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「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」

完全に防音された個室の中、サイケデリックな笑い声を響かせる少女は歪な形の鋏に両手両足の服の裾を貫かれて床に固定された身動きが取れない少年の上に跨がっている。異様に長い舌は螺旋を描き、赤く濁った瞳は爛々と輝いていた。

「……なんのつもりだ、殺人鬼」

四肢の自由を奪われて尚、その高圧的かつ尊大な態度を崩さない少年――『超高校級の御曹司』こと十神白夜は自分の上に跨がる少女――『超高校級の殺人鬼』ことジェノサイダー翔へと若干の焦りを隠しきれない口調で問い掛けた。

「んはぁぁ……、もー白夜さまったらん。そんな野暮いことは言いっこなしですよぉ? ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」

対してジェノサイダーは彼の問いには応えることなく両手で器用にくるくると鋏を回しながら身をくねらせて、どんよりとした熱が篭った視線を十神の体へと注ぐ。
拘束され、殺人鬼に跨がわれている。そんな状況で何か起こるとしたら、それは決まっている。殺人に外ならない。

「……っああぁ~! 萌えるっ! 超萌えるよぉ! 白夜サマが私を睨んでるぅ。憎しみと怯えが篭った目で私を睨んでるのぉ! はぁん♪ 感じるぅ!」

ジェノサイダーが身もだえする度に長い三編みが生きた蛇のように宙を踊り、妖し気な軌跡を描いた。
十神の頬を一筋の汗が走る。
油断していた。彼女が自分を崇拝し、自分の言うことには絶対に従い、自分の後ろをまるで犬のように付けて回っているのは百も承知だった。
だが、それ故に油断してしまった。ジェノサイダーが『殺すならば白夜サマを殺す』と言っていたにも関わらずだ。

「殺すならば早く殺せ。貴様なんぞに見下されるのは不愉快だ。ゴミめ」

「ああん、もう、白夜サマったら相変わらずつれないんだからぁーん! しかしッ、そこがイイッ!!」

日に当たる機会が少ない為なのか、やけに白い頬を上気させながら、ジェノサイダーは拘束された十神の顔へと迫り、

「……っ!」

その異様に長い舌で彼の耳たぶをチロリと舐めた。

「あらぁん? 意外と敏感なのかしら、白夜サマん?」

「……っく! 貴様っ……何をあぁっ!」

ジェノサイダーは舌を縦横無尽に動かして十神の耳を舐め回しながら器用に喋り、対する十神は反論する余裕を与えられずに耳を嬲られる。プライドの高い彼からしてみれば最大限の屈辱に外ならないだろう。

「……くぅっ、あぁっ……!」

しかし、彼の中には確実に興奮が生まれていた。
耳元で響く淫らな水音、スカートの裾から覗くホルダーが付いたなまめかしい太股、ジェノサイダーが呼吸する度に首筋に感じる熱い吐息、二枚のレンズ越しに見える妖しい瞳。
様々な要因によって彼の体は理性とは反意的に高ぶっていく。

「んはぁ……」

「はぁっ……はぁっ……」

時間にすれば時計の秒針が数回ほど回ったくらいであろうか、ジェノサイダーが耳から舌を離した頃には、十神の顔もすっかりと上気し、瞳には僅かに涙が浮かんでいた。

「やぁっぱり、メインディッシュの前には前菜が必要ですよねぇ~白夜サマぁ!」

「はぁっ……はぁっ……」

「うぇっへへ……そんな潤んだ目で見つめないで下さいってば。大丈夫、天井の染みでも数えてればあっという間に済みますからぁン!」

そして彼女は両手に握った鋏を動かし自らのスカートをバラバラに切り刻んだ。
今まではちらちらとしか見え隠れしていなかった太股が一気に外気へと晒され、細く、長い脚が革製の鋏ホルダーと相俟ってアンバランスな色気を放っている。
そして、スカートが存在しないと言うことは下着を隠すものも存在しないということと同義である。
ジェノサイダーの下半身を覆う純白の下着には細かいレースの意匠が施されており、身嗜みを気にしていない様子の普段の彼女にしては、非常に女らしいものを身につけているようだった。
思わず、十神もその純白に見惚れてしまう。
それは無理も無いことだろう。この絶望の学園生活では隙を見せることなど許されない上、監視カメラがあちこちに備え付けられているのだ。
十神自身のプライドが高い事もあってか、己を慰めることなど以っての外であり、要するに溜まっているのだ。

