姿見えぬ敵
久平奪還の名目で始まった
第二次文明戦争。
久平北部を占領地としていた
ソレグレイユ軍は、
突然国境線を越えてきた
ユグドラシル軍により前線部隊が壊滅、
そのまま久平全土の奪還に乗り出したユグドラシル軍との全面戦争に突入した。
ここは
ソレグレイユ次元科学開発地区を統治する総督府を置く都市『眩堵(くらむど)』。
市街地戦に突入した結果、予想以上の猛攻にソレグレイユ軍は劣勢を強いられ、
結果総督府の破壊により士気が低下。
これにより、久平におけるソレグレイユ勢力は事実上の壊滅を喫した。
残存部隊は散り散りに撤退を始めたのだが、ここで総督府戦最大の謎が生まれる。
撤退を開始していた部隊が、突然爆炎と共に吹き飛んだのである。
そこに敵の姿は無く、
魔術発生の兆候も見つけられなかった。
結果、撤退を完了した兵は開戦前の3割にも満たなかった。
戦死した兵の中には、錯乱による同士討ちも少なくなかったという。
後に当時を知る兵士の間であの原因不明の攻撃がなんだったのか、という疑問が
戦争中に明かされることとなるのだが、これはまた別の話だろう。
最終更新:2022年08月31日 18:27