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『マイスナーとの対話、そして決裂』
[[マイスナー]]の足止めを[[アインシュナットに任せ>友との惜別]]、
[[ユグドラシル]]首都[[ファンタズム]]に帰還し親衛隊であるラウンズと合流した[[アーサー]]は、
戦力の拡充と並ぶもう一つの目的を果たすために皇帝府『[[エルネセウム]]』の地下宝物庫へと向かった。
もう一つの目的――それはすなわち、皇帝の代理人を騙りユグドラシルの全てを手中に収めた男、
マイスナーの目的を明らかにし、彼の非道とアーサー達の知った真実を公表することで
国内のマイスナーの支持を一気に失墜させるとともに、自らの正当性を知らしめることであった。
仮に空からの脅威を説いても、国民がマイスナーを支持する恐れもあったし、
数々の非道も確たる証拠が無ければ[[モンモラス]]の暴走という形で言い逃れられる可能性も強かった。
そのため、命令書あるいは書簡といったマイスナーの悪行を証明する物が必要だったのである。
王城の警護兵を無力化し、騎士団長[[ヘンリック]]を伴い宝物庫の奥に作られた摂政の私室へと王は向かう。
そこに待ち受けていたのは――
まるで旧友との再会を待っていたかのごとく、寛いだ様子の簒奪者の姿であった。
「何故貴様がここにいる、マイスナー! [[アインシュナット]]は……!?」
「ああ、あいつか? 手強かったが、所詮は我の敵ではない。
もっとも、さすがに生け捕りにするのは骨が折れたが。」
「……では、彼はまだ生きているのか?」
「ああ。最初は反乱軍の頭目としてギロチンにでもかけるつもりだったが、
記憶を読んで色々と面白いことがわかってな。
それで気が変わって、お前達が軍と遊んでいる間にここに来て待っていたのだ。
貴様とゆっくり話をするためにな」
「何を今更!」
「まあ聞け。確かに貴様が言っていた空からの脅威というやつは事実だったようだ。
だが、ここまで来た戦い止めることはできん。
ソレグレイユにも面子はあるだろうから、和議など応じまい。
それに何より、お前の大好きな国民が許さんよ。」
「今のソレグレイユはそうかもしれない。国民もだ。
だが、彼らもやがて気づくはずだ。この戦いが誰の欲望により始まったかを!」
「まだ気づかないのか! 民衆は獣だ! 権力者が餌を与えさえすれば正義も悪もなく尻尾を振る家畜だ!」
「違う、人間の叡智はそんなものではない! 今は無理でも、いつか解りあえる!」
「自らを崇高な存在だと規定するその傲慢が、ジャジメントデイを引き起こしたと何故気づかない!?
民衆は正しい指導者に導かれねば、自らの手で自分達を食い潰すぞ!」
……これで最後だ、アーサー。我に従え。
神輿として担がれるのを是とするならこれまでのいきさつは水に流そう。
無論、アインシュナットの命は助ける」
「……断る。お前は、自分の目的のためなら平気で他人を犠牲にする男だ。
父は言っていた。王とは、国民全てを守る騎士だと。
万人が幸せに明日を迎えるためだけに王が自らの全てを捧げるからこそ、
人々もまた王のために剣を抜き、王のために自らを捧げるのだ!
私利私欲のために国民を戦いに駆り立て、今尚人々を欺く貴様に王の資格は無い、マイスナー!!」
「……それが回答か。ならば、我らは永久に解りあえないようだな……。
もう、貴様の顔を見ることも無かろう。さらばだ、万人の騎士よ」
「待て、マイスナー!……なんだ、この魔力は!?」
「我は反乱軍の鎮圧の指揮をとる。後は任せた、[[バーサーカー>狂犬覚醒]]。
……と言っても、もう言葉は理解できんのだったな。
フフ……ハハハハハ!」
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