Herrscher


第1世代型超重火力特化型戦術戦闘殲滅兵器GF-16T『Herrscher』

ユグドラシルという国家が軍事的に大きく発展を遂げていた事実は、
ソレグレイユ国内を震撼させた。
それに伴い、軍内部ではさらに大規模な、軍事力の技術的強化計画である『ベルカ計画』が立案された。

その目玉となったのが、この強大な火力を以って敵陸上兵力を殲滅する機動兵器である。
開発に当たって軍が要求したのは、何よりも「史上最強の火力」であった。

当時実用化間もない次元弾、大量の誘導弾と多連装砲による飽和攻撃機能などを限界まで装備し、
まさに「兵装の百貨店」といえる機体である。
その代償として運用コストはかつてないほど高く、従来の動力機関では
どう工夫を凝らしても作戦行動の制限が生じ、とてもではないが実用に耐え得る代物ではなかったのだ。

そういった事実から一度はお蔵入りとなり、兵器産業省はより実用的な、第2世代型の開発に着手した。
しかしそれから程なくして、国立魔法素研究所所長ダミアン・アルブレヒトが
魔法素の軍事的な利用法とその原理について述べた『実用的魔法素技術原論』を発表し、
学会・軍を始め多くの組織で大反響を呼んだ。

それは所謂魔法素砲や新型の動力炉、そしてその他の魔法素を利用した技術に関する提言であり、
これによって本機は再びその価値が見直されることとなったのである。
まずメルシュテル・エレクトロニクスを始めとした軍事企業が兵器産業省と共同し、
魔法素を利用した動力炉を試作した。

そして試行錯誤の後に完成したものは本機の試作三号機に搭載され、
オールグル郊外ヴァルケア平原にて試験運用が行われた。
その結果行動範囲は従来の三倍以上にも跳ね上がり、
ようやく本来の運用目的である高火力殲滅を可能とする兵器が実現されたのである。

火力面だけ見れば新型である3、4世代型すら凌駕しており、
ソレグレイユ陸上戦術兵器としては最高クラスの火力を誇っている。
しかし3世代型の多くが火力・機動力・防御力の三拍子揃ったバランスの良いものであるのに対し、
1世代型である本機は機動性に難があり、また運用コストが下がったとはいえ未だ高く、
一度に多数の機体を運用することは難しい。

そして、その機体そのものの第3世代型すら凌ぐ巨大さも、
整備等の関係から大規模な機動的運用を難しくしている要因の一つであり、
また小回りの利かなさとも相まって単純に的が大きいという欠点ともなり得る。
そのため汎用性にはまだ改善の余地があり、現在は主に重点的拠点防衛、
大規模掃討作戦などの大掛かりな作戦にて運用される場合が多い。

第一次文明戦争後、ニイドウ北東部の山岳地帯セノヴィレン盆地にて
悪魔が大量発生した、所謂セノヴィレン動乱において先行量産機が中隊規模で投入され、
Madness Demonなど出現した悪魔の多くを撃滅した。

現在は1.5世代型と称する、2世代型とは異なり火力をある程度維持したまま小型化したシリーズも存在する。
画像は各部駆動系の試験を行う試作三号機で、駆動系のみの試験であるため至って軽装である。


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最終更新:2022年08月29日 18:54
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