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「あら…遅いお目覚めだこと」
 舞園を見る時とは違い、愛しさのうちにも苛立ちを含んだ目で、セレスは朝日奈を見る。
 言うことを聞かないペットをたしなめるような目つき。


「あ…私…」
 ややあって、朝日奈は自分の現状を思い出し、そして舞園と目を合わせ、途端に顔を真っ青にした。
「あなたがなかなか起きないから、仕方なく私が舞園さんの相手をしていたのですよ」
 セレスは舞園から手を離し、ベッドを下り、朝日奈の方へと歩み寄る。


 朝日奈は上体を起こそうとして、
「んっ…」
 どうやら下半身に力が入らないようで、腕で状態を支えたまま、床で突っ伏した。


 今更という感じだが、片手で自分の胸を隠し、もう片手で自分の体を支え…ようとして、力が入らずに四苦八苦。
 見かねたセレスが、朝日奈の腕をつかみ、その場で立たせた。



――助かった…


 咄嗟に、舞園は思った。
 偶然とはいえ、朝日奈が目覚めてくれたことで、セレスの興味が自分から外れた。


 そう、愚かにも、舞園は安心してしまった。
 その一瞬の気の緩みが、



「ほら…ここからはあなたが舞園さんを責める番ですわ」



 より深い反動となって、彼女を絶望へ突き落すことになる。


「「え…」」


 朝日奈は胸の前で手を組み、青い顔のまま舞園を見る。
「む、無理だよ…私、出来ないよ」


 セレスは目を細くして、朝日奈をベッドに突き飛ばした。
「あぅっ!?」
「ペットが飼い主に逆らうな、と言いましたわよね。あなたはただ、ワンワン吠えて、私が言うとおりにすればいいのです」
「そ、そんな…だって…」
「…まだ、イき足りないようですわね」


 ビクッ、と、朝日奈が震える。
 すでに心が折られている。舞園は把握した。朝日奈はもう、セレスには逆らえない。


「わ、わんっ…」
「…分かればいいのですわ。そうそう、くれぐれも舞園さんは丁重に扱うこと。あなたと違って繊細なのですから」
「…わん」


 セレスは満足そうにうなずくと、例の道具群に手を伸ばした。
「さて、次はどれを…」
 舞園は唾を呑みこんだ。
 高鳴る鼓動に耳を閉ざし、絶対期待なんかしていないと、自分に言い聞かせながら。



 セレスが道具を漁る間、朝日奈は居心地悪そうに、ベッドの上でもぞもぞとしていた。
 時折舞園に視線を向けては、目が合うと気まずそうにそらす。
「?」
「…」
 おそらく、何かを言いたいのだろうが、セレスの手前で喋ってしまえば、また絶頂させられるのだろう。



 それでも朝日奈が、意を決して口を開こうとしたその瞬間に、
「はい、朝日奈さん」
 セレスが振り向いて、途端に彼女は口をつぐんでしまった。



 手渡されたのは、大きな注射器の尖端に、ゴムのチューブがついたようなもの。
「ふぇ…?」
「使い方は、以前教えたとおりですわ」
「…っ、…わん」
 異議を唱えようとして、やはり朝日奈は口をつぐんだ。



「あ、あの…」
 代わりに尋ねたのは、舞園。
「それ…浣腸器ですよね…何に使うんですか…?」
 尋ねた声はか細く、細い方は頼りなく震え、目には怯えの色が浮かんでいる。


 何に使うか、そんなの尋ねる必要はなかった。認めたくないだけなのだ。



「ねえ…『お尻で感じちゃうアイドル』なんて…そそるフレーズじゃありませんか?」



 セレスがにこやかにそう言った途端に、どこかに潜んでいた恐怖心が、どっと噴き出してきた。
「やっ、やだっ!嫌ぁっ!」
 拘束されていたことも忘れ、パニック状態で舞園が暴れ出す。


「大丈夫、ちゃんと気持ちよくして差し上げますから、安心してくださいな。
 私じゃ舞園さんをバスルームまで運べませんから、朝日奈さんが起きるのを待っていたのですけど。
 『アイドルはう○ちをしない』って都市伝説…ねえ、舞園さん…本当なのでしょうか?」


 セレスは笑っている。笑っているということはつまり、本気ということだ。
 舞園は真に恐怖した。背骨が震えていると錯覚するほど。
 少しでも期待してしまった自分が、本当に恨めしい。


