D3兵器

『D3(Devote Devil Device)兵器』

第二次文明戦争初期においてソレグレイユ軍は、
超弩級の火力と堅牢な耐久性を誇るD2兵器により大きな打撃を受けていた。

先の大戦において魔術兵によるゲリラ戦法に苦しめられたソレグレイユは、
対人兵器を主体とした武装プランの元『Panzer』や『ティーゲル特務隊仕様』など、
入り組んだ地形での対歩兵掃討用の兵器が主流となっていたのである。
そのため、開戦直後にD2兵器に対抗できたのは先の大戦で一線を外れた一部の対装甲目的の重火器のみという有様だった。

これにより、開戦初期にはニイドウを始めとする各拠点の制圧を行うなど、
多少の損害を出しつつもユグドラシルは快進撃を続けた。
しかし、ユグドラシル軍はこの優勢の中でもソレグレイユの工業力を軽視せず、
対D2兵器用の兵器が戦線に登場するのは、時間の問題とみていた。

そこでユグドラシルが開発していたのがこの『D3兵器』である。

以前よりD2兵器の開発の指揮をとっていたモンモラスは、
悪魔とすら交流を持ちうるハーフエルフの高い交感能力と、その高度な魔術回路に着目した。

悪魔の力を人間に持たせる研究は、デモニックドレスにより一度試みられたものの、
被験者の精神に重篤な障害を与えるとして失敗に終わっていた。

その理由に対し、モンモラスは『悪魔と人間の自己認識のズレが被験者の自我を狂わせている』という独自の仮説を立て、
それをもとにハーフエルフの交感能力ならばそのズレに対処できるのではないかと期待したのだ。

魔術研究院メイガスの長自らの手によって行われたこの狂気の実験は、幾多の犠牲者を伴いつつも成功し、
悪魔の力を得た少女達は外的な条件付けにより、望む望まざるに関わらず、戦線へと投入されていったのである。


本来は希少なはずのハーフエルフをおぞましい方法により『生産』し、
幼い少女を戦いのために使い捨てるこの兵器は、
火力偏重主義に傾き鈍重になりすぎた第三世代型の対D2駆逐兵器に大打撃を与え、
ソレグレイユの第一次反抗作戦をくじいたものの、そのあまりのおぞましさ故に
存在を知る者は上層部の人間に限られ、全軍の指揮官であるイザベル将軍にも秘匿とされた。

尚、名前の「Devote」は、「身を捧げる」「犠牲」という意味。

関連項目


+ タグ編集
  • タグ:
  • era3
  • ユグドラシル
  • 技術
  • 兵器

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年08月29日 22:28