ついソファの上で不意打ちをするかのように、彼女の唇へバードキスをしてしまったわけだけど――。

「ふふっ、どうしたの急に?」
「いや、その、響子さんに元気付けてもらってばっかりだからさ……。少しでもお返しがしたくなって、つい」
「お返しするって言って本当はあなた自身の欲求も満たしたい、の間違いでしょう?」
「……否定はしません。響子さんはそういうの嫌だったりする?」

すると彼女はふるふると首を横に振ってきた。

「そういう欲張りは嫌いじゃないわ」

そう言って今度は響子さんの方から唇を重ねてくるのだった。

「んっ、んちゅっ、んっ……んんっ」
「んぅ、んむぅ、んぅ……んっ」

僕は柔らかく艶やかな感触を堪能しながら彼女の着ているブラウスのボタンを一つ一つ外してゆく。
響子さんも僕の動きにシンクロするようにワイシャツのボタンに手を掛けて外しにかかる。

「舌、出して……?」
「…………」

息継ぎをするかのように唇を離して、今度はおねだりをしてみる。
すると彼女はコクンと頷いて舌を出してくれた。

「んん……んふ、んむ、んっ、んんむぅ……!」
「ん、んふっ、んっ、ん、んっ、んんんっ」

改めて唇を重ねて舌を触れ合わせたら、とろりとした生温かな唾液に濡れた舌を舐め回す。
舌先でなぞるように舐めたりしながら僕ははだけたブラウスの中に手を伸ばし、ブラジャーの上から響子さんのおっぱいを両手で持ち上げるように揉みだす。
そしてブラジャーを上に上げたら人指し指で乳首と乳輪を愛撫したり、乳首を指で挟んでコロコロ転がすと彼女の息が徐々に荒くなり溜め息が漏れる。

「はぁっ、はふっ、んあっ……ほふのも、さわっれ……?」

舌を突っつきながら響子さんの右手を掴み、僕の股間の方へ導く。
スラックスの上から擦ってもらうとさらにペニスが膨らみ、股間の圧迫感で徐々に苦しくなってくる。

「……ぷぁっ。響子さん、口でして?」
「……いいわよ」

そう言って僕のベルトのバックルを外し、スラックスのジッパーを慣れた手つきで下ろしてくれる。
僕がトランクスの窓から勃起したペニスを取り出すと響子さんもそれに手を伸ばす。
ペニスの根元に指を絡めたらピンク色の舌を差し出しながら亀頭に吸い寄せられるように――。

「くぅ、あっ……!」

ねろり、と先端を舐め上げられて思わず僕の身体は身震いしてしまう。
生温かい感触が勃起したペニスの芯まで染みてくるや否や、瞬く間に快感が脳に刺激される。

じゅるっ、じゅるるっ――。

僕の反応に気を良くしたのか、響子さんは唇で先端を咥えこんで頭を振りながらみるみるうちに根元まで呑み込んでしまう。
響子さんの頭がスライドすると血管の浮かんだペニスの表面がてらてらと彼女の唾液に塗される。

「んんぅ、んっ、ん……」
「うんっ、ああぁっ、それっ、いい……!」

一往復、二往復、三往復と扱かれると僕は天を仰いで声を漏らしてしまう。
快感に身悶えしながら響子さんの頭を優しく撫でる。
再び頭を下ろすと彼女と目が合う。するとうっとりと目を細めながら上気した頬を窄めて吸ってくれた。

「ああっ……! もうダメっ、気持ち良すぎてイッちゃうそうだよ……!」
「んんっ!? ……ぷあっ」

思わず彼女の肩を横から抱くようにしてペニスを開放しフェラチオを中断させてしまう。
響子さんの唇から開放されヒクヒクと動くペニスは僕自身のカウパーも含まれており、濡れて光っていた。
彼女の身体を再びソファの背もたれに寄せてもまだ僕のペニスを握ったままその手を離してはくれなかった。

「ちょっと、誠くん。少し強引じゃない……?」
「ごめん、僕だけ先にイクのも悪い気がしちゃってさ……。今度は僕が舐めていい?」
「……わかったわ」

軽く頬にキスをして攻守交代を促すと響子さんは僕のペニスからやっと手を離してくれた。
彼女の前に回るようにしてソファの下に跪き、太腿に触れたら脚をゆっくりと広げる。
脚を広げたことで下着の股間部分に吸い寄せられるように僕は顔を埋めて、下着の上からクリトリスの辺りを口に含んで吸い出す。