「ぁあっはぁーん!」

奇怪な叫び声と共にジェノサイダーが上着を脱ぎ捨てた。
露になった上半身は胸元の肉付きが薄く、肩や腕なども華奢な造りで今にも折れてしまいそうである。
それでも、病的とも取れそうな美しい白い肌が上気している様子や、パンティと揃いの可愛らしいブラジャーに収まった卵のような艶やかな光沢を放つ小さな乳房、彼女自身もイチ押しの鎖骨は言葉で言い表す事ができないほどに魅力的だった。
彼らと共に共同生活を送っている『超高校級のスイマー』こと朝日奈葵の持つ豊満な肉体や小麦色の肌が溌剌と放つそれを健康的な色気とするならば、こちらの白く妖艶な肉体から淫靡に薫るそれは官能的な色気と表現するのが適切であろう。
そして、そんな官能的な色気は十神の興奮を底上げするには充分なものであったらしく、彼は思わず、ゴクリと生唾を飲み込んでいた。

「あらあらあらん? 白夜サマってばぁもしかして私の体で興奮してらっしゃいますぅ? ゲラゲラゲラゲラ!」

「……っ馬鹿な! 何を根拠に言っている!」

茶化すような口調のジェノサイダーに反発するが、十神の両目は彼女の裸体に釘付けだった。
今は理性が働いているものの、いつ彼のたがが外れるか分かったものではない。

「んふふ~、そんな態度が取れるのも時間の問題ってぇ、ねっ!」

続けて、彼女は気合いを入れつつ十神のシャツの前に鋏を入れる。
小気味よい音と共に十神の胸元が段々とはだけていくと共にジェノサイダーの口から涎が湧き上がった。

「っあ~、ヤッベェ。見てるだけでイキそう」

垂れた涎をじゅるりと舐めとりながらも恍惚とした表情を浮かべながら彼女は目の前に輝く十神の胸元へと熱心に視線を注ぐ。
男性のものとは思えないほどにきめ細やかな肌に、無駄な脂肪が付いていない美しい体つき、うっすらと割れた腹筋。

「~~ッマジで萌える! ヤバイって、白夜サマ! あんたヤバイよ!」

「さっさと離せ! この愚民が!」

上半身の一部だけとは言え、仮にも異性に裸を凝視されるという彼の人生でも今までに無かった体験に、十神の中の羞恥心が膨れ上がり、唯一自由になる首を動かし、顔を横に背ける。
いつもならば十神が一度怒鳴り付ければ天下の殺人鬼と言えど安々と従うのだが、瞳を潤ませ、震える声での一喝は些か迫力に欠ける。
現在の時点ではむしろジェノサイダーの方が主導権を握っているようであった。
ジェノサイダーはその長い舌で舌なめずりをしたかと思うと、十神の体を鋏の先端で撫で付ける。

「……ひっ!」

肌を伝う冷たい金属の感触と襲い来るであろう痛みへの恐怖に十神は思わず短い悲鳴をあげてしまった。
しまったと思った時にはもう遅く、ジェノサイダーは喜色と狂気を滲ませた顔を向けたかと思うと再び鋏を彼の体へと添わせ、更に長い舌を垂らして彼の体を舐め回す。

「くっ……あぁっ! やめろぉ……この……ひっ!」

温かくて柔らかい舌と冷たくて固い鋏の先端の二極化した感触が肌を走り、こそばゆいような快感が十神の背筋を弓なりに反らさせた。
不安、屈辱、羞恥、憎悪、恐怖。様々な感情が快感に塗り潰される。
じんわりと鈍い、しかし確実な快感が彼の意識を蝕んでいく。

