慰霊祭


《慰霊祭/Memorial service》

ユグドラシルの大都市の持ち回りで年に一回行われている大きな祭り。
自分たちの創造物を見せ合う場でもあり、同時に、ユグドラシルの基本理念ともなっている自然との融和を再確認する。
しかしながら、era3の中期になってくると、ソレグレイユの魔法素(≒マナ)利用技術の加速を危険視し、
展覧会というよりも軍事パレードの色合いを濃くしてゆく。

慰霊祭が始まった時期は不明だが、era2の後期頃から
散発的にユグドラシル各地で行われるようになったとみられている。
バラバラに行われていたそれは、ある時期からまとまりを見せ始め、
結果として、このように持ち回りで行われるようになった。

慰霊祭が行われると魔力の絶対量が急激に増大し、その影響で森林内部から凶悪な獣も、
そうでない獣も集まってくるということが取り沙汰され、一時期開催が危ぶまれたこともあったが、
現在ではユグドラシルの近衛兵達が警備に当たることとなっている。

多くの露店が集結することでも有名であり、ユグドラシルの人に対して懐疑的な商人達も挙って店を出すため、
その場所取りの価格だけでもかなりの利益が国に回っている。

画像は慰霊祭を見に旅行に来たユグドラシルの少年少女たちである。
浅黒い肌と、それと対照的な白く脱色された毛が彼らの地域の特徴だ。


『「ねぇ! 見てよあれ! すごいよ! 見てよピリト! 生命機関であんなに巨大なの作れるんだよ!? 
すごいよね! ちょっと?」

僕は全然違う方を見ていた。確かにあれはすごいけれども、それに、あんなものが動くなんてにわかには信じがたいけど、
もっと別のことのほうが僕にとっては重要だった。
ちょうど、エルフとダークエルフのどちらか一方だけにしか会えない時のような気分だった。

「あの女の人、どこから来た人かな?」

目の前を女の人が歩いている。髪の毛は真っ黒で、肌は蒸気をぎゅっと集めて固めたみたいに透明で、真っ白だ。
体は薄くて、痩せているけれど、目はまるでものすごく切れ味のいいナイフで丁寧に彫ったみたいに大きくて、冷たく見えた。
服装はどうみたってソレグレイユの人だ。あんな丈の長いズボンはここに売ってない。
けれど、彼女は手振りを交えながらここの人と話している。
女の人が僕の方を見て、少し笑った。

「――ちょっと用事があってね」

どこか変な訛りがあった、ソレグレイユ人とも違う訛りだ。
まるで、長い間使っていなかった言葉をもう一度覚え直したみたいに響いた。』

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最終更新:2022年08月31日 18:19
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