「ふっ、んっ、ん……っ。あ……あっ、あ!」

こうして僕が響子さんの下着を汚しているけど何のお咎めもないということは、きっと先週の休みに僕の家で寝泊りした時に着替えを用意していたんだと推理する。
だから僕はむしゃぶり尽くすように舌を大きく出して顔を上下、左右、さらに円を描くようにして舐め回す。
次にヴァギナの入り口を僕の唾液と彼女の愛液が混ざって染み込んだ下着ごと頬張るようにしてチュウチュウ吸う。

にちゅ、ちゅ、ちゅく、ちゅぶ――。れろっ、れろ、れろっ――。

こうして下着越しに十二分に愛液を溢れさせたら、ビチョビチョになって用を成さなくなった下着を脱がせる。
すると秘唇も陰毛も濡れて光っていたのだった。

「感じ過ぎてこんなに濡れたんだ、嬉しいな……」
「そ、そんな報告、しなくていいから……あぁん!」

彼女の文句を遮るように僕はいきなりヴァギナにむしゃぶりつく。
ヴァギナ全体に顔を埋めるようにして上下に大きく舐める動作を繰り返す。
そして敏感なクリトリスの皮を剥いたら集中的に吸って、舐め擦るように愛撫をする。

「ひゃあっ! あっ、あっ、はぁん! はぁっ、んっ! んっ!」

愛液を十分に溢れさせたかな――と思った僕はヴァギナから口を離して素早くワイシャツとインナーのシャツを脱ぐ。
次にスラックスとパンツを膝まで下ろし、膝立ちのまま響子さんと向かい合う。

「……いいよね?」
「……いいわ」

阿吽の呼吸で僕らは頷き、響子さんの肩に手を添えたらブラウスを脱がせてブラジャーも外す。
響子さんもタイトスカートをめくりあげ脚を広げると、僕はその間に入り込むようにして勃起したペニスを彼女のヴァギナにあてがう。

しゅに、しゅに――ヌルリっ。

焦らすようにペニスでクレバスとクリトリスを軽く擦ってから、僕はいきなり膣内へ挿入した。

「あうっ! い、いきなり……!」
「んんっ! ……ごめんね、びっくりした?」
「す、少しだけ……」

腰を突き出すと、後は吸い込まれるように滑らかにペニスが根元まで納まっていく。
きつい締まりと肉襞の摩擦が僕を優しく包み込んでくれる。
そのまま彼女の腰に腕を回して肌を密着させると、乳房の奥から響子さんの鼓動が感じられる。

トクン、トクン――。

彼女との一体感がとても心地よく、自分の居場所はここなんだっていう実感が湧く。
響子さんも僕の項に腕を回して密着度を高めると、額同士をくっつけてきた。

「……もしかして、動いたらすぐにイキそうなの?」
「ち、違うよ。響子さんとぴったりくっついていたら、僕の居場所ってここなんだなーって思ってさ」
「そう……。ねえ、誠くん。あなたのペースで好きなように動いて……」
「うん、わかった。ふっ、う……んっ」
「んっ、んんっ……!」

囁くような遣り取りをした後のキス。それが合図――。
僕は本能の赴くままにペニスを突き上げ始めた。

「はぁ、はっ、あぁっ! 好きだ……好きだよっ、響子さんっ……!」
「あああっ! わたしもっ……! もっと、もっと、お願い、突いてっ!」

僕は突いた。突き上げた。
渾身の力を込めて響子さんの身体を貫いた。
こうしてココロとカラダを繋ぎ合わせると、全ての不安や懸念が肉欲の果てに溶けていくように思えた――。

「はぁ、はっ、んっ! はっ、あっ! しっかり、掴まってて、ねっ!」
「えっ? ひゃあっ! あっ、あっ、はぁん! あぁっ、んっ! んんっ!」

腰をぶつけるように動いて響子さんの脚を広げたら、両脚を腕で抱え込む。
今度は腕を腰に回して抱き抱えたら駅弁のスタイルが完成した。
僕の腕力なら時間にして1分くらいが限界だろうけど、それで十分だ。
ぐっと引き寄せて思い切り突き上げる。

「はぁっん! あっ、んっ、あっ! はぅぅんっ!」
「ん、あっ! はっ、あ! あっ! き、きもち……いい?」
「ええっ! とっ、とっても……! いっ、いいっ!」

ちょっと限界が見えた僕は身体を180度回転させてソファに腰を下ろす。
そして再び響子さんの腰に腕を回して彼女にも動いてもらうよう促してみる。
上下に動くと、僕の動きに合わせて腰を振ってくれるのだった。

