審判の目撃者


審判の目撃者

ジャッジメントデイの発生した日。
ある科学者の老夫婦は、街の廃ビルの屋上で世界の―少なくとも、自分達の暮らす狭い世界の―終わりを見た。

彼らは知っていた。
母なる惑星に対し恩を仇で返す様な人間という種族は、この世界から消え去るべきであると。

彼らは知っていた。
この日が、この厄災の日が、何時か彼らの『子供達』が目覚める為の、大きな犠牲であると。

故に、彼らは恐れなかった。
我が子の為には、老い先短い自分の命などは取るに足らない些事であると、その日を心穏やかに迎えた。


見よ。今世界は、神の火によって焼き払われたソドムの如くに裁かれた。
愚かしき者共はもがき苦しむだろう。そして救いを求めるだろう。
しかし、もう遅い。お前たちは、己の傲慢によって全てを蹂躙し陵辱し尽くしたのだ。
その罪、己の命、いや、のみならず、嘗て種が築き上げてきた虚栄の全てを捧げずして贖えると思うな。

さぁ、終焉の時だ。


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最終更新:2022年08月30日 22:11
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