アカネ

2004年12月27日(月) 15時56分-木塚百川

 
 夕暮れの中 靄のけむりだす頃合いに
 街路樹の下 少女が独りすわっている 
 木枯らしは少女の服をはためかせ
 斜光は少女の影を長くのばす

 夕靄は黄昏の扉 木枯らしはその使者
 すべての影は緋色の路を音もなく歩きゆく

 誰もいなくなった街路樹の下
 地に伏せていた木の葉を一枚 
 ひとすじの木枯らしがすくっていった

 そろそろ夕靄は夜霧に変わる


 第一回水組ピッチング賞:詩篇の出品作です。
 ちょっと手を加えましたが、あまり変わりはありません。詩って、言葉の選定にひどく時間がかかりますね。
 

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木塚百川 2004年
最終更新:2014年03月18日 13:44