「ああぅ! んっ! ふぅあっ、んんっ! ぼくっ、もうっ、あうぅっ!」
「イクのっ? イキそうなのっ? いいわっ、出してっ、出してっ!」 

僕がソファに身体を沈めるようにして結合を深くし、前後に揺するように動いてラストスパートに入る。



「イクっ! イクイクっ!! あああぁぁーーっ!!」
「んんっ! ああっ……すごい……!」



肉襞の摩擦と熱いほどの温もり、きつい締め付けに包まれながら僕は勢いよく射精する――。
ドクドクという音が聞こえるくらいの噴出を感じ取った響子さんが熱く呻く。
溶けてしまいそうな快感に包まれながら、僕は力を振り絞って上体を密着させる。 

「はぁ、はぁ……。よかった……とっても……」

荒い呼吸を繰り返しながら僕は吐息混じりに囁いた。
すると響子さんは無言で僕の頭を抱き締め、優しく頭を撫でてくれるのだった。


―――――


「ごめん、ティッシュに手を伸ばせる……? ん、ありがとう」

さっきの駅弁スタイルで思った以上に体力を使ってしまった僕はローテーブルにあるボックスティッシュを彼女から受け取った。

「……響子さんの、僕が拭いていい?」
「じゃあ私が誠くんのを拭くわ」

そんな段取りをつけたら響子さんが膝立ちになって身体を起こし、結合を解く。
予め何枚も重ねたティッシュをソファの上に敷いてあるところへ座ってもらったら彼女の股間にティッシュを宛がう。
零れ落ちる僕自身の精液や細かい泡状になっている彼女の愛液を丁寧に拭きとっていく。
すると僕のペニスも快感の余韻を損なわないような刺激に包まれながら響子さんの手で拭われていくのだった。 

「……ふう、これであなたのは良さそうね」
「こちらこそ、ありがとう……」
「……お互い様ね」
「……うん」

僕はグッタリとソファに身体を預けながら響子さんの手を握り指を絡める。
すると響子さんも握り返して僕に寄り添ってくれた。

「ねえ、誠くん。疲れているならベッドの方に行きましょう?」
「……そうしよっか」

中途半端に穿いていたスラックスとスカートを脱いで裸になった僕らはゆっくりとした足取りで寝室に向かい、ベッドの上で横になった。

「一応聞くけどさ、明日も僕たちって仕事だよね?」
「? それがどうかしたの……?」
「ほら、スーツも皺になっちゃたし、下着も汚しちゃったから明日着ていくものどうしようかって気づいちゃったから……」
「そんな気遣いは無用よ。先日、あなたの部屋で寝泊りした時に用意しておいたものがあるから」
「やっぱりそうだったんだ……」

響子さんの身体をそっと抱き寄せたら手櫛で彼女の長い髪をゆっくりと梳く。

「これからどうするの? 今日はこのまま寝る……?」
「うーん……。もう少しこのままでいたいから起きてる」
「そう……」

彼女の問いに延長を希望する。
すると僕の身体の上ににじり寄って、僕は響子さんに見下ろされる形になった。


「あの、響子さん……?」
「さっきのでまだ疲れているでしょう……? 私が気持ちよくしてあげるから、誠くんはそのまま横になって天井のシミの数でも数えてなさい」
「えっ、ちょ、まっ……! んっ!? ん、んんぅ……」

そういう台詞、男の人が言うもんでしょう――と反論しようにも、彼女に唇を奪われては何も言えなかった。

ちゅぱっ、ちゅぱっ――ちゅ、ちゅ、ちゅうぅ――。

半開きになっている僕の唇に合わせたら、密着させたままゆっくり左右に首を振ってくる。
僕もその動きに応えると今度は舌先で歯茎を右から左へ、左から右へと滑らせるように擦られる。

「ふっ、う……んっ、んむっ!」
「んっ……んふっ。ふっ、むっ、むふぅ」

口に隙間がないように唇を合わせたら舌を絡ませ合ったり、甘噛みし合ったりする動きをゆっくり時間をかけて行って僕らは官能度を高めあう。
響子さんの身体を強く抱き締めながらディープキスを重ねていると、再び勃起したペニスを下腹部に擦り合わせてしまう。

「んっ、うっ、うぅ! んあっ……!」
「ふっ、んっ、ん……っ」

僕の拘束から逃れるように彼女は唇を離し、喉の辺りに舌を這わせてきた。
"また口でしてくれのかな――?"と考えながら両肩を抱いていると、ピタリと僕の胸の前で止まった。
すると自然に僕の乳首に舌を這わせて――。

