2005年01月17日(月) 00時23分-穂永秋琴
<科目区分>
文系教養科目
<科目名>
文化を読む――世界文学史論
<主担当教官名>
穂永秋琴
<単位数>
2単位
<開講時期>
Ⅴ期 日曜2限
<本授業に関する参照ウェブページ>
http://homepage3.nifty.com/syosei/
<本授業の目的及びねらい>
前年度に続き、現代的な視点から世界文学を考察する。前年度は男性おたくの「萌え」という概念の発祥について論じたが、今回は女性おたく、いわゆる「腐女子」が愛する「ボーイズラブ」の観点から文学史を再構成し、わずかな想像力さえ働かせれば、世界文学史がBLだらけの歴史であることを証明する。
<履修条件あるいは関連する科目等>
履修条件は特にないが、文芸に関心があることが望ましい。
<授業内容>
第一講 『ギルガメシュ叙事詩』
――ギルガメシュ×エンキドゥ 世界で最初の親友
第二講 ホメロス『イリアス』
――アキレウス×パトロクレス 骨壷さえも共にして
第三講 作者不詳『平家物語』
――平知盛×伊賀家長 約束、死出の友連れ
第四講 ダンテ『神曲』
――ダンテ×ウェルギリウス 憧れの先輩と火の中へ
第五講 羅貫中『三国演義』
――劉備×関羽×張飛 義兄弟は寝床も共にする
第六講 シェイクスピア『ヘンリー4世』
――ハル王子×フォルスタッフ バカ若とどうしようもないお付き
第七講 ゲーテ『ファウスト』
――メフィストフェレス×ファウスト博士 貴方の魂が欲しい
第八講 曹雪芹『紅楼夢』
――賈宝玉×秦鐘 少年たちの悲恋
第九講 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
――イワン×アリョーシャ 知と愛の兄弟SM
第十講 陳森『品花宝鑑』
――梅子玉×杜琴言 名女形の恋
第十一講 ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』
――ヘンリー卿×ドリアン・グレイ いざ行かん頽廃の道へ
第十二講 ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
――ホームズ×ワトソン 助手をからかって遊べ
第十三講 ヘミングウェイ『老人と海』
――老人×カジキマグロ 激戦の末の熱き友情
第十四講 グラック『シルトの岸辺』
――アルドー×ファブリツィオ 男だらけの、海沿いの砦で
第十五講 イシグロ『日の名残り』
――ダーリントン卿×スティーブンス 執事萌えとは何か
期末試験
授業で扱わなかった文学作品を一つ選び、そこに含まれるボーイズラブ的要素を論じよ。
<成績評価の方法>
期末試験、レポート
<教科書>
なし
<参考書>
授業で扱う作品は全てそろえること
<注意事項>
本当の男性同性愛者は参加せぬこと(講義のボロが見破られる可能性があるため)
ネタです。以前に金曜会のほうにアップした「オタク的世界文学史論」の続編。
萌えに比べてBLは少なくて困りました。
ここに挙げたもののうち、本格的なBL小説は『品花宝鑑』だけだと思います(未読だけど)。あと『紅楼夢』にはそういう描写がなくもない。
雰囲気だけなら、『ドリアン・グレイ』も。
生きてるうちも、死後もずっと一緒という『イリアス』『平家物語』も怪しいと言えば怪しい。
残りは全部「わずかな想像力」の産物です。