アヴァロン


自律浮遊空間衛星都市制御機構『アヴァロン』

era2後期、ユグドラシルが開発した空中都市。
所謂「第二の皇帝府」であり、ユグドラシル連合魔導艦隊総司令部、空間現象研究施設など様々な役割を果たす。
施設としては各省庁の出張所、帝都民全てを持続的に賄える自給自足設備と広大な居住区、
艦艇用ドックとその防衛用の砲台群『トライデント』などが備えられている。

中でも初代皇帝の使用武器から名づけられた要塞中央下部の超大型戦略魔導砲『ケラウノス』は、
都市一つを消し飛ばせるほどの破壊力を誇る。

era2期、元技術省の技術審議官で自身も優秀な技術者であった当時の皇帝、
ハンニバル・ゼム・ユグドラシルの勅令により魔導技術の総力を結集して開発が始まった。
ソレグレイユの動きが慌ただしいという報告が各地で挙がっていた当時、
「侵攻される危険が生じた際の首都機能の移転」という議論が行われていた。

しかし仮に首都が侵攻を受けた際、国内の首都機能を移転できるような都市が、
果たして無事かどうかということも懸念材料であった。
そこで出たのが、「陸がどこも駄目なら空に浮かせればいい」という酔狂極まりない案であった。

帝国議会内では予算的にも技術的にも無茶だと言われていたが、
皇帝の強い要望で軍事予算を一部削減し、その分の人員や資材をこの研究に充てた。
研究はハンニバル帝自らが主導し、技術省、軍需省、魔術研究院、
さらに民間からも選りすぐりの技術者や錬金術師が集められ、完成したのがこの『アヴァロン』である。

『アヴァロン』は構成する合金自体が浮遊する性質を持っており、
それをさらに大規模な魔導装置で補助することで、恒常的な浮遊能力を得ている。

また帝都郊外の都市ワルトーグに正体不明の浮遊土地が墜落した、
所謂『ワルトーグ事件』が発生したのも丁度この頃である。
墜落した土地には未知の魔導技術が多く含まれており、その技術力の差から後に『ウラノス』と呼ばれる
天人―当時は『未確認人類』と呼称された―が存在する可能性が初めて人類に示された事件であった。
この後帝都では様々な憶測が生まれ、作家アナクレート・アウティエリによって書かれベストセラーとなった
小説『天空の使徒』がこの事件を基にしていることはあまりにも有名である。

それらの技術は、全て再現することは不可能だったものの当然この研究に多大な利益を齎し、
図らずも建造期間を大幅に短縮することに成功した。
同時に帝国の技術力も大幅に向上し、ソレグレイユにも対抗しうる軍事力を持つに至ったのである。
現在この都市はユグドラシル帝都ファンタズム上空の成層圏に滞空し、
主に研究施設として稼動を続けている。

存在自体は国民に公表されているがその位置は極秘とされており、一部では都市伝説化している節がある。
科学者にとっては、俗世の介入なく研究活動を行える、まさに『楽園の島』である。

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