「ん、あっ! はっ、あ! あっ! んあっ! あっ!」
「んむっ、う、んっ……んぅっ、ふっ、うっ、んぅっ……!」
「あっ、は、あぁ……! まっ、待って! おっ、音っ、そんなっ、立てるの……ふぁ!?」

響子さんの舌使いと吸われ心地に僕は思わず快感に蕩けた声を上げてしまった。
微弱な電流のスタンガンを押し当てられて甘く痺れるような――。
あるいは全身をこちょこちょくすぐられるような感覚に喘ぎ声を漏らすと、彼女はそれに応えて微笑ながら両方の乳首を愛撫してくれる。

「ねえ、教えてくれない……? 右と左、誠くんはどっちが良かったの……?」
「えっ……? み、右の方かな……あっ、ふあっ! あ!」
「……んむっ。気持ちいい?」
「うん……。乳首がこんなに気持ちいいなんて知らなかった、快感が全身に広がる感じだったよ……!」
「フフッ。今の誠くん、女の人みたい……」

響子さんの言葉に思わず顔を真っ赤にしていると、僕のペニスがそっと彼女の手に握られていた。
そしてそこに顔を近づけようとしていた彼女の肩を強く握り、動きを止める。

「待って、響子さん。今度は僕が気持ちよくさせたいな……」
「私の方もしてあげたいし、そうね……一緒に舐め合うのはどうかしら?」
「シックスナインを? うーん、やっぱり僕だけ響子さんを気持ちよくしたいんだけど、ダメ……?」
「どうしてそうしたいの……?」
「その、響子さんに口でしてもらうのが気持ち良すぎて、僕が集中できないっていうか……。今はすっごく響子さんのこと、僕にしてくれたみたいに気持ちよくしたい気分なんだ」
「……そう、わかったわ。誠くん、私のことも気持ちよくして……」
「うん……!」

ちゅむっ、ちゅ、ちゅっ――ちゅぢゅっ、はぷ、ちゅ、ちゅ――。

響子さんの顔を引き寄せたら身体を密着させて、しばし音を立てながらディープキスを繰り返す。
音を立てて舌を絡ませ、吸い合いながら少しずつ身体を回転させて今度は僕が上に覆いかぶさる。

「んっ、んんっ……! うっ、んっ、んんっ……!」

片方の手で響子さんのおっぱいを円を描くように揉んだり、乳首を指の腹で撫で擦ったり摘んだりする。
右の乳首を指でコロコロ転がしながらもう左の乳首に顔を寄せてチュウチュウと舐めて吸う。
おっぱいを揉みながら乳輪ごと乳首を吸ったり、両手で寄せたら谷間に顔を埋めて両乳首を舐めたり――。
さっき響子さんが僕にしてくれたような愛撫をお返しする気持ちで懸命に奉仕する。

「あっ、トロトロだ……!」
「あ、あっ、や! んあっ! ああっ……!」

おっぱいから下腹部まで徐々に舐め下がり、コーラルピンクの秘唇に顔を埋めてスンスンと匂いを嗅ぎながらクリトリスを舐める。
クリトリスを舐め擦りながら両手を伸ばして、乳首をコロコロ圧迫する――。ここまではいつものパターン。
でも、ここからはいつもと全く違うパターンを意識して響子さんを愛撫する。

「っ!? あっ、ふあっ! あ! んくっ、ああっ! はっ、あっ! ああっ!」

十分にクリトリスを愛撫したら右手の指を二本入れて、親指でクリトリスを圧迫するように愛撫しながら同時にヴァギナ周辺を大袈裟に舐める。
二本の指は膣内を掻き回すように動かしたり、指を広げたり、あるいはGスポットを刺激する。

ちゅぷ、ちゅむっ、ん、んっ――はぁ、ちゅちゅっ、はむっ――。

指入れを十分に行ったら再び響子さんの全身を愛撫するように腰やわき腹、おへそにキスの雨を降らせて徐々に舐め上がる。
そしてクリトリスに快感を与えながら再び響子さんの前まで近寄ると、しばし見つめ合う。

「ま、ことくっ、んあっ!? んあぁああぁんっ!」

僕はキスしたがっている彼女の顔ではなく、開いていた腋の下に顔を埋めるのだった。
睦み合っている間に腋の下はじっとりと汗ばんでいて、鼻先を突っ込んでスンスンと湿った腋の下から醸し出す微香を堪能する。

