知られぬ遺物、知られぬ麗美

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知られぬ遺物、知られぬ麗美

何処とも知れぬ場所に、それはあった。
間違いなくそこに彼が在ることは確かで、また彼が幾百年もの間人に触れていないことも確かだ。
何故なら彼女がまだそこに居たからだ。

彼女は彼がここから動けなくなって程無くして生まれた。
それからはお互い特に話すでもなく、ただお互いに見つめ合っている。
それこそ朝から晩まで、一日中。

長い年月を経て彼の体は自然との同化が進み、彼女の美しい花弁からは日毎に輝きが失われていく。

別に言葉を交わしたわけでもない。見つめ合ったわけでもない。しかしこの頃には二人の思いは一つになっていた。
二人の思いは根を通して一本の木で通じあっていたのだ。だがこれからは違うだろう。今度はお互い、触れ合える。

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