アカくんとアオくん(お題「磁石」「友人」)

2013年06月18日(火) 23:36-ふっしい

あるところに、ふたりのまるいじしゃくがいました。
あかいかおのアカくんとあおいかおのアオくん。
ふたりはとってもなかよしなので、いつもいっしょにいました。
おひさまのした、きょうもたのしくおしゃべりです。
「アオくん、きょうはかけっこをしよう!」
アカくんがげんきよくいいました。
すると、アオくんは、
「うん、いいねぇ」
と、にこにこへんじをしました。
「よしっ。それじゃあゴールはあのきのしたね! よーいどん!」
「あ、アカくんずるい。まってぇ」
さいしょにスタートしたアカくんを、アオくんがまけないようにとおいかけます。
でも、アオくんはアカくんにちっとも近づけません。
そして、アカくんはついにきのしたにたどりつきました。
「やった! かったぞ!」
そして、アカくんがふりむくと、アオくんはようやくゴール。
でも、アオくんはかんかんにおこっていました。
「アカくんさきにいくなんてずるいよ!」
アオくんはそういって、くるりとアカくんにせをむけました。
「アオくん、ごめん」
アカくんはアオくんにあやまったけど、アオくんはいっこうにアカくんのほうをむきません。
それに、アカくんはアオくんがこわくてちかよれませんでした。
すると、こまったアカくんはアオくんにせをむけて、えんえんないてしまいました。
そのとき、だれがアカくんのせなかにもたれかかりました。
「アカくん、おこってごめんね」
それはアオくんでした。
「うん。ぼくも、ずるしちゃってごめんね」
「いいよ。これでなかなおりしよ」
アオくんとアカくんはいっしょにふりかえると、だきしめあいました。
「じゃあ、こんどはいっしょにはしろうか」
アオくんがそういうと、アカくんはおおきなこえで、うん! とこたえました。
そうしてふたりはてをつないで、なかよくはしりだしました。
めでたし、めでたし。

 

最終更新:2014年03月17日 19:36