙らせようと、自らシャツのボタンを外し、下着をずらした。
苗木の目は程よく引き締まったむくろの体に釘付けになっているようだ。

「江ノ島さん、きれいだ…」

むくろは苗木の呟きには答えず、彼の頭を胸に抱きこんで、囁く。

「胸、吸ってよ…」

苗木は言われるままにむくろの胸に唇を寄せて、夢中でその膨らみの先端を吸った。

「んっ…ふぁっ…」

苗木と結ばれている部分よりも、時々胸に吹きかけられる熱い息に感じてしまい、声が出る。
やがて苗木は我慢出来なくなったのか、自らも腰を動かしはじめた。

「んあっ…ああっ…!」

二人同時に動くことで、より強く、より深くぶつかりあう。
むくろはもう、声を抑えようともしなかった。

「ああっ…!な、苗木っ…!苗木っ…!」

「江ノ島さん…っ!」

また呼び返されたが、もう構うものか。むしろ、もっと…。

「な、名前、呼んでよ…。下の、名前。呼び捨てで、いいから」

「…じゅ、…盾子っ…!」

苗木の声を聞くうちに、むくろの体に性感とは別の、何とも言えない感覚が襲ってきた。
目の前の男は、自分を抱きながら別の女の名前を呼んでいるのだ。それも妹の名前を。
奇妙な感覚が性感と相まって、むくろは身震いした。

「苗木っ…もっと、もっとよ…!」

むくろ自身にも、もっと腰を動かせと言ったのか、もっと名前を呼べと言ったのかわからなかった。
ただ、苗木は思い切りむくろの体を抱きしめながら、叫ぶように名前を呼んだ。

「盾子っ…!!盾子ぉっ…!!」

ぐちゅぐちゅと、淫靡な音が激しさを増す。
やがてむくろは、意識が遠くなるのを感じた。

「はあっ…!あああっ…!苗木ぃ…」

二人同時に果てると、トイレの中は急激に静かになり、ただお互いの荒い息遣いだけが聞こえていた。


乱れた衣服を整えると、むくろは苗木に言った。

「ね、これでいいでしょ?まだ足りないんだったら、また明日相手してあげるからさ、今日は一人にして」

苗木は少し不服そうだったが、黙って頷く。
先に出るから、とドアに手をかけたむくろは思い出したように振り返った。

「苗木、あたし…」

何か言いかけて首を振る。

「もし、あたしがクロになっても、アンタだけは殺さないであげるよ」

先に言いかけた事とは違うが、そう言ってむくろは満足げににっこりと笑った。
それがむくろの本心からの、最後の笑顔だった。
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