二つの文明の出会い

《二つの文明の出会い》


教会そのものを宙に上げることで難を逃れた悪魔祓い達。
だが、様々な対空術式から狙われる可能性を考え、彼らはより高く、より遠くへと飛ぼうとした。
そうして、雲を突き抜け逃避行を続ける彼らは、そこでありえない存在と出会う。
そして、この出会いこそが第二次文明戦争に大きな波乱を巻き起こすことを彼らはまだ知らない。

『どうだ?ユグドラシルの追撃は来てないだろうな』
『……あのー、なんかすごいものが雲の向こうにあるんですが』
『すごいもの? まさか敵か!?』
『いや、あれは……なんて言ったらいいんでしょうか。とにかく、すごいもんです』
―――教会の見張りを努めていた、C級悪魔祓いとその上司の会話


《二つの文明の出会い ~別視点にて~》

ウラノス群を天空(そら)に昇らせて180年余り。
未だ天上の人類は、同胞と悪魔魔物以外に天空で遭遇していない。

新生土地誕生に立ち会った者は既にこの世には居らず、当時の事は子孫達の間では神話として語り継がれていた。
雲の上に昇ったウラノスの住人たちにとって、地上の存在などそれこそオトギ話のようなものとして扱われ、
今までその存在が知られることはなかった。

そして、天空での悠々とした生活を送っていた最中、彼らはありえない存在に出会うこととなった。

『正体不明の大型物体を捕捉! 第弐戦闘配備、急げっ!』
『何があるんだ? 悪魔なのか!?』
『いえ、悪魔の反応はありません。ですがこれは……建造物?』
『ならば同胞なのか? はやくモニターを出せ!』
―――警備塔指令室での司令官と索敵員の会話

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最終更新:2022年08月31日 18:26