空からの落し物

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#image(882-08-s.jpg,http://www48.atwiki.jp/gennsousekai?cmd=upload&act=open&pageid=280&file=882-08.jpg) 空からの落し物 これは私の祖父の、そのまた祖父の代から引き継がれている、とある出来事を記録したノートの記録、その断片である―――。 『今日の仕事を終え、海岸沿いに家へ向かっていると、空から何やら大きな音が聞こえてきた。 直後、何かが海に落ちる音がいくつも聞こえてくる。徐々に落ちてくる物、音も大きくなっていく。 夕日の逆光で見づらいが、よく目を凝らして見てみるとそれらは建築物のようで、 辛うじて原型を留めている建築物は、どれもここらのものとは異なる建築様式であった。 一際大きな塊で落ちてきた物は、海に落ちた衝撃で二つに割れた後、海の底に少しずつ沈んでいった。 気付かなかったが、その頃には街の奴らも同じように様子を見に来て、事の一部始終を眺めていた。 皆、怯えていた。誰もがこの世の終わりを予想しただろう。ここには、未だ国と言えるような組織は存在しない。 俺達はもう、こ』(ノートはここから解読不能なほどに劣化していた。) 私がこの過去の断片を父から引き継いだ時、頭の中には二つの疑念が湧いていた。 一つは、父の行動に対する疑念。そんな話聞いたことない、何かの冗談だ、と思った。 そしてもう一つは、死の間際に父がこんなことをする筈がない、という自分自身への疑念。 だから私は確かめに行った。それが本当にあったというなら、きっとその海にあると、そう思ったから。 疑念の正体はきっと、そこにあるのだ。 &tags()

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