嗚呼、愛しき友人よ


嗚呼、愛しき友人よ

彼女は死にかけていた。体には赤々と輝く剣が突き刺さっている。
彼女の従者や此処に棲むモノ達は、遠巻きに、あるいは寄り添うように、悲しんでいた。
何故こんなことに。一体彼女が何をしたというのか。
人は彼女に何の恨みがあって、こんな酷いことを。
地面には彼女から赤い羽根として抜け落ちた血が滴り落ちていた。もう彼女は長くない。
私は何も出来ないのか。
今にも死にそうな彼女の為に、私は何もしてやることが出来ないのか。
そう思っていると、彼女はこちらに顔を向け、少しだけ、微笑んだ。
―――嗚呼、愛しき我が友人よ...。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年08月28日 22:17
添付ファイル