《カルランセルファス/Kalalncelphous》
スエラ付近に現れるという巨体の怪物種。爬虫類だと推測される。
era1の
大絶滅は人間だけでなく、無論、他の動物達にももたらされた。
行き場を失った生物たちは死に絶えるか、その場でもう一度コロニーを形成するか、新たな天地を求めるしかなかった。
このカルランセルファスと呼ばれる動物は、他の動物達のいないスエラより更に北部の地域に活路を求めた爬虫類の末裔である。
スエラ北部は極となっているために高圧帯が常に上空に存在する。
それ故、晴れの日が一年を通して非常に多く、気温も低いため植生もなく、生物は暮らせない土地であった。
しかし、空気中に散らばる
マナを自ら発見、吸収する能力を獲得したこの生物は、
極一帯を自分たちのテリトリーとすることが可能になった。
マナを利用し、体を支える力を作り出すために、通常では考えられないほどの巨体に成長する他、
自分のテリトリーに入ってくる外敵に対してはそれが死ぬか消えるまで執拗に攻撃する特性も併せ持つ。
異常に発達した四肢、空気中の氷が背骨の凹凸に集積したと思われる背びれのような物体、
空気中のマナを効率良く収集するための極度に長く成長した尾、
それは、スエラと言う土地がいかに厳しいかを物語っている。
このあたりを遍歴する旅人にとって、カルランセルファスとは、逃げなければいけない脅威であるとともに、
倒したとすれば、それは果てしない威厳を示すものでもある。
名前の由来は地元民の呼称で『刻み切り歩き』と言う意味。
『”カルランセルファス”――スエラより極地に行く旅人はこの動物を覚えておくべきだ。
森林を抜けて、茫漠とした銀世界に出た私を待っていたのは、この怪物であった。
巨大な四肢、セールト(細い管を束ねて吹く楽器)のように並んだ鋭利なナイフのような歯、
体表から漏れ出している大量の魔法素。 これと穏便に別れを告げる方法はないかのように見えた。
しかし、機転は急に訪れた。
細長いモリの様な金属の剣と、その柄から長い鎖を伸ばした武器を操る人物が、私を救ってくれた。
彼の安否は知らない。私は彼の忠告に従って逃げてしまったからだ。
今でも、そのことを少し後悔している、と記しておく。』
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探検家ゴッヘルザッホの手記
最終更新:2014年05月06日 23:53