「んはぁー、白夜サマの汗マジ甘露ぉー。
アタシにチ○コが付いてたら絶ッ対犯すのになぁ。ジェノ×白夜サマするのにぃ……。なんで付いてないんだろ?」

「知るかっ……馬鹿ぁあっ!」

ちろちろと舌先で乳首を嬲られ、十神の体が跳ねる。
ジェノサイダーは舌先に緩急をつけてすぼめるように臍を舐め、鎖骨をなぞるように舌先でくすぐったかと思うと、触れるかどうかという所で胸板に鋏の先端を滑らせ、最後には乳首へと乱暴に吸い付く。
ありとあらゆるパターンの愛撫に十神も必死に声を押し殺そうとはするものの、喉の奥からはどうしても甘い嬌声が漏れ出て止みはしない。

「くちゅっ……ちゅ……白夜サマぁ……んっ……白夜サマぁ……」

「くぅっ……はぁっ……止めっ……んっ……はぁっ」

頭が熱い。快感が加速する。思考が鈍くなっていく。時間の感覚が薄れていく。
首筋をべろべろと舐めたくるジェノサイダーの声がどこか遠くで聞こえるような気すらしてきた。
十神のズボンの前には既に立派なテントがいきり立ち、生地を張り裂かんばかりに怒張している。
しかし、ジェノサイダーは決して彼の下半身に触れようとはせず、上半身ばかりを愛撫し続ける。それが故意によるものなのか、それとも単に気づいていないだけなのか十神に測り知ることは出来ない。
ただ、今は上半身を襲う甘美だが絶頂に達するには足りない感覚を強制的に受け続けることしか出来ないのだ。

「ふぅ……はぁ……マぁジ半端ねーッス白夜サマぁン……」

「くぅっ……ひぃっ」

ようやくジェノサイダーが上半身から口を離し、うっとりとその姿を見つめる。
彼女がそこかしこをべろべろと舐めたくったせいで涎が体中を蛞蝓が這った跡のように見えなくもない十神の体は拘束されている事もあってか、どこと無く淫靡に見える。
当の十神自身にもそろそろ理性と我慢の限界が来るのではないかと思われた、そんな時である。

「は……は……はっ……」

上半身をはだけたまま激しく体を動かしてうっすらとかいた汗によって火照った体を冷やした為か、はたまた、その長い三編みからほつれた細い髪の一筋がたまたま彼女の鼻をくすぐった為なのか。

「ふぃーっくしょぉん!」

乙女にあるまじき盛大なくしゃみと共に、『超高校級の殺人鬼』ことジェノサイダー翔はなりを潜め、代わりに彼女のもう一つの人格――

「あ、あれ……び、びびび白夜様?」

『超高校級の文学少女』こと腐川冬子が現れた。

「な、なな何で? び、びゃ、白夜様がこんな?」

腐川は大いに混乱しているようだった。
彼女からすれば憧れの存在である十神が自分の下で組み敷かれているという正しく夢にまで見たシチュエーションである。
自分もブラジャーとパンティ、ついでに鋏ホルダーと靴下だけという下着姿で、十神も淫らに濡れた上半身を目一杯にはだけたまま手を上にあげられ、鋏で服を床に縫い付けられて拘束されているのだ。

「こ、これが、びゃ白夜さまの裸……ゴクリ」

「……おい、ゴミ虫」

頬を赤らめる腐川に対して、十神は少し冷静さを取り戻した口調で話し掛ける。
十神はジェノサイダーというある種のイレギュラーな存在を扱う事は正直、苦手であった。
一応はこちらの命令も通じるものの、予想できない言動をする彼女にどうにも手綱を振り回されるような感覚があったからかもしれない。
しかし、彼女のもう一つの人格である腐川は彼の最も扱いやすい人間の一人であった。こちらの言う事ならばどんなことでも喜んで従う召使のような存在。
そんな相手だからこそ彼は少々の落ち着きが取り戻せたのだろう。

「は、はひ! 何でしょうか白夜様!」

「退け、そして俺を解放しろ。さっさとしろ、この愚図が」

「たた、只今!」

命令された従順な彼女はあたふたと十神の上から、

「…………」

「おい、どうした? さっさと退け」

ほんの少し腰を浮かせたかと思うと、再び十神の体の上に腰を下ろした。その際に、彼の聞き間違いでなければ腐川の股間の辺りから、くちゅりと微かな水音が聞こえたような気がする。

