魂の農民
一騎当千の無双の武者。その実体は、農民達の夢想である。
村を滅ぼされ、妻を奪われた夫達の願望が実体化したもので、
戦地に現れては敵味方の区別なく武器を持つ者を襲い殺していく。
『嵐』と呼ばれる長刀を振り回し、『閃光』と呼ばれる打刀で首を刎ねていく。
この武者が通った後には、亡骸の影のように見えるどす黒い血が残され、
それが戦地一帯に及ぶまでは誰にも止めることができない。
殺戮を終えると、日が落ちるようにどこかに吸い込まれて消えていくことから『黒い日暮れ』とも呼ばれている。
最終更新:2022年08月30日 22:19