「嫌ぁあっ!たっ、助け…ふぁああっ!!」
 再びセレスがローターの電源を入れ、舞園の助けを求める声もかき消されてしまう。


「んっ…しょ」
 朝日奈に軽々と抱えあげられ、宙に浮いた状態で、太ももを掴まれている。
 放尿を強制されているような、不安定な体勢が羞恥心を煽る。
 背中に柔らかな朝日奈の乳房を感じて、舞園は更に顔を赤くした。


「ひぁっ…」
 相変わらずローターで敏感な乳房を刺激され、地に足が付かない不安定さも相まって、


「あっ、あ、あぁああぁっ…」
 再び舞園は、簡単に絶頂を迎える。
「あっ…やっ!あぁあぁ…」
 辺りに潮を撒き散らし、大きく背をそらせた。


「ま、舞園…ちゃん?」
 朝日奈が抱えたまま、心配そうに尋ねる。
「あら…期待しすぎて、先にイっちゃいました?」
 セレスがからかうように、ニヤニヤと舞園の顔を覗き込む。羞恥に耐えきれず、舞園は目を潤ませてセレスを睨んだ。


「そんな可愛らしい顔で睨まれても、怖くありませんわよ」
 本当に子供をあやす姉のような仕種で、セレスが舞園の頭を撫でる。
 悔しさと羞恥心に身を委ね、舞園は唇を噛んだ。




 バスルームの中には簡易便器が用意され、舞園はその便座の上に下ろされた。
 セレスは汚れ役は嫌なのか、「終わったら呼んでください」と言って、ベッドに戻ってしまった。


 朝日奈はローターの電源を切ると、居心地悪そうに扉に背を向けてしまった。
 浣腸器を握り締めたまま、不安そうに視線を泳がせている。
 やはり彼女としても、浣腸などしたくはないのだろう、なんて考えていると、


「…怒って、るよね」
 おもむろに朝日奈が口を開いた。
「へ?」
 何のことかわからずに、聞き返してしまう。
 その舞園の問い返しを、何と勘違いしたのか、可哀そうなほどに肩を震わせた。
 怯えたように後ろを向き、話しながらいそいそと浣腸器の準備を進めていく。


「ゴメンなさい…でも…」
「あっ…ちょっと…!」
 何のことかを尋ねる前に、朝日奈が舞園に覆いかぶさった。
「やらなきゃ、私がやられるんだ…だから!」



「いっ、あ゛…!」
 注射器にとりつけられた細い管が、肛門を押し分けて入ってくる。
 舞園は、声にならない声をあげた。感じたことのない苦しさや嫌悪感が、背筋を駆け上がった。
 鋭い痛みと、異物感。


「いくよ…!」
「いやっ、嫌ですっ…!朝日奈さん、待って、ダメっ!!」
 問答無用に、注射器の取っ手が押し込まれた。
「うぁ…!は、入ってくる……やっ…あ、ぅあ、っく…いやぁああぁあっ…」


「うっ…ぐ…!」
 余りの異物感に、吐き気さえ催す。
 内臓が痙攣しているような錯覚さえ覚える。
「いやっ…ひやぁああ…気持ち、悪いぃ…」
 舞園はその苦痛から逃れるように体を捩った。
 しかし動くたびに、注射器の管が存在を主張し、より強い苦痛を訴えてくる。


 朝日奈は注射器を管から外して、追加の液体を込める。
 まるで自分がされているかのような、そんな苦悶の表情を、朝日奈は浮かべていた。
 だが、舞園にはそれを確認する余裕すらもない。


「ふぅう、うぅううぅ……」
「ゴメン、ゴメンね…」
「ま、まだ…っ、入れるん、ですか?」


 朝日奈も、舞園も、涙目のまま声と肩を震わせ、互いが互いに怯えていた。


 朝日奈は肯定の代わりに、たっぷりと液体を補給し終えた注射器を、管に取り付ける。
 追いつめられた顔のまま、朝日奈は舞園の肛門に注ぎ続ける。


「いやっ…いやぁあはぁああぁう…ダメ、だめっ…もう入らないっ、ですっ…くぁああぁあっ!!」


 下腹が少し膨れたのがわかる。管から発射される液が、腸壁を刺激する。
 どんどん注がれているのに、気を緩めれば全て出してしまいそうだ。
 舞園は必死に足先に力を込め、苦痛と排泄欲に耐える。