「……あ、あの、そのぅ」

「何のつもりだ、貴様……!」

沈黙した腐川の姿を見た十神の胸に再び不安と怒り、それから微細な期待が入り交じった感情が踏襲した。
ほつれた髪から覗く彼女の熱に浮かされたような視線は多少落ち着いたとは言え、今も勢い良く立ち上がった十神の股間へと集中している。
まさか、まさか腐川までもが。

「このッ……!」

「ご、ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい」

腐川はおどおどと怯え、口では謝罪の言葉を繰り返しながらも、相変わらず身動きが取れない十神のズボンのベルトへと手を掛け、びくびくとした手取りで金具を外す。
そのままズボンと共にパンツを勢いよく下ろすと、十神のいきり立った一物が外気に晒され、赤黒い亀頭をもたげるように露にした。

「はぁ……ご、ごめんなさい……はぁ……」

「……ッ!」

腐川の赤く染まった顔は明らかに発情しきった雌のそれであり、身を乗り出して十神の一物を食い入るように見つめる彼女がはあはあと吐き出す熱っぽい吐息が十神の股間に当たり、思わず腰が跳ねそうになってしまう。
ジェノサイダーですら触れようとはしなかった己の恥部をあの根暗で従順な腐川ににじっくりと眺められているという異常なシチュエーションに、十神の中で羞恥心と奇妙な快感が暴れ出す。

「ご、ごめんなさいごめんなさい白夜様……命令を聞けない駄目なゴミ虫でごめんなさい……ごめんなさいっごめんなさい……ゆ、許してください……ば、馬鹿な私でごめんなさい」

「こ、のっ……虫がぁっ……」

彼女が喋る度に吐息がかかり、彼の理性をじりじりと削り取る。
十神の鈴口から涙のようにカウパー線液の雫が一筋垂れた。
先程と同じように焦らすような、絶頂に至るには物足りない生殺しの刺激が彼の体を蝕み、お預けをくらい続けた彼のそれは物欲しげにぴくぴくとうごめいている。
十神ほどのプライドの持ち主でなければ楽にしてくれと泣いて懇願していてもなんらおかしくはないだろう。

「はぁっ……び、白夜様。私の、しょ、処女を……」

「なっ……!?」

いつの間にか立ち上がった腐川が覚束ない手で白いパンティをずり下ろす。
白い下腹部と細くて柔らかそうな陰毛に続いて鮮やかな淡い桃色の花弁が十神の視界に飛び込んでくる。
先程の水音はやはり聞き間違いでも幻聴でもなかったようで彼女の女陰は既にびっしょりと濡れそぼり、愛液が染みを作ったパンティの裏地とに銀色のアーチをいやらしく描いていた。

「ご、ごめんなさい白夜様、わわ私みたいな気持ち悪い女の、しょしょ、処女なんて御免でしょうけど、で、でも、でも……お願いします、ささ、捧げさせて、ください。ごめんなさい、許してください……」

「……ッ!」

水分を含んだパンティを投げ捨てた腐川は十神の男根へと狙いを定め、ゆっくりと腰を下ろしながら彼の赤くなった顔へと同じように火照った顔を近づける。
十神は自分に近づいてくる腐川の顔を見た瞬間、己の胸の内から急速に湧き上がるものを感じた。
普段の彼女に感じる軽視感でもない、殺人鬼の彼女に感じる嫌悪感でもない、先程までに感じていた屈辱でも発情でもない、もっと、もっと甘く、胸を締め付ける淡い感情。

