【下校時刻】
久平領のとある山村の学校。
人口数百人の小さな村で大した施設もなく、村の子持ちの親は挙って隣町の学校に子供を通わせている。
この村で勉学に励む学生も15歳までで20名足らず、教師も1人しかいない為手が回らない。
都心から転校してきた彼にとっては、周りの年の近い学生に勉強を教えるここのゆったりとした空気は、さぞ良いものだろう。
『転校から早一週間。最初はどうなる事かと思ったが、学級委員が気さくな奴ですぐ打ち解けられた。
転校初日に誘われた部活にも大分慣れた。
今日も部活仲間のあの子と帰った。家が近いこともあり登下校はいつも一緒。
本当に毎日が楽しい。長年書くことのなかった日記も、この分だと埋まりそうだな。』
―――少年の日記より
最終更新:2012年10月01日 16:12