「や、やだっ……! だっ、だめ、そんなとこっ、汚いっ、から……んぁっ! ん、くっ、んんっ……!」

思いがけない僕の愛撫に響子さんは枕の上で激しくかぶりを振り、切羽詰まった声で鳴き叫んだ。
僕は彼女の抵抗の声に耳を貸さず、くんくんと鼻を鳴らしながら念入りに舌を這わせ続けた。
今まで見たことのない響子さんの反応に僕の胸には狂おしいほどの愛欲がこみ上げてくる。

「はあっ、はっ、あっ! だめ、だめっ! あんっ! もっ、これ以上っ……! はっ、はぅ!」
「ふぅ、ふぅ、んすっ……はぁ」

響子さんが半ベソになって懇願するものだから僕は彼女の腋から顔を上げる。
するとポーカーフェイスを保てず真っ赤な顔で僕を睨みつけてきた。

「汚いって言っているのにやめないなんて最低ね、誠くん……」
「そんなことない、響子さんの体で汚いところなんか一つもないよ。お尻だって舐めれ……んっ!? はむっ、はふぅ……。ひょうほ、ふぁん……?」
「んくっ、ふっ……ぷはっ。……忠告よ、それ以上言ったらもうあなたとは口を利かないんだから。いいわね?」
「……ごめん。今のは僕が悪かった」

お詫びの意味を込めて瞼や頬、唇にバードキスをする。
彼女もそれを拒むことはなくそれを受け入れて僕の頬を撫でてくれた。

「そう、わかればいいわ……。後は言葉だけじゃなく、行動でも誠意を見せてほしいわ。誠くん、ここまで言えばわかるわね……?」
「うん。いっぱい響子さんの好きなところ突いて気持ちよくさせるから……。また一緒にイこう?」

そう言うと響子さんは無言で頷き、僕の両肩に手を添えてくる。
お互い普段あまり触れない箇所を執拗に愛撫され未知の快感に翻弄されたことで昂ぶり、すっかり挿入の準備は整っていた。
勃起したペニスを掴んで角度を調整しながら響子さんの膣口に宛がう。

「んっ、あっ、ああっ……! 入った、ね……」
「んんっ……! ええっ、あなたのがっ、来る……!」

上体を前傾にしたまま斜め下に腰を下ろしたら、より結合を充分なものにするために垂直に跨るような感じで深く落としていく――。
奥まで届いたら身体全体を密着させるように擦りつけ、この段階で響子さんが痛がってないかを確認するためじっと見つめる。

「ん……痛っ! ……ごめん」
「……お願いっ、今は誠くんのことを感じたいの。だから妙なことは考えないで……!」

つい、繋がった状態で再び腋の下に顔を埋めてペロペロと舌を這わせたらどんな反応をしてくれるのだろう――と邪な考えを浮かべたら肩口を噛まれてしまった。
どうにも僕の考えは筒抜けだったようだ。

「そうだね、今は響子さんと一緒にイクことだけに集中するから……。いっぱい感じて……!」
「誠くん……あっ、ふあっ! はっ、あっ! ああっ!」

響子さんの嫌がることは絶対にしたくない――。
お互い常に相手のことを優先して考えている僕らが辿り着く結論はそこで、自分一人だけ、もしくは響子さん一人だけ気持ちよくなるのはある種のタブーだった。
常に一緒にイクことは不可能だけど、出来るだけお互いのペースに合わせて近づくことなら可能だから――。
僕は快楽に溺れて、危うく一番大切にしていることを見失うところだった。

「んっ、あっ! はっ、あっ! きょうこ、さんのなかっ、ビチョビチョで、気持ちいいよっ! 響子さんもっ、気持ちっ、いい……?」
「うんっ、あっ、はっ、あぁあ! 気持ち、いい……っ! あなたのがっ、いいっ! あ、あぁ……!」

腰を上下、左右、円を描くようにして掻き回したら言葉を掛け合って興奮を促す。
お互いに性欲の塊と化したことを感じ取ったら僕は上体を起こし、彼女の両脚を持って大きく広げて腰を浮かせた状態で猛烈に突き上げる。