「ごめんなさい白夜様、ごめんなさい……」

やがて十神の一物の先端が腐川の花弁へと接触すると同時に、薄い桃色の腐川の唇が十神の唇へと押し付けられた。

「むっ……! うっ!?」

「んっ……うぅ……」

今までに味わったことのない、意外と柔らかい唇の感触に十神が驚いて口を開けた一瞬の間に腐川の舌が素早く彼の口内へと滑り込んだ。

くちゅくちゅと腐川が舌を出し入れする度に二人の熱い唾液がそこを中継点として混じり合い、お互いの喉を通り、食道へと次々に流れ落ちていく。

「んんっ……ふっ……くちゅっ……んっ……」

腐川とジェノサイダーは体を共有しているとは言え、腐川の舌はジェノサイダーの持つ爬虫類のように異常に長いそれとは違い、ごく一般的な人間の長さの舌であり、ジェノサイダーのような巧みなテクニックもなく、どちらかと言えばぎこちない舌使いではある。
しかし、息を荒くしながら懸命に舌を伸ばす彼女の態度は、ぎこちない故に十神の興奮をこれでもかと加速させていく。
知らず知らずの内に十神自身も舌を伸ばして彼女の口の中を舐め回していた。
つるつるとした歯を、ざらつく上顎を、複雑な構造の舌の裏を、柔らかい唇を丁寧に何度も何度も舐める。
甘い。実際はそんな味がするはずもないのだが、腐川の唾液を嚥下し続けた十神は彼女の体液にそんな感想を抱く。
やがて、たっぷりと熱い口吻をしながら、腐川は自らの意思で腰を勢いよく落としきり、

「あぁっ、はあぁっ!」

十神の熱い肉棒が彼女の女陰の中の肉を貫くと、微かな抵抗と共に彼女の秘所から赤い破瓜の血が飛び、彼女の純潔が失われた。

「はぁっ……はぁっ……んっむぅっ……」

破瓜の激痛に涙を零しつつ喘ぐ彼女の口を強制的に塞いだのは十神の突き出した唇。
普段の彼からは考えられない、あまりにも掛け離れた優しい行動である。

「んっ……くぅ……あぁっ……」

腐川は抱き付くように十神の胸へと手を回しつつ、彼の口腔内を一心不乱に貪りながら少しずつ腰を上下させていく。
腰を上げる度に彼女の膣内の粘膜が名残惜しそうに十神のモノへと吸い付きながらしごきあげ、腰を下ろす度に固い情熱的な肉の塊が彼女の体を掻き分け、最奥をこつこつとノックする感触に腐川の魂は震えた。
普段の声からは想像できないほどに高く、淫靡な嬌声が彼女の喉からほとばしる。
十神に抱き着く腐川の体は細くて今にも壊れてしまいそうなのに、女性特有の柔らかさを秘めていて、彼女も女性であることを無言の内に語られた十神は自らの胸板に感じる優しい感触に心臓が跳ね上がるのを感じた。

「あぁっ! びゃくやさまぁ、びゃくやさまっ! ……っごめんなしゃい……きもちいいでしゅ……びゃくやさまぁっ!」

破瓜の痛みも薄れてきたのか、腐川の腰を振る速度も段々と加速していった。ちゅぷちゅぷと軽い音を響かせながら彼女の女陰は一物をくわえ込み、暖かくうねりながらも、ぐいぐいと強く締め付ける。
淫猥。腐川が十神の体の上で跳ねる様は正にそう言い表すしかできないようなものだった。
ずり上がったブラジャーから覗く小振りな乳首は甘い疼きを表すように奮い立ち、快感が高まる度に緩いS字を描いた儚なげな背中から瑞々しいヒップまでのラインがびくびくと痙攣する。
解けて乱れた長髪が汗ばんだ上半身や顔ににひっとりと張り付き、暗い影を落とす。太股に乱暴に刻まれた『正』の字達が汗に濡れて桃色に光る。
その全ての所作動作が扇情的で流石の十神とて思わず身震いしてしまうほどに美しく、腐川の僅かに汗臭い体臭すらも愛おしい。

「びゃくやさまっ、びゃくやさまっ。ごめんなさいごめんなさい、きもちいいですっごめんなさい!」

「うっ……あぁっ……」

眼前で瞳を潤ませながら謝罪を繰り返し、浅い絶頂を断続的に迎え続ける腐川を見つめながら、十神は自らの絶頂の予感を感じとっていた。
情欲を大いに溜め込んでいた上、ジェノサイダーにあれほど焦らされたのだから無理もないことだろう。
絶頂へ近づくにつれて十神の呼吸が荒くなり、腰が浮かび上がってしまう。そんな彼の何かを我慢するかのような苦し気な表情に腐川の心身も急速に高ぶり、腰を振る速度が増していく。

