暗く、冥く、交わる命
灯せや灯せ。ぽつりぽつり、暗きに。
手を牽きましょう。ゆらりゆらり、迎えに。
今年もまた、この唄が聞こえてくる。
死せる者の魂を、彼岸へと導く唄。
此岸へ戻る者の魂を、縁(えにし)によって招き寄せる唄。
灯す仄明かりは、その道標となるだろう。
さぁ。
今この時より、宴は始まった。
生まれ生まれ生まれ生まれて、生のはじめに暗く。
死に死に死に死んで、死の終わりに冥し。
未だにその意味を知り得ぬ霊(いのち)よ。
今宵限りに交わった、この生と死の境に。
存分に、遊ぶがいい。
最終更新:2022年08月29日 19:03