《ソレグレイユの実験動物/Solgreiyuu's creature》
ソレグレイユも、
ユグドラシル程ではないが、確かに生命を利用するという事を行なっていた。
――ただし、ユグドラシルのそれよりずっと『工学的な』やり方で、である。
彼らの研究方針は『繁殖できる』『強力な』『生命ベースの』『兵器』である。
結果、機械類と融和性の高い軟体動物の一種が発見されたため、彼らはそれをいじって研究を行うことにした。
空気中に分散している
マナ(魔法素)を吸収、栄養変換サイクルに組み込み、
空中に浮遊できるだけの出力を生み出せる生体兵器が出来上がった。
体内には多くの金属イオンが取り込まれており、極彩色の体色をしている。
体長は横幅2.5メートルほどの巨大な生物である。
彼らはこれに繁殖能力を持たせることに成功。
そのまま実戦(当時も、悪魔の襲来や、ユグドラシルとの極小規模な戦闘など、試験には事欠かなかった)に投入された。
しかし、マナの無い環境では自重を持ち上げることが出来ず、自分たちの意志に従順でないなどの理由から、
やがてソレグレイユの奥地に大量廃棄されることとなった。
era3の後半、この生物は内陸にはびこり、ほかでもないソレグレイユの探査の妨害をする結果になったのは皮肉である。
更に、
エラミーが脱出する際に、この蛸の妨害を受け、
大きな遅れを取ったのはより大きな皮肉と言えるであろう。
『全く。こいつら、肉はまずいし、乗り物としても最悪。
一体この珍妙な蛸の触手のどこがあいつらの性欲を刺激するのかしらね。』
―――反逆者エラミーの回顧録より
最終更新:2022年08月29日 18:54