 キュルルルルル


 可愛い音を立てて、腹が異常を訴えている。


「はっ、はぅ、はっ…」
 苦しさの余り、肩で息をしてしまう。
「力抜いてね…お尻の穴、無理に力をかけると切れちゃうみたいだから…」
「力を抜いたら…っ、ぐ…出ちゃいますっ…」


 それを聞いて、朝日奈は舞園の肛門から管を抜くと、朝日奈は舞園の膨らんだ腹部を、力強くさすった。


「やめっ…!…だ、ダメ、朝日奈さんっ…出ちゃう…!」
「いいよ、出して…もう入れてから時間経ってるから」
「なっ…!?」



 舞園は驚愕の眼差しで、朝日奈を凝視した。
 言葉が出ない。顔から血の気が引いていく。嫌な汗が額に浮かぶ。
「何…言ってるんですか、朝日奈さん…」
 常識的に考えて、人が見ている前で、排泄なんかできるわけがない。
「わ、私…これでも、アイドルなんです!そんな、人の見ている前で、出すなんて…」


「舞園ちゃん…ここじゃもう、アイドルとか、関係ないんだよ。私たちはただ、女であるだけ。
 ただ、女に生まれたことを後悔しながら、セレスちゃんのオモチャにされていくんだ…」


 舞園に諭すように、自分に言い聞かせるように、朝日奈は言った。
 朝日奈の言葉を、舞園は理解できないでいた。
 舞園は、自分たちはまだ平穏な日常に戻れると、信じていたから。


「うぶっ!!」
 そして、そんな儚い希望を押しつぶすかのように、朝日奈が体重を乗せて腹を押すと、
「ぐっ…うぁあ、ダメ…見ないでっ…!!」
 滑稽な空気音とともに、液体が飛び散った。


 いやだ。
 こんな屈辱、耐えられない。恥ずかしすぎて、死んでしまいたい。
 人前で、こんな…


「やだっ…朝日奈、さん゛っ!う、…ふぐっ!!…あ、…ダメぇ…」


 何度も、何度も、舞園の腹を朝日奈が荒々しく押しつける。
 余程必死なのか、手加減すらなく、殴打のように腹に鈍痛が走る。
 しかし、痛みなど、舞園には些末な問題。
 朝日奈が腹を押すたびに、我慢しているのに、肛門から飛沫が飛び散る。


 そのうち朝日奈が押さずとも、緩まった肛門から、尿のように液体が押し出されてくる。
 肛門を水が通り抜けていく。気持ち悪いはずなのに、肛門を刺激されるのが心地いい。
 もう、いやだ。こんな羞恥、耐えられない。死んだ方がましだ。


 目から、大粒の涙がこぼれおちる。
 舞園が、声をあげて泣き出した。
「ふぇっ…うぇえぇええぇっ…っ、うぁあああぁあぁぁ…」
 乳首を弄ばれて絶頂した時のような、すすり泣きではない。
 本物の、号泣。
 けれど泣いても、排泄は止まらず、彼女の肛門を刺激し続ける。




 貫くような罪悪感に駆られたのは、朝日奈。
 押さえつけていた、考えないようにしていた自責の念が、一度にあふれ出してくる。


 テレビ画面の向こう側にいた、笑顔の眩しい、汚れを知らないような、あの憧れのアイドル。
 それを裸に剥いて縛り上げ、浣腸器を指し込み、嫌がっているのに排泄を強要し、そして泣かせてしまった。


 たちが悪いのは、罪悪感に責め立てられつつも、
 この現状に興奮している自分が、ここにいるということ。


『泣いても、乳首をいじめてあげれば、すぐに彼女は泣きやみますわ』
 ベッドに戻る前の、セレスの言葉を思い出し、朝日奈はローターの電源に手を伸ばした。



「ふぇえぇえ……っ!?あっ、う…ふひゃあぁ!!」
 涙でゆがんでいた舞園の瞳が、一気に見開く。
「あ、さひな、さ…何を…」
 ふるふると、顔が震えている。見開かれた目は朝日奈を捉え、懇願するような色を浮かべている。


