卵攫い
魔人の殺戮以降、政府は今まで触れることのなかった
魔物へと関心を向けるようになり、
研究のため幾度も魔物の捕獲部隊を派遣した。
だが、既に成体となった中型や大型の魔物の捕獲は容易ではなく、出兵には毎回2割を超す被害を出した。
そこで彼らは成体ではなく、成体の産み落とした卵を捕獲することとした。
その仕事を引き受けるのが、《卵攫いギルド》のメンバー達である。
国の援助と高い報奨金から街のゴロツキが挙ってギルドに参加しては、大型の卵を狙い深い森の奥へと姿を消していく。
しかし、これはたとえ標的の卵を入手しても帰って来れぬ者が大半という、
常に危険が付き纏う仕事であると、真っ当な市民たちからは恐れられている。
それでも、ミッション達成時の平民の平均年収を超す程の高い報奨金に釣られ、ギルドへの入団希望者が絶えることはない。
最終更新:2022年08月31日 18:30