《溶岩ねじりのヘリオン&断つ者ハクラビ/Lavatwine hellion & Hakrabi,The slasher》
era3
悪魔の体を流用し、兵器として利用することを目的とした
D2計画であったが、
その実験の中では多数の失敗作も生み出されていた。
その一つが、黒く細長い巨体と兵器に移行する際に萎縮してしまった手足を持つこの悪魔である。
魔法素源の摘出前に暴走、研究所を脱走し、
架欄都市付近に逃げ込んだ後、
地中深くに長く潜り込んでいたため、こう呼ばれている。
捕らえられてから、かなり時間が経っているため、既に『デーモン』という枠組みでなく、
それより一つランクの下の『ヘリオン』にカテゴリーされている。
『溶岩ねじり』の獰猛性は凄まじく、深い傷を追わせても途端に地中に潜行するため、
架欄都市も苦戦を強いられていた。
その時、一人の青年がとある都市から討伐隊の一員として派遣された。
彼の名前は付けられていない、単なる戦闘要員として大量に宿舎で生産されていた人の一人だった。
彼の入った討伐隊もあえなくヘリオンに虐殺され、彼自身もヘリオンの黒い口腔に飲まれようとした。
その時、彼はヘリオンの目を見た。
彼は自分が悪魔と交信できることを直感的に理解し、ヘリオンも彼と交信できるということを本能で理解した。
こうして、彼は溶岩の鎧を身にまとい、ヘリオンの頭部に乗って戦闘を行う兵士となったのだった。
最終更新:2022年08月31日 18:43