 ぞくり、と、背徳感を刺激される。


「大丈夫だよ、舞園ちゃん…乳首の気持ちいいのに、集中してて…」
「んっ…あぁ、はぅ…」


 舞園の様子はまさに、セレスの言葉通り、といったところ。
 まだ涙の跡を光らせてはいるものの、その頬にはもう赤みが差している。


「乳首、そんなに気持ちいの…?この器械のせい?それとも…舞園ちゃんが、特別敏感なの…?」
「やだっ、やだぁあ…変な事、言わな…っん、あぁああ…!」


「でも、こうやって耳元で恥ずかしいこと言われるの、ホントは気持ちいいでしょ…?
 自分のエッチなところを容赦なく責められるの、ホントは大好きでしょ…?
 わかるんだよ?そういうの…私も、同じなんだから…」



 今度は、朝日奈が舞園の痴態に当てられる番だった。


 裸のまま縛られて泣きじゃくる舞園は、とても可愛らしくて、とても官能的。
 小動物のような愛おしさがあるのに、これ以上ないくらいにエロい。
 守ってあげたくなるのと同時に、もっといじめてやりたくなる。


 胸の刺激に耐えきれないのか、大きく背をそらしているけれど、それで胸が突き出されて、
 結局もっと刺激を与えられ、跳ねるように体を震わせて、背を丸め…という一連の仕種を、舞園は繰り返している。


「もっかい、入れるからね」
 そう言って浣腸を準備する朝日奈を、舞園は蕩けた目で見ている。
「や、やめ…ふぁ…」
 言葉だけでも抵抗しようと声を上げるも、意識は半分向こう側にイってしまっているらしい。


 心なしか、浣腸を準備する自分の手つきが、焦って見える。
 もっと彼女をいじめてやりたい。もっと彼女を堕としてやりたい。



 管に注射器を取り付け、舞園の肛門へと差し込む。
 一度経験したからか、それとも快感で緩んでいるのか、彼女の肛門はさっきよりも簡単に、奥までそれを加えこんだ。


「まだ、痛い?」
 朝日奈が尋ねる。
「ふえ…よ、く、わかんない…です…っく、んぅ…」
 蕩けたままの目で、舞園が答える。


 乳首に意識を集中させたのは、正解だったかもしれない。
 同じ要領で、何度も彼女の中に、ぬるま湯が流し込まれて行く。



「やだ、やだっ…ふあぁああ、乳首、ダメぇ…!」
 管を抜くと、だいぶ抵抗なく、ほぼ透明なお湯が押し出され、流れ出てくる。
 舞園も嫌がってはいるものの、乳首をこねくり回されて力が入らないようだった。



 何度も、何度も。
 自分の肛門にぬるま湯が注がれ、そして排泄を繰り返すうちに、
 その排泄に、明らかに性的な心地よさを覚えてしまっていることに、舞園はまだ気が付けずにいた。


「そろそろ綺麗になりましたか?」
 どれくらいの時間が経ったのか、下着姿のセレスがしびれを切らしたように顔を出す。
 舞園は文字通り、『出来あがって』いた。


「はぁ…はぁう…」
 パシャパシャと音を立てて水流がアナルを舐めあげ、そのたびに背筋を得も言われぬ感覚が走り抜ける。
 たった今、直接内側を泡立てたボディソープで洗われたところだった。


 朝日奈がシャワーのノズルを伸ばし、舞園の肛門に当てがっている。
 もう力は入らず、時々肛門が物欲しげに開いてはヒクつく。
 水流がもたらす、苦しみにも似たむず痒い刺激に、彼女は息を荒げていた。
「良い具合ですね、舞園さん」


 セレスが舞園の頬を掴み、顔を自分に向けさせる。
 力が入らず、睨み返すことさえできない。蕩けきった目で、舞園はセレスを見上げた。


「痛みや苦しみが消えて、別の感覚が肛門から伝わってくるでしょう?
 お尻の穴だって、ちゃんと開発してあげれば、立派な性感帯になるのです」




 朝日奈に舞園を運ばせ、ベッドの上に横たえさせる。
 舞園の身体は、とっくに弱りきっていた。
 数分、いや数十分、肛門への刺激を耐え続け、我慢も限界に達している。


 そして、結局一度も、まともに股間を弄ってもらえていない。
 女としての欲が、絶頂へのフラストレーションが、徐々に肛門から感じる刺激を、性感と認識し始める。



 さっきとは逆に、舞園はベッドの上にうつ伏せにされていた。
 顔は枕に押し付けたまま、膝を曲げて尻を突き出すような格好を強要されている。


 今度は、何をされるのだろう。
 抵抗など頭になく、訪れるだろう未知の刺激を、顔を枕にうずめて待つ。
 中々触れられず、セレスが朝日奈に何か命じているのも、自分を焦らすためではないかと思ってしまう。



