アーチュラス・ソーン Arturus Thorne


「敵襲だ!」見張りの叫びは、野営地を無事で済ませるにはあまりにも遅れて届きました。
なぜなら次にアーチュラス・ソーンの耳に届いたのは、四方から鳴り響く蹄が駆ける轟音でした。
彼は自分の両手斧を掴んですぐに立ち上がりましたが、仲間たちの大部分は武器を準備するのにそれよりも多くの時間が必要でした。

騎乗兵たちは野営地へ向かいながら、すれ違いざまにドワーフの見張りたちに網を投げかけました。
ある者は手斧を使ってなんとか網から脱け出しましたが、さらに多くの馬たちが野営地に押し寄せたので、仲間たちは踏み潰されないように避けることで手一杯でした。

電光石火の誉れ高き国王の儀仗兵は、なんとか鉾槍を準備して、野営地の中心でアーチュラスの周りに陣形を整えました。
多くの者が欠けていましたが、彼らの武器は騎兵の突撃を阻止していました。
「雷鳴隊!」アーチュラスが声を張り上げました。
「構え、筒!」ドワーフの主力部隊が武器を装填するための数分間を稼げれば、きっと待ち伏せされた形勢の流れを変えられるに違いありませんでした。

風を切るようなヒュンヒュンという音が、侵掠者たちの新たな戦術を告げました。
乗り手たちはドワーフの隊列の周りをぐるぐると回り、儀仗兵とその長柄の武器に向けて大量のボーラ(分銅式投げ縄)を放ちました。
これほど酷く圧倒されていなければ、そのような戦術などは単にドワーフたちを苛立たせるだけで終わるはずでした。
次の瞬間、儀仗兵は打ち倒され、残りの者たちも鉾槍の穂先を絡め取られて身動きが取れなくなりました。

アーチュラスは自分の不運を罵りました。
この丘を通る近道を使えば旅の日程が半分で済んだのですが、しかしそれは多くの時間をヒッパスが治める領土の傍で過ごすことを意味しました。
彼は軽装で旅を行い、素早く移動することでその危険を埋め合わせられると踏んでいましたが、今やそれは明らかな間違いだと気付きました。
何人たりともヒッパスの前を走ることなどできないのです。

侵掠者の指揮官がアーチュラスに横付けし、前後に馬の位置を合わせながら威嚇するように槍で狙いを定めました。
彼は漆黒の髪をした背の高い男でした。
彼の顔は覆面で隠されていましたが、彼はそれを引き下げ、消えることのない古傷が刻まれた口元をあらわにしました。
「かの狂王は、ドワーフ奴隷の代金を俺たちに支払った。
だがお前たちの財宝は俺たちの戦利品だ。
荷車に何が載っているのか見せてもらおうか、老いぼれのドワーフよ。」

アーチュラスはほとんど望みのない目論見を企てました。
「警告するぞ、人間よ。わしはいにしえのドワーフ神の司祭長なのだ。お前が仲間たちを解放しないなら、明日の朝日は拝めんものと思え。」彼が荷車から防水布を引き剥がすと、彫刻で覆われた高い石柱が現れました。
慎重な動作で、彼は防水布を畳んで地面に置きました。
彼は立ち上がって暗闇に足をもつれさせ、部下の年若い突撃隊の一人にぶつかって、その革帯から小さな皮袋を掠め取りました。

ヒッパスの襲撃隊長は敬虔な人物ではないうえに、ドワーフたちがその有名な金品を持たずに旅していたことで不満を覚えていました。
「神々がお前を気に掛けてくださっていたら、鐙に届きもしないような足をお与えになんぞならなかったろうさ。おい、こいつを鎖で縛り上げろ!」

「警告はしたぞ!」とアーチュラスは叫び、芝居がかった仕草で腕を振り上げました。
彼は小さな皮袋を、彼が調理に使っていた炎の残り火の中に投げ込みました。
暗闇でよく見えませんでした。
やがて中に入っていた黒色火薬が石炭で熱せられ、そして次の瞬間、暗闇は消し飛びました。
閃光に続いて、ものすごい爆音が轟きました。
それは神によるいにしえの魔法などではなく、ドワーフの技術の結晶でした。
ヒッパスの馬は仰天しました。
多くは逃走を始め、最もよく訓練された馬でさえ、落ち着かせるために乗り手が全力を尽くさなくてはなりませんでした。
アーチュラスの仲間たちはこの優位を直ちに活かし、ついに彼らはマスケット銃の準備を整えました。
さらなる轟音と共にマスケット銃から放たれた球が、馬と乗り手たちを直撃しました。
ドワーフたちはヒッパスの拘束具から素早くお互いを解き放ち、そして間もなくヒッパスの待ち伏せは総崩れになりました。

喝采の中で、儀仗兵の隊長がアーチュラスに近づきました。
「引き返しますか、殿?」と彼は問いました。

アーチュラスはかぶりを振りました。
「いいや、それはできん。これはあまりにも重要なものだ。だが野営地は撤収せよ、今夜はこれ以上の休息はならん。」

残りの旅は充分に穏やかなものでした。
しかし目的地に到着する頃には、アーチュラスは個人的な事情がもとで神経質になっていました。
彼らは開放された都市の正門に辿り着きましたが、アーチュラスは一行を制止しました。
彼は振り向き、囁きました。
「わしには入る資格がないのだ。」商人や他の旅人たちが彼らを通り過ぎ、ドワーフの都市へと流れてゆきました。彼は儀仗兵の隊長の方を向き、そして古い友人と向き合いました。
「どうか彼に、わしがここに来たことを伝えてもらえるか?」隊長は厳かに頷き、城へと向かうために都市の中へ入ってゆきました。

間もなくアーチュラスは、長らく何年も見ることがなかった古馴染みの顔と対面しました。
「久しいな、アーチュラス、」と、カンドロス・ファーが言いました。

「カンドロス……。」アーチュラスは、どこから始めたものかと途方に暮れました。
彼はぶっきらぼうに咳払いをしました。
「上手く治めておるようじゃないか。」と、都市を手振りで示しながら言いました。

「用向きはなんだね?」

「うむ、言いにくいことだが、わしはお前さんを誤解しておった。わしは若くて愚かで、権威という重荷に憤慨していた。わしはお前さんに許してもらおうなどとは思っておらん。だがこれだけは受け取ってくれ。」と、彼は荷車の石柱をあらわにしました。

カンドロスはそれに駆け寄り、古代のルーン文字に指を走らせて口をあんぐりと開けました。
「ファー氏族の祖先の歴史ではないか!」彼はそのほとんどを暗記していましたが、改めてその人々の歴史に触れることは、彼の心の隙間を満たしました。
その最後の一節は、彼自身の手によって刻まれるはずでした。
放浪者ルアークの失踪を。
しかし……。

「お前さんが反対せんといいんだが。わしは自分で最近の五十年について加えてみたのだ。ハロウェルの建設、デストリア山の戦い、ゴブリン戦役、グリッドモックと若きカンドロスの誕生……お前さんが人々のために成し遂げてきたことを。」カンドロスはゆっくりと立ち上がり、そして、とうとう、旧友を抱きしめました。
確執は洗い流されました。そしてカザードは、再びひとつとなるでしょう。
その名前の通りに。

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