「んぁぁっ! びゃくやさまっ、なにか、なにかきますっ! びゃくやさまあっ!」

「くあぁっ!」

やがて、彼女が一段と深く腰を落とした瞬間、十神は絶頂を迎え、白濁した精液を腐川の体の最奥へと大量に吐き出した。
勢いよく吐き出された命の源は腐川の膣だけに収まらず、更に子宮口から子宮の奥へと侵入し、今までに感じたことがない場所に熱い存在の侵入を感じた彼女も、その熱い体液が十神の子種だと知覚した瞬間、今までよりも激しい絶頂へ達した。

「んああああっ! はあっ! あんっ!」

「くっ……あぁっ!」

想像以上の快感に思わずのけ反った腐川の白く、きゅっと引き締まった腹が白魚のそれのように震え、十神の精巣に詰まった子種さえも一つ残らず、貪欲に吸い上げようと鳴動する。

「はぁっ……はぁっ……はぁっ」

「くっ……はぁっ……」

二人だけの密室に二人分の荒々しい吐息が響き、彼女の秘所から収まりきらなかった白濁液がとろりと音も無く零れ落ちた。その瞬間。

「ひぃっ!」

腐川がびくりと体を震わせる。
その視線の先には十神と腐川が繋がる結合部。そこには十神の精液に混じり、破瓜の際の血がべっとりと付着していた。そう、赤い血液である。

「へぁ……血……」

あっという間に意識を失い、ぐったりとした腐川が十神の胸板へとしな垂れかかる。
行為のせいで熱を持っていた体が、さっと冷えていくのを十神は如実に感じた。
腐川が気絶したと言うことは、もしかすると――

「……呼ばれてぇ」

……そうして、

「……飛び出てぇ」

『超高校級の殺人鬼』こと、

「ジェノサイドぉー!」

ジェノサイダー翔が再び現れた。

「っあっはぁーん! いやぁん、もぉ白夜サマん♪ なんで裸になってやがるんですかぁ? ああ、私が剥いたんだっけー? ゲラゲラゲラゲラ!
って、股が痛ぇー! なんじゃこりゃあ!? あるぇるぇー!? 繋がってるよー! 私と白夜サマがえくすとりーむしてるぅー!?
夢!? これは夢なの!? あ、でも痛い、股間が痛ぇ!
つまり夢じゃないってコトじゃねーか! 中出しされて妊娠確定寿退学コースなのぉ!?
いや、ちょっと待った。なんで? なんで私と白夜サマが? もしかして、私が眠ってる間にアノ根暗眼鏡が?」

「耳障りだっ……! ッ……喚くな殺人鬼!」

現れた途端にハイテンションなジェノサイダーはぐねぐねと気味悪く身をくねらせ、その度に二人の結合部からぐちゅぐちゅといやらしい音と共に彼女の肉ひだがうごめき、十神に強制的な快楽を与える。

「ざッけんなよ! あーんな根暗眼鏡な地味娘に私の白夜サマをNTRされてたまるかっつーの! つー訳で白夜サマぁん、もう1ラウンド、イッちゃいましょうよ!」

「ッ貴様……んんっ!」

「ほらほらー、ええのんかー? ここをこうするのがええのんかー!?」

「くぁあっ……止せっ、やめろぉ!」

「そうは言っても体の方はショ・ウ・ジ・キですよぉー? ゲラゲラゲラゲラ!」

.....

...

.

「あ、あ……あの、白夜様?」

「…………」

前面と袖口の破けたシャツを脱ぎ捨て、新品のシャツに袖を通す十神に、ベッドに座りワイシャツだけを身に付けて真っ白な太股を裾からほんの少しだけ覗かせている腐川が恐る恐るといった様子で話しかけた。
結局、あの後もジェノサイダーに散々と絞り取られ、十神は精根枯れ果てる直前にようやくジェノサイダーと入れ代わった腐川に解放された結果、今に至る。
彼はムスッとした不機嫌そうな表情を浮かべたまま、沈黙を貫き通しており、声を掛けられているにも関わらず腐川の方へと振り向こうとする素振りすらしない。

「そ、その……あの……や、やっぱり怒ってらっしゃいます、よね?」

「…………」

決まりが悪そうにぶつぶつと呟いている腐川を無視し、十神はジャケットを着込みながらクロスタイを絞め、いつもの服装に戻ると、部屋に備え付けられている机の傍らに置いてある椅子へ腰を下ろした。
そして足を組みつつ顎をついと上に上げて、ようやく腐川の方へと見下すように視線を向け、尊大な態度で口を開く。