「緊張していますか?」
 セレスが身を乗り出し、ベッドの上の舞園に、自分の体を添える。
「あ…」
 密着する、肌と肌。
 セレスの肌から香る、香水に混じった、雌の匂い。
 とても、いやらしく感じてしまう。
「大丈夫、力を抜いていれば、痛くはありませんから」


 唐突に、冷たいローションが肛門に垂らされる。
「ふぁっ!?」
 急な感覚に戸惑い、思わず尻を締めてしまう。
「ほら、力を抜いて…」


 朝日奈に続いて、舞園もまたセレスに屈服しつつあった。
 朝日奈のように心を折られたのではなく、純粋に女としての快感を期待させられて。


 ほんの数時間前まで、舞園はアイドルである自分に、少なからず矜持を持っていたのに、
 今ではその肩書は、『アイドルなのに』と、自分を辱めるための材料でしかなくなっていた。


 力を抜いて、なんて言われても、そんな簡単に脱力なんてできるわけじゃない。
 まだ感じたことのない、知識でしか巡り合ったことのない、アナルでの快楽に期待してしまう。


「うふふ…お尻の穴、弄って欲しそうにヒクつかせちゃって…もう我慢できないのでしょう?」
 枕にうずめた顔の耳元で、セレスが囁いた。
 表情を見られたくなくて、もっと力強く枕に顔を押しつける。


「言っておきますが、弄るのは、基本的に朝日奈さんですわ…」
「わん…」


 なんでもいい。
 とにかく早く弄って欲しい。
 気を抜けばそんな、アイドルにあるまじき言葉を口走ってしまいそうで、枕に顔を押し付ける。
 それでも体は、彼女の意思とは無関係に、腰をつきあげて誘惑するように振るのだった。


「うぅ…」
 朝日奈の指が尻を掴み、その溝をなぞる感覚に、うめき声を上げる。
 彼女はいささか力が強く、触り方もどこか乱暴に感じる。
 けれど今の舞園には、それは十分すぎる刺激。


 アナルの周りにローションをすりこむように、指の腹が円を描く。
「ふっ…う、んっ…」
 枕に顔を押し付けているから、何とか声を我慢できた。
 あまりにじれったくて、拘束さえなければきっと、今頃自分で自分を慰めているだろう。
「そう、もっと丁寧に…まずは周りのお肉を、ほぐしてあげてください」
「…わん」
 こすったり、引っ張ったり、振動を与えたり。朝日奈の指が、単調ながらも変化を与えて刺激する。
「…ん……ふっ…ぅ…っ!!」


「あ…」
「どうしました?…ああ、人間の言葉で答えてよろしいですよ」
「お尻の穴…膨らんできた」
 言われて、ビクッと舞園が震える。
 顔から火が出る思いだ。


「あらあら…ふふ、顔が真っ赤ですわよ、舞園さん」
 恥ずかしくて、思いっきり枕に顔を押し付けるのに、腰は刺激を求めて勝手に高く上る。


「もうそろそろ、指を入れてあげてもいいですわ」
「わん」


 ぬるり、と、唐突に、何の抵抗もなく、舞園のアナルが朝日奈の指を咥えこんだ。



「あっ、ぐ…!!!」


 余りの感覚に、顔をあげてしまう。
 異物感。肛門がそれを排除しようと、力強く締まる。


 朝日奈の指は、途中で躊躇いがちに止まったが、
「ほら、奥まで入れてあげなさい」
「っ、わん…」
 セレスの言葉に逆らえず、指の根元まで舞園のアナルに突き刺していく。
「ふっ、う、ぅうう…」
「ゆっくり呼吸して…力を抜いてください」
 そんなこと言われても、と舞園は当惑した。
 天性の脱力の才能があった朝日奈とは違い、緊張した舞園の身体からは、そんな簡単に力を抜けはしない。
 痛いくらいに、朝日奈の指を締め付けている。


「はっ、はっ……痛い、苦しい、です…っ、抜いて、ください…」
 舞園が苦しそうに訴える顔を、セレスは楽しげに覗きこんでいる。
「…だ、そうですよ、朝日奈さん。ゆっくり、優しく、抜いてあげてください」
「わんっ…」