「あっ、奥っ! や! あっ、あっ! あぁん!」
「あっ、は、あぁ……! ふっ、はっ、あっ、あっ!」

彼女の身体全体が揺れるほどの激しいピストン運動をしたら身体を再び密着させてクライマックスの体勢に入る。

「んっ、んんっ、はっ、はふっ、うっ!」
「んっ、んんっ! んむっ、ふっ、う! んぅっ!」

肘で体重を支えて響子さんに負担をかけないように覆いかぶさったら唇を貪るようにキスを重ね、舌を交互に吸い合って一体感を共有した。
自分の太腿で彼女の太腿を押し広げるようにしたらより深く、ひたすら奥へとペニスを突っ込む。
恥も外聞もなく乱暴にぶつけても響子さんは僕を迎え入れて、彼女の両脚は僕の腰に絡めてくるのだった。



「きょうこさんっ、イク、イク、イキそう……!」
「まことっ、まことくんっ! いいっ、あっ! イク! イッちゃう!」
「イクよっ? ボクも、出すから……っ、ううあああぁっ!!」
「んっ、あっ!? あっ! あああぁーーっ!!」



僕は抑えきれない絶頂の快感に叫びながら、ありったけの精液を勢いよく響子さんの柔肉の奥へと迸らせた。
彼女も声を上擦らせながらガクンガクンと狂おしく痙攣して、激しく収縮する蜜壷は心置きなく最後の一滴まで絞り尽くす。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……んく、はぁ、はぁ……」
「はっ、はぁ……はぁっ、あぁ……!」
「あう……。まだ、暴れている……」

今回はほぼ同時にイケたことで僕らはすっかり満足したように声を漏らしてゆっくりと全身の強張りを解き、身を預けるように力を抜いていく。
それでもまだ膣内の収縮が続いたもので、刺激された亀頭がピクンと跳ね上がる。
その刺激で響子さんはダメ押しの快感を得たように呻いて、キュッときつく締め付けてくる。
僕はそんな彼女の甘い吐息を間近に嗅ぎながら、うっとりと快感の余韻に浸っていくのだった――。


―――――


再びティッシュでお互いの後始末をした僕らは軽くシャワーを浴びて汗を流した後、裸のまま掛け布団を胸元まで手繰り寄せて横に寝そべっていた。
すると響子さんは憂いの声で僕に語りかけてきたのだった。

「こうして私はあなた好みの女に開発されていくのね……」
「よしてよ、人聞きの悪い……!」
「このことをお爺様にどう告げ口しようかしら……?」
「それは不味いって! 半殺しじゃ済まないから……!」
「あら、私との関係をお爺様に言いたくないの?」
「いや、そうじゃなくて……。その件はきちんと僕の口から響子さんのお爺さんに説明するよ」

僕の受け答えに頬杖を付きながら小首を傾げる。
"本心はどっちなの――?"とアメジストの瞳が訴えているので、僕はポツリポツリと本音を吐露した。

「でも、あんまり僕を試すような言い方はして欲しくないかな……」
「あら、どうして?」
「響子さんのカラダだけが目当てで、僕はキミとエッチしたいと思われているかなって考えちゃうからさ……」

僕にとって誰よりも大切な人なのに、響子さんからすればそうは思われていない――。
こうすることでしか彼女に信じてもらえないという僕の不甲斐なさも原因の一つに違いないけれど――。
シュンと項垂れていると、僕の考えていることがわかってしまったのか響子さんは申し訳なさそうに詫びてきた。

「……ごめんなさい、でもこれだけは信じて。あなたとのセックスは恥ずかしい気持ちもあるけれど、それ以上に全てを曝け出して誠くんと一つに繋がって幸せを実感しているの」
「僕もそうだよ。響子さんと一緒に気持ちよくなっているとココロもカラダも幸せだなぁって実感できるし、生きていくためにはなくてはならない栄養っていうのかな……」
「そうね。けれど、これって私達はお互いに依存していたり現実逃避しているように見えなくもないわね……」
「そう捉えても間違ってはいないと思うよ? でも、このおかげでどんなに辛くても明日も頑張れるって思うんだし、前向きに捉えてみない?」
「……私もその意見に賛成ね。まだまだ忙しい日々が続くけれど、これからもあなたとの絆を確かめ合っていきましょう……」
「うん……!」

枕の下に左腕を差し込んだら響子さんは僕の腕に寄り添いながらもたれかかって来る。
もう片方の腕で抱き寄せたら僕らは頬摺りに興ずるのだった。

伝えきれない部分は言葉で補う。それが僕らのやり方で――。
想いが通じ合ったら感謝の意を込めて何度も唇を重ねて――。
こうやって僕らは胸に希望を含ませるのだった。



――響子さんと性感帯を開発し合った。


END

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最終更新:2014年10月17日 23:05