淵奈跡地


淵奈跡地

淵奈爆撃はその日、半日を掛けて敢行され続け火災が収まったのは、その更に2日後のことだった。
多くの人命と住む家を失った淵奈の住民達は焦土と化した自分たちの街に戻り始めた。

焼け跡や分断された水路には炭と化した『人だったモノ』が横たわっている。
何処の誰とも分からぬそれらに、ある者は泣き崩れ、ある者は何の感情も抱かず、荒廃した街を目的も無く歩き回る。
街の外部には辛うじて残った家々が乱立し、そこを当面の寝床とする者も少なくない。

『顔に冷たい何かが際限なく当たり、私は目を覚ました。
 最初に目に入ったのは、天井のない寂れた集合住宅の一室。隣には傘を差した少女。
 事情を聞くと、あの場所で気を失っていた私を見つけてここまで連れてきたのだそうだ。
 ここは淵奈の最北端に位置する、今は誰も使っていない廃墟。天井は元々無かったらしい。
 そうだ、あの一家はどうなった? 少年の自転車は? 後で探しに行こう。』
―――反逆者エラミーの回顧録より

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最終更新:2022年08月28日 23:36
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