 ずるり


「――っひ…!?」
 なまめかしい音が、耳に届く。
 実際はそんな音はなかったのだが、あまりの感覚に、舞園の脳がそれを知覚してしまった。
 締め付けられたままの指を、ゆっくりと朝日奈が抜いていく。
 ぬるぬると、内壁が擦れて引きずり出されてしまうような感覚。


「ふっ、うぁっ…!?……やっ、ダメっ!これダメですっ!!」
 舞園は腰を大きく跳ねあげた。
 けれども拘束されてろくに抵抗も出来るはずなく、結局自分で暴れて刺激を増長させてしまう。


「あなたが抜いてとお願いしたんですよ?」
 跳ね上がった舞園の顔を、セレスがしっかりととらえる。
「あっ、あ、あぁああぁあ…!」
「お尻の穴を弄られて蕩けちゃうアイドルの顔…しっかりと見せてください」
「いやっ、あ、言わないで、くださ…んっ、う…!!」


 入れられた時の苦痛とは全く異なる、全身の力を抜きとられるような感覚。
 刺激される排泄欲に、自分から朝日奈の指を締め付けてしまい、ますます感覚が強くなる。
 くぽっ、と、吸盤のはがれるような音がして、朝日奈が舞園の肛門から、指を引き抜く。
「ふぅ、んっ…ふぅ、んっ…ふぅ、んっ…」
「あら、一度指を出し入れしただけで、こんなになっちゃって…これからもっとすごいことをするというのに」


 潤んだ目、真っ赤な頬。
 荒い息、蕩けた顔。
 もう、セレスに顔を見られていることすら、気にならなくなってきた。
 震えながら息を吐く舞園の頭には、もうその一つのことしか浮かばない。
「も、許してくださ…」
「あら、まだまだこれからですわよ?」
「違…ちゃんと、ちゃんと…おまんこ、弄ってください…もう、切なすぎて我慢できないんです…」


 結局一度も、まともに弄ってもらえていない。セレスも、それをわかって放置していた。
 先ほどからずっと、緩んだ蛇口のように愛液が垂れ続け、膝を伝っている。


「…次は、舌で舐めまわしてあげてください」
「わ、わん」


 朝日奈の顔をアナルに押しつけながら、またセレスが舞園の顔を覗き込む。
 この、顔を覗きこまれるという行為が、たまらなく羞恥心を煽ってくる。
 けれど、もう枕にうずめて顔を隠す力もない。


 快楽で蕩けきった自分の顔を、まじまじと覗かれる。
 それだけの行為なのに、ひどくドキドキする。
 まるでセレスの瞳から、催眠でもかけられているかのようだ。


「ふふ…あのアイドルの舞園さんの口から、そんなエッチな言葉を聞けるなんて…」


 すりすりと頬を撫でられる。
 それまでは恥ずかしいだけだったのに、頬を滑るセレスの指が気持ちいい。
 頭が熱い。
 いいのだろうか、こんな。
 自分はアイドルなのに。
 こんな恥ずかしい恰好をさせられて。
 あんな恥ずかしいことを言ってしまって。



「ふっ、うぁっ!?…んっ!」
 アナルに入り込んだ朝日奈の舌が、舞園の思考を寸断する。
 生温かいザラザラとしたそれが与える刺激は、先ほどまでの指とは比べ物にならない。


「私も鬼じゃありません…アナルでイけたら、ちゃんと前の穴も弄ってあげますわ」
「そ、そんな…無理です…ふっ、うぁあ、ん…」
 舞園は泣きじゃくりながら、セレスに訴えかける。


 朝日奈の舌が、器用に入口を舐め濡っている。
 気持ちいいのに、感じてしまうのに、絶頂には辿りつけない。


「もう、頭おかしくなっちゃいます…んっ……ぁ、ダメ、ダメなんです…
 さっきからイきそうなのに、ずっと寸止めされてるみたいで、もう無理です…ふっ、ん…!
 おまんこでイかせてください…お願いします…!」


 ゾクリ、と、セレスが恍惚の表情を見せた。
 舞園のその懇願だけで、あやうくイってしまいそうなほどに興奮させられる。


「ふ、ふふふ…舞園さんの、こんな…苗木君あたりが見たら、一生もののオカズになるのでしょうね」



「…あっ、うぁあっ!!」
 自分の声じゃない。
 獣のようなうめき声が漏れた。


 想像してしまう。彼の顔を。
 全身に緊張が走り、忘れかけていた羞恥心がよみがえってくる。


「ふあっ……舌、押し出されちゃった…」
 朝日奈が、口を離す。
 舞園の顔を覗き込んでいたセレスは、いやらしく笑ってにじり寄る。


「へえ…」


「まさか、あなたも苗木君を…」
「な、なんの話ですか…」
 聞くまでもない。舞園本人も、自身の反応の変わりように驚いていた。
 自分の中にある彼への好意を隠すことは、恥ずかしいことではない。


