ム・パージル


《海洋尖塔、ム・パージル/mu-perzill,oceanic spires》

核戦争による急激な気温の変化は水位の上昇と、消える事の無い霧を生み出した。
大絶滅当時に栄えていて、尚且つ海の近くに位置していた巨大都市の中で、水没してしまったものが《海洋尖塔》と呼ばれるようになっている。
大絶滅以前の記憶を保った重要なものではあるが、汚染、そしてそこにたどり着くまでに超えなければならない濃霧のせいで、探査は進んでいない。

ム・パージルはそのような海洋尖塔のうちの一つだ。
特徴としては通常一本だけ立っている尖塔が、大量に乱立していることだ。黒く塗りつぶされ、内貌は全くつかめない。

過去にも大量の冒険者がム・パージルに訪れたが、何も起こらぬまま帰ってきた。
それは相手の干渉を受けず、また相手にも干渉せずに、ただ文明の復活を待っているようにも見える。
名前の由来は『無口な人』と言う意味の現地語から。


『「見つけた!やったぞジーグ!パージルだ!」私は確かに彼がそう叫ぶのを聞いた。
 辺りは濃い霧に覆われている。現地のガイドで、ここには慣れている筈の彼も興奮を隠せないようだ。
 突然、私の目の前に黒く、細長い棒が輪郭を霧に刻み始めた。一つ、二つ、まさか。
 私は間違いなくパージルに付いたのだ。ミントボーク(波利用式のボート)を急いで進ませ、その黒い棒に近づいた。
 霧が私の体を押しとどめようとする。空には三日月が浮かんでいた。』
―――探検家ゴッヘルザッホの手記より

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最終更新:2022年08月31日 18:19
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