フレスベルグ


中型魔導支援爆撃機 ファレイラFa-23G『フレスベルグ』

ユグドラシルでは、建国以来機動力に優れた大小の飛竜を駆る
竜騎兵や竜騎士の部隊が空軍の大部分を占めていた。
高い旋回性能と高速力を兼ね備え、魔術礼装によって臨機応変な作戦行動を取ることが可能な飛竜は、
まさに航空戦力としてうってつけの存在であった。
しかし、ドラゴンやワイバーンを始めとした飛竜種には、兵器として致命的な欠陥がいくつか存在していた。

一つは、生物であるがゆえの装甲防御力の低さである。
この点は、帝国軍内でも以前から問題視されており、解決策の一つとして筋力に優れる鋼火竜クロデアント種などに
増加装甲を搭載し機甲竜兵団とする案が採用されたが、いかんせん『空飛ぶ重装騎兵、或いは軽砲兵』の域を出ず、
重装甲・高火力を併せ持つソレグレイユ軍と渡り合うには些か力不足という感が否めなかった。

もう一つが、特に運用面における信頼性である。
強靭な生命力を誇る竜といえど不死身ではないため、被弾時の出血が原因で戦闘行動中に意識を失う、
若しくは翼が使えなくなり墜落するというケースも多かった。
また恐怖を感じる生物としての本能から、敵を前にして錯乱し、騎手との連携を失うという事態も稀にあった。

そして極めつけは、個体数の確保が不安定という点である。
物量が何よりものを言う『兵器』としては、この問題は致命的であった。

飛竜は気高い種族であるがゆえに、例外もあるものの基本的には捕獲・飼育が困難で、戦力化には長い年月を要する。
また余程人間に気を許している場合以外は人間の手による交配を嫌うため、品種改良も難しい。
無論不可能ではないが、品種改良された種は個体数が少なく、軍団長や師団長クラス、
または戦功者に一部が配備されている程度である。

そのような航空戦力の現状を鑑み、era2後期のアルフレッド・シュタイナー陸軍准将(最終階級陸軍元帥)は
『新機甲戦力試案』と名づけた意見書を帝国議会及び軍に提出した。
その主だった内容は『重装甲・高火力を以って敵戦力の制圧を行う航空機及び
戦闘車からなる部隊の新設についての提案』であった。

この案には空軍や陸軍のみならず多くの軍関係者が興味を示し、
全軍の総帥であり元陸軍主席参謀でもあった時の皇帝ストライフ・ルイ・ユグドラシルも
この案の有用性を理解していた。

しかし、これまで連絡・対空戦闘・軽爆撃がせいぜいであった航空機にこのような重装備を搭載することは
技術的に難があったため、国内の久平系の技術者を招き、
一部にはソレグレイユ系の技術も応用した航空機の開発が始まった。

そのうちの一つが魔導陣を利用した所謂飛翔術式の技術である。
後に魔導技術省官僚アルフォンス・メスレデルによって完成されるこの技術は、
当時はまだ実験的なものでしかなかった。

そして幾度もの試行錯誤を重ねて完成した新型航空機のうちの一つが、この『フレスベルグ』であり、
本機のような爆撃機型の他に、戦闘機型や攻撃機型、偵察機型の機体も存在する。
主動力はマナで、もともと魔力の運用ノウハウではソレグレイユを凌駕していたため、
動力に関しては比較的順調に開発が進んだ。

所謂"空飛ぶ戦車"である 『フレスベルグ』は、主に敵陸上戦力への爆撃を主眼において開発されているが、
ある程度の対空戦闘能力も付加されている。

これまでにない重装甲とAG13W魔導爆弾による竜を上回る爆撃能力、二門の85.5mm小型魔力榴弾砲による対地攻撃能力を兼ね備えており、画像のG型は陸上の歩兵支援に特化した陸軍型である。
その他には小型・軽量化され、艦載機としてタルペイア級魔導空母にて運用されているL型や、
対空迎撃に特化し首都防衛軍に配備されているD型などがある。

しかしその代償として、これまでのユグドラシル空軍の代名詞でもあった高速力はほぼ失われており、
敵弾の回避行動などは殆ど想定されていない。
運用開始当初は整備の劣悪さから稼働率が低かったが、整備環境の改善に伴い次第に安定していった。

その後シュタイナー准将主導の下、現在の各種航空団の前身である帝立実験航空隊が、
軍からは独立した皇帝直轄の組織として発足した。
『フレスベルグ』は現在、空軍内の帝立爆撃航空団に改良・発展型が多数配備されているほか、
今尚主力である帝立機動竜騎兵団・竜騎士団にも少数が支援用として配備されている。

この一連の兵器開発計画がひとまずの成功を見たことで、
ユグドラシルの軍事力は大幅に向上したといえるだろう。


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最終更新:2022年08月30日 22:17
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