「貴様はいつまで俺の部屋に陣取るつもりだ?」

「……え?」

「下賎な愚民である貴様がいつまでも俺の部屋に居座っているんじゃないと言っているんだ。
さっさと視界から失せろ」

「あ、う……はい。ご、ごめんなさい……」

あんな事があったと言うのにいつも通りに冷たい台詞を突き付けられ、腐川は若干、傷ついたような、ほっとしたような微妙な表情を浮かべた顔を俯けながらベッドから立ち上がり、部屋の出口へとふらふらと歩く。

「おい、待て」

「は、はひ!」

背後から急に浴びせられた制止の声に足を止めると、彼女の肩にふんわりと暖かい感触が降り懸かる。
振り向くと立ち上がった十神が後ろから腐川の肩へ今の今まで着ていたジャケットを肩へ羽織らせていた。

「え、は!? こ、ここここれは?」

「ふん……勘違いするなよ。夜時間と言えども貴様が俺の部屋からそんな薄着で出てくる所を誰かに見られて不愉快な勘繰りをされるのが気に入らないだけだ」

そもそも深夜に十神のジャケットを羽織った腐川が彼の部屋から出てくること自体、目撃されたら弁明のしようもないのだが、彼はそこまで深くは考えていないようである。

「あ、いや……そ、そのぅ」

「何度も同じ事を言わせるな、失せろ。命令が聞けないのか?」

「い、いえ! あの、し、しし失礼します!」

赤面した腐川はバタバタと急いで扉を開け、脱兎の勢いで廊下へと飛び出していった。
一瞬で消えた彼女の後ろ姿へ言葉にできない何かを感じ取りながら、十神は開け放たれたままの扉を閉めた。
この胸に溢れる甘いわだかまりは何かの錯覚だと思い込もうと自己暗示をかけながら。

「はぁっ! ……はぁっ……!」

腐川は急いで自分の部屋に戻り、鍵を掛けることさえ忘れて自らのベッドに飛び込んだ。

「~ッ! ッ! うぅ~!」

枕に顔を押し付け、ばたばたと足を上下に上げ下げしながら小さく呻く。

「しし、しちゃった……びびび、白夜様と……!」

今、思い出しても体が熱くなる。
半ば無理矢理に自らの純潔を捧げ、自分の体の下で甘くて切ない声を上げながら熱い接吻を交わした十神白夜。
彼女が再び目が覚ました時にはジェノサイダーに蹂躙されていたのに一言も彼女を責めはしなかった十神白夜。
去り際にほんの少しの優しさを見せてくれた、十神白夜。

「……うひ! うひひひ!」

彼から直接体に掛けてもらったジャケットを胸に掻き抱きながら鼻を押し付けて肺一杯に彼の香りを吸い込みつつ、触れ合った唇や肌の感触を反芻し、決して広い訳ではないベッドの上を気味の悪い笑い声を上げながらごろごろと転げ回る。
だらし無い笑顔を浮かべ、口の端から今にも涎を垂らしそうな表情はどこと無く狂気に満ちており、ジェノサイダーのそれに通じる所があった。

「はぁ……はぁ……」

数分の間転げ回ると、彼女の興奮もようやく落ち着いたようで、むくりと身を起こし、十神の体臭が染み付いた貴重なジャケットを汚すまいと丁寧にハンガーへ掛けようとした。

「はっ……!」

その時、ジャケットを脱いだ瞬間、彼女は自らの体から立ち上る異臭に気づいた。
そう言えば最後にシャワーを浴びたのはいつの事だったろうか?
行為の後のせいであるのかもしれないが、つんと鼻を突く汗の香りは腐川の腋や首筋から確かに彼女の鼻へと届く。

「も、もも、もしかして……?」

もしかしたら、自分は汗くさい体で憧れの十神と交わってしまったのだろうか?
そんな可能性を思い付いた彼女は羞恥と恐怖で顔色をさっと赤と青が混じり合った紫色にしながら、ばたばたとシャワールームに飛び込み、鍵を閉めてから、体中に暖かい湯を浴びながら、固く心に誓う。
これからは毎日シャワーを浴びるようにしよう、と。
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