意志を持つ傀儡
霊核を宿らせることで、既存の物質を設定通りに操ることができる
傀儡魔術。
この
魔術によって造られた使い魔は、極稀に術者の意識を逸脱した、命令以外の行動をとることがある。
昔から、人間に近い造形の人形には魂が宿りやすいと云われているが、
これも恐らくは同じ現象なのではないかと思われる。
事例はいくつもあるが、この現象については未だ解明しきれていない部分が多く、
一説には高密度のマナが、傀儡の中にある術者が命令の為に注ぎ込んだ魔力と反応し
複雑な命令の延長として自立、意志を確立出来たのではないかと言われている。
その後の処置として、大半の術者はこれを自らの反乱分子と判断し、魔力供給を断つのだそうだ。
『「おはよう、ミア。朝食ができてるから早く下りておいで。」
「…。」
今朝起きたら、サニ―がそう話しかけてきた。私は急用以外では自分から話しかけるなと設定した筈なのに。
そういえば、複雑な命令を受けた傀儡が、稀に勝手に動きだすという話を聞いたことがある。
でも、いつもやらせている家事や助手の仕事もちゃんと聞くし、前より気が利くようになってるし、まぁ別にいっか。
何かあったら供給止めちゃえば良いらしいし。』
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オールグリーン研究家ミアの日記より
最終更新:2022年08月31日 18:22