 しかし、この状況で、この女に知られることは、
 何かとてつもなく致命的な弱みを握られてしまうことのように思えた。


「とぼけても無駄ですわ…体は正直でしたから」
「くっ…」
「…?」
 朝日奈に気が付かれなかったことは、せめてもの救いかもしれない。


「…初めてお尻でちゃんと、感じてしまったのでしょう?苗木君のことを考えて…」
「…」
「それならそうと、早く言ってくれればいいのに…良い夢、見せてあげますわ」



 セレスは例の小箱を漁る。
 おもちゃ箱をひっくり返したように、様々な小道具がベッドの上に広げられた。
 ただ散らばったその道具たちは、おもちゃと呼ぶにはあまりにも生々しい。


 ヘッドホンが取り付けられた、大仰な目隠し。
 男性器を模した、ピンク色のゴムのディルドー。
 1㍍はありそうな、定間隔にゴムのこぶが付いているゴムの紐。


「今度は何を…するつもりなんですか」
 弱弱しく震えた声で、舞園がたずねた。


 答えずにセレスが、ヘッドホンの取り付けられた目隠しをする。
 視覚と聴覚を奪われ、思わず舞園は口を閉じた。


 どんどん、抵抗ができなくなる。
 服を剥がれて体の自由も利かなくなり、目と耳まで塞がれて、忘れていた恐怖心を思い出す。


 快感と恐怖の間で弄ばれ、舞園の心はもう壊れかけていて、
 だからこそセレスの毒が、より深くしみ込んでいく。



『…舞園さん』
「え…?」


 ヘッドホンから届く、その声は。
 聞き違うはずはない、愛しい彼の声だった。


 目隠しのその向こうでは、ただセレスが蝶ネクタイ型の変声器に声を当てているだけ。
 しかしそんなことを、舞園が気づけるはずもない。
 それがヘッドホンを通して、耳元で話しかけられているような錯覚を与えられる。


『今から舞園さんのお尻…本格的にぐちょぐちょにしてあげるからね』
「あっ…」


 違う、これは彼じゃないと必死に自分に言い聞かせても、
 彼女には、耳から流れ込んでくるその声だけが真実だった。


 体は彼の声に反応して、じわじわと愛液を流し続ける。



 何かがアナルに突きいれられ、そこから冷たい液体が流れ込んでくる。
「うっ、ふぁっああぁあっ…!?」
 すぐにローションだと理解する。
 冷たさがゾクゾクと背中を這い上がる。
「な、何を…」
『力抜いて…今からすごいの入れるから』
「っ…ふ、う…」


 苗木の声に当てられて、本当に力が抜けていく。


 耳が気持ちいい。
 耳元で直接、彼に囁かれているような。
 目を開けば、すぐそばに彼がいて、自分のこんなあられもない姿を見られているかのような。
 そんな錯覚に陥らされる。



 ぐ、と、肛門の壁を押し分けて、何かが押し入れられてきた。
「うぁあっ…!」
 異物感を感じ取り、反射的に排泄を行うと直腸が収縮し、
『ホラ、力抜いて』
「んっ…!?」
 苗木の言葉に、身体が従ってしまう。
『ゆっくり深呼吸するよ…吸ってー、吐いてー』
「んっ、ふ、ふぅうう…はぁあぁあ…」
 逆らえない。逆らう気力さえ奪われている。
 苗木誠の声に、逆らえない。


 視覚も聴覚も奪われた彼女にとっては、快楽に似た異物感と、苗木誠の声だけが全て。
 それだけが彼女の世界。逆らうことのできない、催眠の世界。
 それを、セレスはこの短時間で作り出してみせた。


 わざと秘部を弄らなかったのも、彼女のアイドル時代の秘密を暴露したのも、
 乳首だけで絶頂を与えたのも、慣れない肛門での性感を覚えさせたのも、
 全てはこのため。


 もう舞園の意識は、苗木の声――セレスの命令には、逆らえない。
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