御伽噺

2005年01月01日(土) 23時17分-藤枝りあん

 昔々の物語。
誰もが息飲む英雄譚。
聞かせてあげようお前達。聞きたくなくとも聞きたまえ。
昔々のお話さ。


神が世界を創造なさり、我ら人こそ栄えたり。
されど平和は続きはせぬ。
互いに争い、滅ぶのみ。

世界に闇があるならば、光もともにあるという。

人はか弱きものなれど、内に力を秘めておる。
闇を照らすは光だと。
誰が言ったか分からぬが、常に正義は煌びやか、輝かぬものがあるものか。
さすれば暗きは悪しきへと。こうなることは自明の理。

とどのつまりは、勝たねば正しくはなれぬというわけで。
信念なぞ、貫こうが挫けようが構うまい。
決めるのは己が心かね。それとも人の意見かね。


昔々の物語。
裏切り者は英雄に。
滅びに殉じた者達は、つまりは妖魔であるわけで。
妖魔が英雄を付け狙う。
人はそれには目を瞑り、ただただ英雄を称えるのみ。
手は貸さぬ。
何故なら彼らは裏切りを、生きる術とした者だ。
やらせておこう、お互いに。
関わらぬこそ、正義なり。

お前が何を知っている?

何も知らぬが幸せよ。
知るも時には害となり、己が心を傷付ける。


昔々の物語。
それはあまりにも遠く。
そこにあったは幻か。
数多の魂は何も語ることは無く。

遺恨。
愛憎。
悲哀。

それは全て夢だろか
証は何処にあるのだろ
捜し求めて見付かるか

それは自分も知らぬのだ。


昔々の物語。
誰もが息飲む英雄譚。
されど語るは光のみ。闇は何処へ消えたのか。
語りはしないよお前達。聞きたかろうが、語らぬよ。

昔々の、お話さ。
そこには何も
ありはせぬ。
何故ってそれは、


ただの御伽噺


 (15点配分)
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( )「好きなタイプの作品なのかどうか」

・特に重点的にチェック(指摘)してもらいたい部分。
( 詩って何ですか? )

・読んで楽しんでもらいたいと考えている部分。
( 苦しんでみたような痕跡 )

・この作品で、いちばん書きたかった「もの/こと」
( 詩的なモノ )


1月1日にアップしたかった・・・ための作品モドキ。
――にしても。

何だこりゃ。

ともかく、水組の皆様に捧げます。要らないだなんて言わずに、どうか。

最終更新:2014年03月18日 13:48