3:5半固定



※1P側を基準に説明します。2P側は適宜左右反転してください。L3とかR2とはなんぞ?という方は→画像


Ⅰ 3:5半固定の概要


3:5半固定とは




 3:5半固定とは、主に皿が降ってきた時に有効な半固定運指です。「半固定」というのは、対称固定や1048式のように一つの鍵盤に対してどの指で打つかが一つに定まっているわけではなく、ある程度流動的であるという意味です。

 皿を取るためにL5を皿に置いた時、L1は1・2・3鍵に、L2は1・2鍵に届くはずです。そしてL3はどこにも届きません。つまり左手は、

 ・1・2・3鍵をそれぞれ単独で押せる。
 ・12と23の同時押しができる。
 ・13と123の同時押しはできない

ということになります。

 このままでは13や123の同時押しが打てないので、この組み合わせが降ってきた時はR1で3鍵を打つことになります。ではそのとき5鍵が来たらどうするか、というとR2かR3を使います。このように、皿とともに降ってくる鍵盤の種類によって指の位置を適宜変えて融通を利かせながら捌きます。

 結果的には以下のように指を使って鍵盤を処理することになります。

L5 L2 R2 R3
L1 L1,R1 R1,R2,R3 R4(R5)


 このように、7つの鍵盤のうち左側3つを左手が、右側5つを右手が担当することから3:5半固定と呼ばれます。

 固定運指から3:5半固定に移る時は、左手を開いて、小指だけ皿の方に派遣するイメージでやるのが良いと思います。




3:5半固定の習得


 通常の固定と比べて3:5半固定は、

 ・左手は皿と同時に鍵盤を取る(鷲掴みという名前がついています)
 ・右手は半固定を行う

という新しいことをしなくてはなりません。これら2つを一度に練習しようとすると意識が分散して効率が悪くなかなかうまくいかないので、初めは左右別々に練習し、それぞれの熟練度が上がってきてから両手で半固定を行うのが良いでしょう。



左手の練習


 左手の練習としては、

 ・皿と同時に1,2,3鍵を取る(鷲掴み)
 ・L1で1鍵と3鍵の間を行ったり来たりする

以上の2つをできるようにします。

 前者の練習の際に意識すべきことは、皿の押し引きの両方で鍵盤が取れるようにすることです。また、2鍵を親指で取ってしまうと1,3鍵を取る指がなくなってしまうので、2鍵は必ず人差し指で取ります

 後者においては親指の移動を練習しますが、皿が1鍵側にある関係で、1→3と移動するよりも3→1と親指を皿側に引き寄せるように移動させる方が簡単である点に留意します。もちろん問題となるのは難しい1→3の移動の方で、スムーズにできるように練習します。



右手の練習


 右手の練習としては、右手で3~7の5つの鍵盤全てを取れるような指の配置を考えて実行できるようにします。具体的には、

 ・R1で3鍵を取る
 ・R2,R3で5鍵を取る

この2つによって実現することを目指します。

 前者のR1の動きは、左手のL1で1鍵と3鍵を取る動きと全く同じなので比較的練習しやすいかと思います。もしも普段からレーンを見るときに3鍵と4鍵の間に左右の手の境界線を引いて認識していると、「3鍵を右手で取る」ということを体に覚えさせるだけでもかなり苦労します。認識面からも慣れなくてはなりません。

 一方後者は、3:5半固定の最も難しい部分とも言えるでしょう。特殊な押し方を要する全押しを除いた、1つ、2つ、3つ、4つ同時押しの全てのパターンの押し方を判断して押さなければなりません。例えば以下のような譜面の場合、(STULTI(A)ランダム)



右手は345→3567→346→3467というように押さなければなりません。後ろ2つの346と3467はR1の動きだけで実現できますが、前2つの345と3567はかなり複雑な右手の指の入れ替えを行わなければ取ることはできません。このように、まず多数同時押しを認識し、右手に必要な移動を判断し、指の配置を変えて押す、ということを瞬時に行うことができるようになるにはかなりの熟練が必要となります。

 ここでおすすめするのが5Keyの譜面を片手で行うという練習法です。5つのレーンを右手だけで捌くことに集中した練習を行うことにより、認識と実行の両面での上達を効率よく行うことができます。また蛇足ではありますが、この練習法により右手の柔軟性や打鍵力が底上げされ、通常の固定運指にも良い影響が出るというのは経験談です。


最終更新:2014年04月28日 22:39
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